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[背中を撫でられて、俺は力なく振り向いて。そこにいたのは、離すまいと誓った彼女。失うまいと思った人。俺は結局、彼女への誓いすらも守れなかった。それでも、誰かにすがらずにはいられなくて。きっと、そこにいたのが誰であっても、俺は同じ事をしたと思うけれど。母親を求める子供のように、ふらふらと立ち上がって手を伸ばす。彼女が拒否しないなら、そのまま抱きついてみて。]
………ごめん、今は顔………みないで………
[と、声を殺して泣いたと思う。]
[伸ばされた手を拒否する事なんてできるわけもなく、そのまま抱きつかれ無理に声を殺して泣く彼の背中を先程と同じようにゆっくりと撫で]
きっとジュンタの気持ちもアンちゃんに伝わってるよ。
最後にジュンタに会えて、アンちゃん幸せだったと思う。
[そう伝えた後はただただ黙って、背中を撫で続けるだろう。]
他にぃ?
[首をひねる。とはいえあの時は…
いきなり立っていて驚いたのが半分で。
それでもぽつぽつと言っていた事を思い出す]
死んだ奴の、思いを還せ、って
この街はもう、いつもの街じゃないから…って。
あとは。メールで何とか…
[そこでぶんぶんと頭を振って]
意味わかんねーよ。
なに言ってたんだか。
他には、会ってねー。
おっさんと、イマリだけだ。
[望みの込められた瞳を避けるように俯いた]
[ぽつぽつと紡がれる彼の声を必死で追う。
彼を見つめる瞳は縋る様な色だったろう。
が、一通りの彼の返答を聞けば]
…そっ、か
[俯く彼の後を追う様に。
理由は違えど、笑いを讃えたまま俯いた。]
……会ってない、かぁ
[ぼそりと口から零れる一言]
[ひとしきり泣いて。泣いて。泣いて。それでも、彼女の撫でてくれた背中は、なんだか暖かかったから。涙が枯れてしまったなら、俺は大きく深呼吸した。]
……ごめん、美夏ちゃん。
手、離さないって言ったのにね。俺、嘘ついちゃった。
許して………?
[ふっと体を離そうとして。美夏に微笑んだと思う。]
もう、大丈夫だから。
[きっと、ほとんどの人がいなくなった
それは頭のどこかで認めていて。
しかしそれを受け入れられない何かも、あって]
イマリは、見てねーのか?
ほんとに、オレたちだけになっちまったのか?
ちがうよな、誰か、いるんだよな?
おっさんも他に誰か見てるんだろ?
[イマリと、ズイハラをぐいっと見上げる目は
真っ直ぐで]
ケータイのメールでなんかしろって言ってたんだ
アイツ。
[そうすればみんな帰ってくるのか、と]
[しばらくそうして泣いていた彼から聞こえてきた言葉にはふるふると頭を振って]
ううん。気にしなくてよいよ?
………。
ジュンタも一緒に消えちゃうかと思った。
[最後の一言はぽつりと本当に小さい声で。
大丈夫と微笑まれれば、自分も微笑んでポケットからハンカチを出し、彼が流した涙の痕をそっと拭った。]
俺が消えたら、さみしぃー?
[あはは、と無理矢理笑みを作って]
なぁ、美夏ちゃん。俺、泣いてたよな?
[涙の後を拭われながら、俺は聞いた。彼女が死んだと知った時、凍ってしまった俺の心。だから、彼女の葬式の時だって泣けなかったのに。いつの間にか、俺の心は溶けていて。]
[問われれば、彼を見つめたまま]
見てないよ。
誰か居ないかと思って…
ウチの側の家とか、さ。
ピンポン鳴らしたり、勝手に扉あけたりして。
人を探したんだけど…ね。
何処の家も、居なかった。
[ジュンタから電話の来る前。
アンと会う、其の前に起きた出来事の切れ端を話す。]
ケータイ…
[デンゴが触れる話題に、自分の其れを取り出し。
アンの言っていた事を思い出している。]
[こくりとゆっくり頷いて]
うん…。寂しいし、消えたらいやだ…。
[ぽつり本音を漏らし、無理に笑う彼がそれでも泣いているように見えて]
うん。泣いてた。
いーっぱい泣けばいいと思うよ。
涙と一緒に悲しい事も流しちゃえばいいと思う。
[そんな事で彼の心が晴れるとも思えないけど明るく言ってにこりと笑う。その笑顔はぎこちなかったかもしれないけれど。]
だれも、みてねーのか。
[イマリの返答には不服そうに口を尖らせて。
でも街の中に人の気配がないのは自分も見ていて]
それで、どーにかなんのか?
[イマリの手元のケータイを見た]
[覗き込むデンゴに見せるようにして]
メールを送れって云ってたけど
[こち、こち、と操作し]
…あて先設定しちゃダメって言ってた。
[顔をあげ、なんとなく、二人を見つめる]
…あて先設定しないで、おくれたっけ?
[問いかける顔は、何処か情けなく。
眉毛がへにゃりとあがり、泣き笑いの様。]
……送れなかったらどうなるんだろう
[ぽつり呟く]
あはは……消えねぇよ。俺は消えねぇ。
美夏ちゃんを置いて、消えるなんてできねーよ。
俺が消えなかったのって、多分美夏ちゃんのおかげだし。
[ぽふり、彼女の頭に手をのせようとしてみて。]
そっかぁ………俺泣けてたかぁ………
じゃぁもう、本当に吹っ切れたのかもな。
サヨナラを、やっと認められたみたいだ。
[にこり、笑って]
[ぽふりと頭に乗せられた手に安心して]
うん。消えないよね。
ん…?私のおかげ?
[首を傾げ、吹っ切れたと笑う彼にはただにこりと笑い返した。]
そういえばまた新しい11月1日が始まったんだね。
雪もまた降り始めてるし。
[そう言って携帯の時計表示を確認する。]
[イマリの操作する様をじいいと見て
くびをひねる]
あて先って、入れねーと送れねーんじゃねーのか
[違ったっけ?とイマリとズイハラを見る]
あて先は入れないとして…後は…
送るんだからなんか書くん、だろ?
[あて先なし、件名、文面なし…では、
さすがに意味はないだろうと]
あ…ズイハラさん。
調子、少しよくなりました?
[ズイハラの声に視線を其方にやり、問う]
空へ…還すとか云ってましたけど…
[答えながらも視線を携帯に戻し]
うーん…
件名に……確か、名前で…
本文は…
[デンゴの声を追う様に、ぽちぽち操作]
そ、美夏ちゃんのおかげ。
………あいつが俺の前に出てきた時。
美夏ちゃんの顔が浮かんだ。
あんなに好きで、会いたかったアンに会えたのに。
他には何もいらないって思ってたのに。
美夏ちゃんの事が、頭よぎっちゃって。
案外俺、美夏ちゃんに惚れてたりしてー?
[あはは、と冗談のように言ってみる。]
あぁ、新しい1日が始まったな。
雪も普通に降ってるし。
[件名に自分の名前を書いた]
…うえはら、いまり、と
[本文は]
本文はなんだっけ…
星に願いを?
[うん?と小首傾げ。
ぽちぽち、とその文章を記述して。]
おくる、のかな
[ぴぴ、と送信してしまう]
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