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ああ、犠牲が少ないうちに
どうにかしないとね……。
[ないうちに、とは言えない。
犠牲は既に出てしまった後なのだから]
ありがとう、内容は変わらなくても
一応の答えは聞いておきたかったんでね。
実際に聞くのと聞かないのでは、
気持ちも違うからねえ。
[ラウリの笑みに応じるように、口角を上げる]
…ドロテアのくれた時間を有効に使うこと。
それが、せめてもの彼女への手向けとなることを信じている。
もっとも、彼女の心のうちなんて分からないからな。
迷惑に思われるだけかも知れんが。
[吊り上げた口元が、崩れて。
く、と喉の奥から、何ともつかない響きの声が、漏れた]
――ああ。私も、しっかり声に出して言っておくべきだと思っていたのでな。
お前という人間が聞いてくれて、嬉しいよ。
感謝する。
[ゆっくりと頷く。そして黒い外套の裾を翻して――ゆっくりとその場から歩み去った**]
迷惑かも知れないけど、ドロテアだって
私らの心は分からない。
だからそれでいいんだよ。例え自己満足でもさ。
お互い様って奴だ。
[語る口調はどこか淡々としている]
……与えられた時間がないからこそ、
しっかりしないとね。
[去るラウリの姿を見送ってから
小さくつぶやく。
ウルスラもまたその場を*立ち去った*]
[術が解けるのにはどれ位の時間が掛かっただろう。
暗闇の中、ただ燃す火の明かりだけが光源を持つ。
その最中に浮かび上がる一つの結果。
見ては一つ溜息を吐いて]
良かったわね、長老。
貴方の足となっているアルマウェルは、
とりあえず信じてもよさそうよ。
[言葉とはうらはら、思いつめた様に落とす言葉は、
洩らした瞬間に凍て付く。]
――姿表さずして結果を落とすだなんて。
これも卑怯と呼ぶ所業かしらね?
[記されたなめし皮は布に包まれて使いのものに。
村の者がよく見知った動物に持たせて長老の元へ。
その行く途中で奪われるか否かは呪術師にも判らぬものの、
発信者の素性は、鼻が利くものには、
焚き込めた香のひとつで探れるやも知れず。
しかし其処までは問わずの結果は、
新たな論の*種蒔きとなるか*]
[マティアスと話した後――
一つの行動を決めて、けれどそれだけ。]
説得、か……思いつきもしなかった。
思いついたところで――実行はしないけど、な。
[漏らす息は相変わらず白くて。
視線を落とせば帽子で表情など見えなくなり]
"何"が、
裏切りなのかね――……
[供儀の娘はもう居ない。
自分は何もしなかった――何も。]
禁忌を感じて居ては出来ぬ―― か。
[幾らか意を交わしたビャルネと別れて、蛇遣いは
靴のなかでかじかむ足先をきゅきゅと少し動かす。
イェンニが戻るまでの間を過ごす方策を想うに…]
…酒だろうかな。
[そんなことを呟いて、自らの住まいを振り返り、
然程遠くないカウコの小屋を見遣りと思案する。
視線を動かす途中へと、そぞろ歩く態の人影を見]
… 何だ、当の本人が居るじゃないか。
ん――
[足下を見ながら歩くのは各々の住まいなどがある方角。
気配に顔をあげればトナカイが歩く様。
見慣れた彼らの見慣れぬオプションに目を細める。]
あんま悪趣味なことはしたかないんだけどな。
[誰にも聞かせたことのないほどの柔い声で呼んで、その"オプション"を見るや帽子に手を添え少し深めに被せて]
……――なかなか
[所詮聞く者なき独り言。気まぐれに途切れ。]
曲者ばっかりだな、此処は。
――知ってるけど。
[炊き込めた香には気付かないまま。
長老へと宛てられたソレをそのまま奪うことはなくそのまま放して行かせ。
トゥーリッキがどこから見ていたかは知らないし、未だ気付かない。遠目にどこまで見えているのかさえ。]
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