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―― →森 ――
[森の中には小さな家がある。
村一番の老婆が亡くなって以来、空家のそこ。
玄関は鍵がかかっているが、台所の窓は開けることが出来るのだった。]
お邪魔します……
[ぎし、ぎし、と重い音がする中、薬品が残されたままの戸棚へ近づく。
ドロテアがいないと騒がれていることも、ましてや、すぐ近くに遺体があることも、アイノはまだ知らない。*]
―― 自宅 ――
[朝食の席。ペッカは、姉の話を聴いていた。
前日の姉は、来客があって楽しく過ごしたらしい。
先に来たベルンハードは長居しなかったが、彼と
話すとのんびりした気分になれて好いという話。
ウルスラと刺繍の話をしたが、古布をほどいた糸を
使えば淡い表現が出来るかもしれないという話。
彼女のよいひとはまだひみつと詮無く勿体ぶる話。
あまり気の利いた相槌も打てないペッカだったが、
臨月の姉が和やかに笑むのを眺め朝食を摂った。]
――朝、宿の一室――
……むかつきますね。
[目覚めはあまりよくはなかった。昨日のことを思い出して独り言つ。
なにを言ってもウルスラにはさらりとかわされて。そのまま別れてしまえば苛立ちだけが残った。]
僕も気が立ってるんでしょうけど。早く開通すればいいのに。
[いつもの燕尾服に着替え、外にでる。]
戻ってない……?
[食堂に行けば、戻らぬドロテアが騒ぎになり始めていることを知った。何か知らないかと言われれば、首を振る。]
僕が知るはずないでしょう。彼女には嫌われてるんですから。
[僕も彼女が嫌いですよ、なんてことは言わなかった。]
/*
24h村だし、2日目はダミーの死をさくりと
認識しておいたほうがいい気がします。
後の展開が寸詰まりになるのでとかそんな理由。
…占い師はアイノですよ ね?
昨日は占われを目標に動いていたのですが、
どうだったかな。占って貰えたかな。
/*
そんな希望的観測。よし時間軸動かそう。
村建てさんの天声がきめ細やかだと、
つい展開に受身になりがちでいけません。
―― 森からドロテアの家へ ――
[――数人が運ぶ戸板に、横たわる亡骸。
森で見つかったドロテアは、村人らの手によって
無残な死の知らせと共に生家へと運ばれていた。
手伝いに呼ばれたペッカは、皮膚だけで体に繋がる
ドロテアの足が千切れぬよう、支えながら歩いた。]
… ……
[誰も口を開かぬ道行きは酷く重苦しく気味が悪い。
紅いしたたりは赤黒いねばつきへとかわりゆき――
恐ろしく長い時が、それでも移り行くのを示した。]
[ペッカは、呆然と光景を瞳に映す。
喰い散らかされた骸へ白布がかけられるのを見た。
その白へ、零れた命の色がじわじわと広がるのも。
『 人狼は 居たんだ。 』
深く暗い穴の底から昇るような怨嗟の声を聴いた。
死者の父親が蒼白な面持ちに怒りを混ぜるさまも。
――血腥い匂いを引いて、列は村へと向かう。]
[少女を探していたウルスラとは通りで行き会った。
ペッカは、目が合った彼女へぎこちなく首を振る。
遠巻きに、或いは駆け寄って。嘆きの列はゆく。
…村衆の列。誰からともなく、呟きは漏れ出す。
『 …狩り出せ。 』
『 追い立てろ。 』
『 人狼に、復讐を。 』
村を覆い渦巻き出す何かを感じて、ペッカは吐気と
悪態とを同時に堪えるような面持ちで列に従った。]
[亡骸のちいさな手が握り締めているのは、
僅かに毟り取ったらしきおおかみに似た獣毛。
…やがて、ドロテアの部屋から日記が見つかる。
記された直近の日記に、僅かでも名の挙がった者は
人狼の血を疑われ集められることと*なるだろう*]
―― 町の通り ――
[どうしようかと迷って居るうちにざわめきが大きくなる。
嘆きの悲鳴が聞こえ――、外へと出てみたものは、森からやってきた葬列だった。]
……まじかよ……
[ドロテアが、人狼が。
復讐を。
口々にいう人々の声が聞こえる中。
ゆっくりと近づいていけばペッカの姿が見える。]
――……
[その姿に声を掛けることはできず、ただ僅かに瞳を伏せて。
その視線の先、亡骸が握った金色の獣毛がいやに目に付いた。]
/*
この村設定&編成だと、疑い合いパートを
長く取ってもガチになりようがないはず、と
油断しまくっている私がいます。
皆さまはどうなんでしょう。
疑い合いパートを長く取りたくなかったり
するのでしょうか。。
[一階で、いつも通りの朝食を取っていれば、次第に大きくなるざわめき。]
『ドロテアが』『人狼が』『復讐を』
人狼……? まさか本当に?
[馬鹿にするような口調は、昨日ほどの勢いがない。ミルクを飲み干し、確認のために外へ向かった。]
[ドロテアの葬列は生家へと向かい。
そしてドロテアの日記を見つけた人が、疑わしきものの名を声高に呼ばわる。
その中にはベルンハードの名も含まれて。]
えー……
[疑われて心外だというように眉をひそめ。
ウルスラやペッカ、ラウリにアイノの名前まで呼ばれればさらになんで疑われるんだと、憤慨する。]
疑わしきは罰せよじゃねーだろお……
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