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はわわっ。
あ、ああっ!せーじくんっ!!
[足を動かすきっかけは彼の眦に見えたもののおかげて、遠くへ行かないよう手を伸ばしながら掛ける。]
せーじくんっ!!!
ま、まままっ、待って。
…まtt
―村外れ―
はあ、はあ……。
[闇雲に走り続ける。
足は無意識に人気の多い方向を避けて、気が付けば村の外れにまで到達していた。
周囲には村と外との境界を示すように、疎らに木が生えていた]
…………。
逃げちゃった、なあ。
[足を止めると、幾分か冷静になって状況を振り返る事が出来た。
犯人と確定した訳ではないが、十分に怪しまれる要素にはなっただろう]
……なんで、
[広げた両手をじっと眺め、呟く。
しかし理由は明白で、自嘲気味に笑う事しか出来なかった]
ははは、……あーあ、馬鹿だなあ。
[騒々しい蝉の大合唱に、か細い呟きは飲み込まれていった]
私はやっていませんと言っても信じてもらえないのと同じように、
私がやったんですと村長さんに言っても、信じてくれない気がする。
[手にしていた鞄をたたきの隅に置き、代わりにダンケが持ってきた木桶を手にした。
向かうのは集会場のすぐ近く、死者を料理する為の斎場]
――斎場――
[容疑者は、遠巻きにされる。
まな板の上に湯剥きしたトマトを置いて、包丁の背で叩き割った。
同じくまな板に鎮座する、かつてアンであった肉片に赤い汁が飛ぶ]
誰のことを食べたい?
[洞窟でセイジに向けた質問が思い出され、口の中で呟いた。
トマト、にんじん、玉ねぎ、そして肉。
すべてを鍋に入れて、ひたひたと水を注ぐ]
髪結い ホズミは、ここまで読んだ。[栞]
え?うーん。まあ、確かにあんまり信用されないかもねぇ。
この状況で犯人が自白する理由が無いし。
[ほずみの言葉に考え込みながら、斎場へ向かうほずみを見送る。暫くはそのまま集会場に残っていたが、手持ち無沙汰になり]
あの、畑に戻ってもいいですか?世話が終わったら戻って着ますから。
[村長に許可を得て、一度畑へと戻る。]
[
じゃりっ。]
[土を掴む音がした。
周囲の村人はまるで態度を変えて助ける手すら伸ばしてはくれなかった。]
っ…
確かめなきゃ。
清治くんのお母さんのこと。
[突っ伏したまま小さく小さく呟いた。**」]
[狭い村だからだろう、どこかで炊かれる鍋の匂いが漂って来た。
一番色濃い匂いは、肉。
刻まれた娘の肉体は、鍋の中で単なる食材に変わってゆくのだろう]
肉……肉……全部、ただの肉。
[呟いて、ふらりとまた、何処かに向かって歩き出す]
[擦りむいた膝の治療のふりをして診療所へ戻る。母から受け継いだカルテを開いて清治の母の名を探す。]
…ない。
母さんが死体を確認したわけじゃないんだ。
でも殺されたって ――― 本当に?
ンガムラさんなら知ってるかな…?
―畑付近―
[定まらない足取りで歩いている所に、声を掛けられる]
あ、……ダンケさん。
集会所の方は解散になったんですか?
[つい普段よりまじまじと見てしまったのは、若葉の話を聞いていたせいだろうか]
いやー、解散になったわけじゃないみたいだけど、なんか。皆出て行っちゃったから、僕も畑を見に来たんだ。
なんだか、大変なことになっちゃったねぇ。
[言葉とは裏腹にいつも通りののんびりとした口調で。]
…?僕の顔に何か着いてる?
[清治の視線に首を傾げる]
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