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『ウサギ、ウサギ、ダレミテハネル?』
[声を潜めた二人にも、その歌は聞こえたろうか]
『ウシロノショウメン、ダアレ?』
[カタコトの幼児のような、小さな声が、そう告げると同時、ぽーん、と淡い金色の光が時計から飛び出して、公園の隅に居たセーラー服の少女の頭上で、弾けて消えた]
だって拒否権ねーんだもんよ。
[悟りたくもなるわ、と言わんばかりに返す]
ん〜〜〜〜〜〜〜。
[とにかく力を使おうと念じるが、傍目何か変化してるようには見えない。今は1人だから良いかもしれないが、道の真ん中で力んでる様子は変な人と思われて差し支えない様相だった]
っと、っわ!
[その最中、すぅっと念じていたものが身体から抜けて、直後、誰かを捉えるイメージが頭に入ってきた。驚いて声を上げる]
……これで良いんかな?
[とりあえずどっかに向かったみたいだし、と祐樹に確認を取ってみた]
へっくしょん!
[穂積と別れて家へ向かう最中。急に鼻がムズついて盛大にくしゃみをした]
っかしいなぁ、花粉症は持ってねーんだが。
悪寒もしねぇから風邪じゃねぇ。
誰か噂でもしてんな?
[話題にはされていたのできっとそのせいだろう]
『ダアレ?ダアレ?コノコジャナイネ』
[光の中に、小さな「声」も消えていく]
オヤオヤ、ワタシの時計モ、「夢」を見テイルヨウダネ。
[再び、カチコチ、と本来の「時」を刻み始めた時計を眺めて、職人は、ただ、すこうし困ったように笑った]
……だよ、なぁ。
[拒否権がない、という言葉に、しみじみと頷いて。
力の使い方なんてわからないから、とりあえず念じるのにあわせてみる。
力が抜ける感触と、滑り込むイメージは同じもの]
…………大丈夫…………なんじゃ、ねぇ、の?
よく、わかんねぇけど。
んーーーーー。
よっし、良いことにしちまおう。
失敗してたにしても、ちゃんと説明して行かなかった奴が悪い。
[そう言い切って良いことにしておいた。それからもう一度使ってみようとしてみるが]
ぬ、連続しては使えないっぽい?
後でまた試してみるか。
[コントロールが出来て居ないためか、念じてもさっきのような感覚にはならず。時間を置いてからまた試してみることにした]
お嬢サン、大丈夫カネ?
[光の向かった先にいた少女は何が起こったか分からない様子で、固まっている。職人にしても、実は良く分かっていないわけだが、とりあえずは放っておけなかったので、カツン、とステッキを鳴らして少女の元へ]
だ、な。
もう、細かい事は気にしても仕方ねぇわ。
[こちらも強引に納得した。
実際、説明が足りなさ過ぎるのだから、仕方ない]
んー? 多少のチャージがいる、って事かね。
ま、焦らずやるとするかぁ……。
[連続では使えない、という言葉の通り、先ほどまでは感じられた力が今は希薄になっている。
面倒だな、というぼやきは、ループしそうなので心の奥に収めておいた]
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