[1] 絞り込み / 発言欄へ
おや。
おや、おや。
[スキャナーの切符読み取りログが明滅する。
アンと、バクと、パオリンと、グリタの数値が急速に増加し、モニタから桁がはみ出して消えた]
随分と重い荷物ですね。
[ツキハナの楽器ケースに目を細めた。
女の背中に向かって、低く呟く]
過去の自分に会ってしまうと、時空の間に飛ばされてしまうのでお気をつけて。
―― 公園 ――
誰ですかな?
[コンクリート道を歩く足音が三つ。
一つは自分。もう一つは水音混じり。遠くの一つは、少し軽やかな『自分』]
先に時間屋へ行かねばならなかったようです。
[腕時計の針はぐるぐると長針短針逆の方向へ回っている]
最後に山登りをしたのは20年ほど前ですね。
チョモランマは、険しかった。
[過去の自分の過去を見ぬよう前を向いて歩き続け、二つの足音との距離を狭めぬままに発信機のボタンを押す]
“氷漬けの狂信者”
ここにあり。
[時空警察への通報は終えた]
カレー大好きイエロー、パオリン
クールなめがねっこ、ぐりたん
すかしたブルー、バク
おいろけホワイト、ツキハナ
熱血してないレッド、猫車掌!
[ウミは何やら唱えた]
[1] 絞り込み / 発言欄へ