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ここに来た方々はそれぞれの世界の鏡です。
それぞれの世界をそれぞれの方が映し出している。
神は、その鏡を割れば、もう、その世界に光はなくなると言いたいのでしょう。
だから、割れた世界にはもう光はありません。
背負うものなどもないと思います。
なくなるのですから。
しかし、グリタさんが
己の世界以外のために、貴方や三番…に頭を下げているというのははじめて知りました。
そうですか。
[それは文字だけでは伝わらないだろうが、やや失望している。]
彼は、彼の世界を愛して、生き残る人だと思ったのですが…。
どうやら見込み違いのようです。
――……わたしは、グリタさんとソラさん、
どちらかの世界を選ばなくてはならないと思っていました。
ならば、グリタさんはいらないですね。
[扇子を広げ、口はし、あげる。]
彼は、強いことは変わりません。
残せば、脅威。
[続くゼンジの言葉を、黙して受け取る。
彼の心のうちのすべては伝わらずとも、
その言葉の端に、落胆が見える気がした。
そして、]
─────…、
[示されたごくシンプルな言葉に、思わず息を詰める。]
[ゼンジがグリタと、どんな会話をしたのか知らない。
どんな心で信を交わしたのかも知らない。
けれど、すれ違ったのだろう。
見込み違い。という言葉が、重く冷たく沈みこむ。]
…、
[いいのか。とは問わない。
一度瞳を伏せ、彼の選択を聞き、]
[隙を見て、鞄からタブレットを取り出し
メッセージを確認する。]
あほ娘が。
[口にした言葉は、入力されず、指で打ち込む。]
大声で叫べ
俺は8thと一緒にいる
8thは未来で死体をみる、ってさ
[そこまで打ち込んでから、続く言葉は打ち込まず]
俺だったりしてな
[と、心の内で皮肉めいて *呟いた。*]
[10thのことを話す、二人の吹き出しを読みながら。
自分は、彼の行動は見えるけれど、
彼とは殆ど話したことがなくて
さっぱり何も知らないなあ、と頭の淵で思う。
…知ろうとも――していない、けれど。]
カノウさん、
貴方も、ご無理はなさらず…。
[少し思いつめたようにも聞こえたので、そう返しながら]
デンゴくん、
鏡の表現はわかりやすかったですか?
[そう続けて]
[うん、とゼンジへ頷きを返し]
特に、それぞれの世界の鏡ってところがなー。
オレ様たちが選ばれたのには理由がある――ってことだろ。
無作為じゃなくてさ。
なんとなく、わかるもん。
[拳をぎゅっと……強く、握って]
選ばれた理由。
…オレ様なら、やるだろうって思われたんだろーさっ。
かみさまに!
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