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[――ぐしゃり。
穏やかならざる音が響く]
[かつて落ちた時と違い、痛みを感じた。今度は失敗ではない故なのだろうと、考えた]
[地面に仰向けた男の右腕は左足と共にあらぬ方向に曲がっていた。落ちていた瓦礫の上にあたった左の脇腹は、その先端に抉られ貫かれていた。何より、男の頭は、割れていた]
[傍らに落ちた帽子の濃緑を、首に巻き付いたままのマフラーの薄緑を、地面を、鮮やかな赤が染めていく。広がった黒い髪、そのちらほらと混じった白い部分も、赤く染められ]
――……、
[サングラスはブリッジで二つに割れながら少し離れた場所に飛んだ。切れ長の、黒い瞳が、無彩な代わりに全ての色彩を歪みなく映し出す瞳が、空を、鮮やかな空を、虚ろに見据える。男は薄く唇を開き]
…… ああ。
綺麗、 だ。 ……
[ぽつりと、掠れた声で、満足げに、呟いて。やはり満足げに、男は笑った。
そして、男は目を閉じた。
最後に鮮やかな色を残して。最後に鮮やかな色を見て。色彩の夢に、*沈んでいった*]
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