情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
>>110
[内心を悟ったか、言葉にし直されたものに大げさに胸をなでおろした。
化学繊維の金色が巻き込まれ、微かに広がる。]
――あァ……そうだったのかい。
ちょいと驚いちまったよぅ……
もしかするとォ、――嬢ちゃんと孝治くんの間にねェ……
青春の一ページみたいなものが繰り広げられ、破り取られた後だったかしらん
だなんて。ふふ、婆ちゃん一人でドびっくりしちまった。
[質問にふむぅと唸るような言葉を喉奥から零し、
ふと思い出したように売店で購入した菓子を広げだす。]
そうさねェ、大丈夫だと思うよう。
でも、入る前に看護士さんにでも声かけて、
お見舞いしていいか聞くと尚、いいかもねえ。
ほォら、無菌室っつうと……あれだろう。なんか大変な病気が多いんだろう。
>>116
[老婆は頬を緩ませた。
孫のような年齢の子供に囲まれて午後の一瞬を過ごすことに、幸福を見出して。けれど、人形を抱える腕に力がこもる、彼女は知っていた。老婆は、彼らにとっての“家族”ではない。
孝治の言葉に悪戯気に口端を持ち上げる。円らな瞳は半ばほど閉じられた。後藤の内心を察するほどの鋭さが、老婆には圧倒的に足りなかった。後藤も、羊の子も、圧倒的に若く――そして、老婆にとっては孫ほどの、年齢だったから。]
なァにを言ってるのさ。
女の子ってェのはね、細やかな男に弱いんだよう。
さっき服のことにぱっと気づいてた孝治くんはァ、
女の子に見初められる才能があるってェのさ。
顔もカッコいいし、将来引っ張りだこだよう、ねえ嬢ちゃん。
婆ちゃんが太鼓判押しちまう。
……おや。バレーに興味があったのかい?
少し前の話
>>117>>
[ぽーちゃん、と紹介された羊に老婆は軽く頭を下げて見せ、
それから次いだ好奇心をそのまま嵌め込んだような目に、んふふ、と笑った。
もったいぶったように背もたれに背を預け>>101話題の転換をさしはさみつつも
さてどういったように話してみようか と言うことが老婆の内心を占め
かつ、そのことが彼女の心を浮きだたせていたのは傍目にも明確なほどだった。
けれどその話も、彼女の>>103ちょっとした言い間違いの中に霧消してしまった。そうして田中老人は心躍らせていたことをするりと飲み込んでしまって、
今の話をに――主に、孝治がモテるだろうという話に――夢中になっていた。]
[1] [2] [3] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了