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[車両の片隅で蹲り震えているが、弓槻と長澤が各々の役目を果たそうとする姿が目に映り、治まらない震えをそのままに立ち上がった]
あ、あのね……クルミちゃん、違ったの……。鬼さん、じゃなかったの。
[最終的に自分が下した決断故、語尾が小さくなる]
……ごめんね。
[ポツリと漏らすと壁に凭れ、崩れ落ちるようにまた座り込んだ**]
[働かない思考をどうにか動かそうと、弓槻が話しかけていた内容を思い出す]
それ言ったの、六花なのね。
でも、見たい人言うのと投票したい人言うのとも、あの時の状況とも全然違うのね。
コハルちゃんも過剰な思考隠しいらないっていってたのよ。
……シンヤくん、言い訳しかしてないのね。
[視線を合わせたくなくて、最後は俯いて言った]
[様々な結果を考えると焦りが生まれてくる。あれから他には欠けている人は居ない。考えなくては]
投票、占い師さんも含めて考えなきゃいけない…のかなぁ。
皆にも考えてほしいのね。
[ふと、ずっと手に持っている近藤のスケッチブックに気づき、三枝に近寄ると差し出した]
六花、自分の持ってるのね。
これ、コハルちゃん持っててほしいのね。
……。
[鷹野が別の車輌へと移るだけのはず。
けれど、鷹野の後を追い、ここの車輌から離れる人の表情をちらりと見て、ぞくりと背筋が凍る悪寒を感じた。**]
─回想─
[鷹野の処刑が決まった。
決定を受けると、彼女は自らこの車両から出て行く。鷹野は知らないのだろう、隣の車両へ移るという意味を。
彼女の背中を寺崎が追っていった。
その後をさらに、数名が続く。鷹野と懇意にしていた者、あるいはそれ以外の感情を抱く者。
…───生徒がまた一人、命を落とす。
その事実を突きつけられ、俺はその場から動けずに居た]
[やがて、車両を出て行った者たちが戻ってくる。鷹野を除いて。
惨劇を目の当たりにしてきたのか、あるいは遺体に触れてきたのか、どいつもこいつも血まみれだ。
しかも、その目に狂気を宿している。
特に小鳥遊ときたら、…鼻歌まで歌って楽しそうにしていやがる]
…小鳥遊先生、幸せですか?
[あまりに楽しそうなので、思わずそんな風に尋ねてみる。
そのうち元の世界に帰れるとして、彼女は元の学園生活に戻れるのだろうか…?
今はただ、…こんな事象に巻き込まれる前の、元の世界に戻りたかった]
─回想終了─
[周囲は騒然としていたが、やがて落ち着きを取り戻していく。
各々が伝える結果を聞き、それから改めて気づく…減ったのは鷹野だけだと]
何が起こったのかは分からないが、残りのみんなが無事で良かった…。
[小鳥遊の横顔を見る。ただ、生きている事を無事と呼べるかどうか疑問だけど]
…鷹野は、鬼ではなかったんだな。
[村瀬の能力は疑わしいが、彼女の言ってる事は信じていいと解釈する]
弓槻が小鳥遊先生で、長澤が三枝を占った。
共に鬼ではないと言うんだな…
[結果を受けてから考える。生存者の数と、鬼火が伝えた鬼の数を思い出して比べる]
占われてないのは寺崎と、成瀬、あと先生だ。
弓槻や長澤、それぞれから見ても最低一人はこの中にいるんだろう?鬼が。
だから、次はこの中から占う者と、処刑者を決めればいいと思う。
占い方法は二人で同じ者相手でもいいんじゃないかな。
[寺崎と成瀬の顔を交互に見比べて]
これではっきりするだろう。
[直前に村瀬が言った占い師も含めて、という部分を受けて]
万が一、先生が言った方法で行った結果、鬼が見つからなかったら考えてみるべきかもな。
その場合、占い師の偽者が鬼である可能性が出てくると思う。
弓槻と長澤が鬼ではないと言った、小鳥遊先生と三枝についても、もう一度考えなおす必要があるだろう。
でも、次はまだ占い師を吊らなくていいと思うよ。
ああ、そうだ。三枝
[鷹野の処刑が決まる前の、己が疑われた内容について思い出す]
先生、その理由は納得いかないぞ。
まずは、ざっと振り返って印象に残りにくい四名を挙げた後で、もう一度再生して聞き直して希望をまとめようとした。
その最中で、櫻木についての三枝の話を聞き、それから先生、もう一度櫻木の発言を聞き直したんだ。
[と言って思い至る]
あー、これを伝えるべきだったか。
で、櫻木については三枝が指摘した部分も含め、気になる優先順位を決めた後で第二希望としたよ。
三枝の目に留まらなかったかもしれないが、ざっと振り返ったと言った後で、何度も再生してるんだぞ。
で、生贄がどうたらといった部分は最初、先生何を言われてるのか分からなかったが、…むろんそんな風には考えていなかったよ。
とりあえず、そんな所かな。
[息を吐き、ボイスレコーダーを片手に持つ]
この後はまた、みんなの意見を聞き直してから先生、何か言うから。
[と、録音の会話を巻き戻し再生する。**]
[かざされる長澤の掌を前に、瞼を伏せた。
──いくら待てども、特別何かが起こることもなく──]
――なぁんだ。
[伏せた瞼を開いて、軽く唇を尖らせる。
弓槻や、村瀬の結果発表も聞こえてきた]
概ね予想通りで、思考の進みも何も──ああ。
[少しばかり不満気に呟きかけ、何かしらに気づいたように宙を見る]
そういえば、今度は処刑を行なっても、鬼は誰も襲わなかったんですね。
いいえ、……襲えなかった、……かな?
[くすくす、と笑いながら言葉を継ぐ]
ねぇ、六花ちゃん。
鬼から他者を守る手を、今、場に出してしまうか──
次の投票で、投票用紙にさっき守った人の名前を書き込むことで、力を持っていることを告白させるか──しない?
[立ち上がり、順番に成瀬、須藤、寺崎に視線を移していく]
誰からも調べられていない人……梨羽ちゃん、須藤先生、寺崎くんのうちの誰かを処刑して、残りの2人を弓槻くんと美空くんに調べてもらうの。
そうすれば、全員に誰かしらの調査結果がつき、見分ける目を持つ人目線では、大体誰が鬼だか分かると思うんだ。
[村瀬から近藤のスケッチブックを受け取って、ありがとう、と嬉しげに笑った]
詳細なシュミレーションはまだだから、いま出てもらうのがいいか、投票で出て貰うのがいいかは決められていないのだけど……六花ちゃんも、よく検討してみて。
活発に話し合うことは、難しい話題だから。
[ふと意識が状況を把握しようとした時にはも車両内は投票前と変わらない雰囲気になっているように感じた。
鷹野がいない以外は至って正常なように―――
長澤のツラそうな顔を見て、手をそっと重ねる]
今回は鬼火はでてないんだね。
[安心させるつもりで言った言葉だったが周りにはどう聞こえただろうか。
投票前だろうか三枝に何かを聞かれたことを思い出し、三枝を見る]
正体由来ってどういう意味?
りぅ、頭悪くてごめんなさい。
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