犯人が。ああ……
そう言う可能性も、あるのか。
[窓硝子、指でなぞってみる。
その上を、二重線で追った。
マシロに渡したてるてる坊主が落下していく。マルが窓の下を覗く。
ベックに歩み寄るマシロの様子に、ぱちりと瞬きした]
[手をベックの首元に伸ばしかけて、すぐ引っ込めた。
しばらく手のひらを眺めてから、窓に向き直る]
マル……
探しておいでよ?
[床にしゃがみ込んで、マルの背中をそっと撫でる手は、少し震えていた*]
他に、誰が書くんです?
[きょとと首を傾げ、しばし考え]
消えた2人が……マシロさん?
[再び名前を呼んで]
なにか、知ってるんですか
[近寄るマシロを見つめて問いかけた*]
犯人が書いたなら、取り返したい何かがあるのかな。
俺はてっきり、この教室にいる誰かが書いたものなのかと思っていたが。
ん、筋が通らないかな。
――マシロ?
[言ってから、頭を掻く。
ベックに迫るマシロ、二人の様子を、僅か眉間に皺を寄せて見守る。
マルはひとつ吠えると、窓の外へと*飛び出した*]