作家　篠 フユキは、酔ったような足取りで一室へ潜り込み、夜を明かす。

塾講師　大島 ポルテは、広間へ向かい、置かれている菓子類に手を伸ばす。

飴屋 ゼンジは、ぽつり、呟く。

作家　篠 フユキは、眉を顰め、新しい煙草の箱を手に部屋の外へ出る。

塾講師　大島 ポルテは、作家　篠 フユキの姿を認め、目で追う。

塾講師　大島 ポルテは、語尾に疑問符がない口調で言った。

作家　篠 フユキは、塾講師　大島 ポルテに声を返す事も無く、ただ窯に鋭い視線を*向けた*

飴屋 ゼンジは、ころりと、口内で飴が*転がる音*

作家　篠 フユキは、高く足音を響かせながら、階段を下る。

塾講師　大島 ポルテは、飴屋 ゼンジの姿が目に入ると、狼狽して立ち止まった。

作家　篠 フユキは、煙草を取り出して、火を点ける。

飴屋 ゼンジは、ぺたり、と、階段を折り切る。

作家　篠 フユキは、まるで笑むように、眼を細める。

飴屋 ゼンジは、前方の二人の方へと、緩慢な歩調で近付いていき。

作家　篠 フユキは、飴屋 ゼンジの姿に気付き、首を傾げた。

塾講師　大島 ポルテは、本能的に一歩後ずさる。

作家　篠 フユキは、塾講師　大島 ポルテの元へ緩やかな足取りで、近付く。