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[総てを賭して、
杖持ちの書士が村の滅びへ身を傾けたように。
蛇を連れたひとりの遣い手も、総てを賭して、
奪われる落胆と苦痛に満ちた死を長引かせ…
裏切りの結末を救われず陰惨なものへと傾ける。
冒す危険を、片割れは止めようとしたか否か*]
[背後からかかる声。
組み伏せた相手を想えば些細な失血はそれでもどこか寒い。]
――あ?
もめた、くらいでこんなこと……してたら
俺は何人、殺ってんだよ。
[狼使いとして?
どこにも確証など――ありはしない。
片方を否定するにとどめたまま、耳慣れた声を聴く。]
["よりによって――" 今は、何も沁みない。
ただ、"よせ"という命令にびくりと反応を見せただけ。
自分ではやめられない。
既にかけるべき歯止めなど狂ったから――。]
――、は、 ……っ、
[引き剥がされ、そのまま後ろへ押され尻もちをつく形。
地面に両手をつき、背面で支えながら吐いた息。
暫し呆然と、だらしない格好のまま自らが施した惨状を眺め]
も、無理だろ……手遅れだ。
[小さく呟く声はまだ震えていただろうか。
ああ、寒いな――考えたのは*そんなこと*]
[キィキィキ…―――よく見えずともただならぬ気配は感じられて、曇る眼鏡をはずさず袖口で拭う―――雪に広がる赤黒い色は、紅いオーロラや村に灯る明かりのせいではない。
戦慄いた口は倒れているビャルネの名を紡げず、見開いた瞳が揺れる。カウコの口振りからビャルネに危害を加えたのは当人と知れ、ビャルネからカウコへ軋みそうな所作で顔を向けた]
………彼が狼使いだと…―――
[トゥーリッキに止められしりもちをつくカウコの声は震えていたから、問いかけた言葉は半ばで留まる。トゥーリッキがビャルネに声をかける中、集まる人を見回し―――手遅れだ―――カウコの声が聞こえ生きる事を望んでいたビャルネへ向き直る]
…………
供儀 ドロテアは、ここまで読んだ。[栞]
―未だ、息のある頃―
[カウコが長老が曲者過ぎて恐い、というのには僅かに笑う。]
ああ、そうじゃのぅ。
長老のところに行かねば……情報は手に入らぬようじゃし……
[ふむ、と一度うなずく。
抑揚のない声音で返した相手が、微妙な間を空けるのに、不思議そうな視線を向け――]
ほぅ? お主が、まじない師……とな。
はてさて……アルマウェル、がのうぅ。
[告げられた言葉にふぅむ、と考えるように眉を寄せる。
それは相手にとってどのように見えただろうか。]
[どこか、疑うような、摸るような視線を向ける。
視線をそらして舌打ちする相手を見つめながら、じゃらり、杖を鳴らした。]
……お主、何を考えて――
[おる?という語尾は、唐突に腕をひねられ詰めたい雪へと押し付けられた衝撃に消える。]
っ――、やめんかっ……!
い、……ぎぁあっっ!!
[強くひねられた腕がきしむような痛みを訴え。
体温で雪が解けるよりもさきに――新たに間接を増やされた腕からの激痛に悲鳴を上げる。]
こ、の、……っ、莫迦、がっ……っ
[は、と、息を荒げながら、激痛と、カウコへの恐怖から身じろぎ逃れようとして。
けれど、押さえられた体は動くことはない。]
……ひ、……やめろ、やめるんじゃっ
わしは、狼使いではないっ!!
[死から逃れるために。
口を開いて叫ぶのは痛みと否定。
臆病者だといいながら、つきたてられたナイフは赤い色を白の上におとす。]
う、ぐっ……――っ
[かは、と、喉を押さえられてうめく。
かろうじて言葉が出せる程度、折られた腕の激痛と、
太ももに突き刺さるナイフが捻られる痛みに身をちぢこませ。]
――っ、わ しは…ちがっ……っ!!
[いつのまにか、杖は取り落としていた。
死に物狂いの力でつかんだ相手の左腕をきつく握り。
その腕から流れる赤に気づかぬまま、抵抗をつづけ――]
[雪で冷えた躰と、えぐられた太股の傷は動脈を傷つけたのか、鮮血をあふれさせ。
周囲の雪を赤で溶かしていく。
ナイフを抜かれれば歯止めのなくなった血はあふれ出し。
その切っ先がわき腹へと突き立てられれば、声にならぬ絶叫を上げる。]
――――っっっ!!!!!!!!!!!!!!!!
[イタイ、よりも、熱い、というべき衝撃に息を止める。
激痛に顔をゆがめ、血を流しながらカウコへと向けた視線はただただ、衝撃と憎しみとを伝え。]
ぐ、ぅ――っ
[人が増えた気配を感じるよりも、自らの体を襲う痛みに気をとられている。
喉を押さえつけられ、もはやどの痛みにうめいてるのかすらわからぬ状態で。
ぎりり、とカウコの左腕をつかむ手に力を込めるが――。
そのような抵抗がいつまでも持つはずはなく。
トゥーリッキが来る頃には、すでに失血による失神で意識はもう、朦朧としていた。]
――、……――
[トゥーリッキの声が聞こえる。
自らの杖の音が聞こえる。
示せるものは、ただ狼使いではないと――狼を呼べぬという事実だけ。
苦悶にゆがんだ顔で、色のなくなった唇を動かそうとするけれど。
言葉をつむぐことは、ない。
そして――ほどなくして血の失せた躰は、冬の女王の裾を朱で染めながらその腕に抱かれた**]
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