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[暫く絵のほうを向いていたが、マキとスノウを振り返った。
スノウの悲痛な声に、悲しそうな顔をする。]
確かに長い夜・・・・・・だね。ちょっと・・・・・・変。
よくあるって事は、・・・・・・明けるんだよね?夜。
[くるり]
[聞こえた声に振り返る]
…ああ、警備員のおじさん。
そう言えば閉じ込められてたっけか。
[ちらり]
[胸の位置で腕を組んだまま]
[横目で視線を向けた]
[メイの背中から漂う不思議な空気も、苦しげなスノウの声も、マキの思考を揺らしたりはしない。]
明けない夜はない。
夢が覚めれば、ネズミは動きを忘れて井戸端に固まる。
ウェンディがどうなるのかは知らぬ。
抱き上げるとか優しいなー、メイ。
別にそういう気遣いを催促しているわけではなく、単に小動物+子供フェロモンを足してアピールしているのだが、こうも普通に優しくされるとおじさんほろりときてしまいますよ。ありがとう。運命の絆の相手があなたでよかったでゴワス。
マキも好きだよ。
おじさん。
[自分がおかれている立場よりも、その一言が胸に突き刺さる]
ま、君から見たらおっさんだろうけどね。
[湖に右手を浸す。揺れる湖面は、七つより多彩な色を孕む]
美術館の怪談が本当にあったとはな。
[存外に落ち着いているのは、覚悟があったからなのか、未練がないからなのか、戻れる確信があるからなのか]
そっか・・・・・・。
[マキの言葉を聞いて、見つめるような視線をどこかに向ける。]
・・・・・・マキとスノウがそういう存在ってことは、ちょっと思ってた。
[抱き上げたスノウをぎゅぎゅぎゅと抱きしめた。]
でもそれは、一夜の魔法が解けるって事よね?
じゃあ、どうなるかは分からなくても、ウェンディは戻ってくる可能性も、あるって事だ。
誰が、いつ、どこにいるのか、どこへゆくのか。
私は知らぬよ……。
[低い声は、夜の美術館に微かに響き、その静けさを強調する。]
メイも、待っているのか?
怪談。
[くすり]
[おかしそうに笑いを漏らす]
おじさんにしてみればそうかもね。
でもあたし達にとっては、普通。
みぃんないつも出回ってるんだよ?
みんな?
[鸚鵡返しにそう言って]
それはそれで、面白い。
ただ、バレたらクビだな。
[やはり、元に戻れるつもりでいるようだ。
ぽちゃん、と音が反響する]
[マキの言葉を聞いて、漠然と理解する。そうなんだ、と。どこか得心したように言った]
じゃあ、戻るのかな。
うん。きっと戻る。良かった。
でも、たぶんぼくたちとは入れ替わりだね。それは残念だ。
[そこまで話した時、メイにぎゅうぎゅうと抱きしめられた。ありがとう。優しいね。大丈夫だよ。とスノウが言った。きっとメイの待ってる人も戻ってきます。とも。]
[この場で、言ってはいけないと思える一言が、マキの中で存在を大きくする。
それを押し留めようと、ぺたり、両手で頬のあたりに触れ、撫でた。]
願いはいつか叶うよ。
私がここで歩いているように。
最初普通のぬいぐるみのつもりだったけど、絵の中のぬいぐるみだったことにしたほうが綺麗な気がしてきた。
いや、まあ良いや。すべてノリでいこう。
どうでもいいけど明日あたりエピなのがベストの気分です。
おじさんが言わなきゃバレ無いよ?
おじさんだけじゃない。
このことを知った人が言わなければ。
[くすり]
[何かを含んだ笑い]
尤も、ここから戻れたら、だけどね。
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