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っ、 いやだ!!!
[両腕を力いっぱい振り回して、
相手を突き飛ばすかのように距離を取った]
…っ、 は、 はー。はー…
[肩で大きく息をする。まだ、指先が震えていた。
ソラが目覚める気配はない。
おそらく熟睡しているのだろう]
[しばらく呼吸を繰り返して、なんとか平静を取り戻す。
見下ろす視界の中、眠るソラの姿がある。
――…いつもは見上げているものを、今は見下ろす]
…っ、だいたい、さ。
行動がバレるからオレ様を傍に置いて眠るとか、
そもそも根本が間違ってんだろーが!
[眠っている相手の日記を狙うことは、容易いのに]
こんな、無防備に…
[きゅっと唇を引き結ぶ]
…自分の世界を残すために。
ここにいるんだぜ、 オレ様だって。
オレンジは駄目ですか?
なら、林檎のほうがいいのかな。
[さすがにそこらへん気が利かなかった。
オレンジジュースは自分が飲もうと寄せて新しく飲み物を作る際、音楽端末のスイッチを入れる。
そして、流れ出すのは、
その世界での映画音楽のメロディばかりを集めたオルゴールの音色。]
――……どうぞ。
[そして、新たに、飲み物を差し出した。]
そのためなら――…
[そこで。ふ、と息を吐き]
まあ、…アンタだから、しないけど。
[けらっと笑って、静かに隣を抜け出した。
時刻はもう夜。
店の照明は落ち、世界は闇に落ちている]
[セイジが飲み物に口をつけたとき、
その音楽のことに聞かれれば答えながら、
その最後に……。
大事な話をしようとするだろう。]
[ヨシアキの報告と宣言。
…口元に薄い笑みが浮かんだ]
そっか。
そうだーーよなーー。
[クルミとソラ。
ヨシアキが誰であっても、受け入れたひとたち]
“鬼”だから仲間になったオレ様たちとは…
違うもんなっ。
[仄かに浮かんだ寂しさを冗談でくるんだ言葉を、軽く投げた]
ん、そっちがいい……
おまえ猫が好きとか本当か……?
[大抵の猫にとっては柑橘は敵である。
が、林檎ジュースは問題なかったようだ。そして流れ出した音楽に甘さに細められていた目が、ぱちくり瞬く]
………ん、
僕の世界でいうところの音楽と、だいぶ、ちがうな……。なんだこの音は……、形容しがたい……。
[音の由縁を探すように少しばかり天井を見上げた]
なんだろ、
星の落ちる音みたいな……
聞いたこと無いけど……
[そして林檎ジュースを飲み終わる頃合には、
また片耳が9thの行方を告げるのだけれど。唐突に告げられた言葉に、浮かしかけた腰はまたすとんと着席に戻った]
………え、そう……。
[驚愕は顔に出ない、
ただ思い当たったのはあの会話だ。
残るべき世界を選択する――その考えは鬼の立場であれば、理解が出来る。]
なら10thの世界は………。
いや、それより……、なんで、
僕にそんなこと教えるの……?
私は、グリタさんや、そして貴方の世界を、見捨てたり選択したりしている。
けれど、
私と私の世界を選択されべきものなのかそうでないのか。私は知ることができません。
[そして、音楽端末のスイッチを切ると、辺りには静寂が落ちた。
そして、飲み終えたグラスを片付けはじめ…。]
この情報を貴方がどうするのか、それは貴方の自由です。
[音楽端末にはイヤホンを差して、袖に落とす。]
お手をとらせました。
林檎ジュース、美味しかったですか?
[話は終わりです、とばかりに小さく礼をした。*]
ん…
[それほど長い時間でなかったかもしれないが
とても深く眠ったようで、思い体を持ち上げた。
夢を見ていた気がする。
子供が夜に隠れているとか、何とか]
…っ、くそ、デンゴ。
[手は離してしまったらしく、彼はいない。
全身でホールドしておくべきだったか、と
見当違いの事を呟いて、のそのそとテントを出た]
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