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[若者――
エリッキの意識は既に、深海に在る。
魔に堕ちて命落としたヘイノも見るだろう。
淡いましろの珊瑚の胞子が、
こぽり害意の泡とすれ違う。
降り注ぐ。
透ける羽虫のような死骸が、
こぽり悪意の泡に巻かれる。
砕け散る。
紺青のさらに深み、いろのない静寂の世界。]
[誰も助けには来ない。
光はない。音もない。
呼気を留めることも拒まれる。
身体のかたちを留めることも。
圧殺する意志。何も許さない。
―――ここに居てはならない。]
[逃れるすべなく、ひとり。
藻掻く者に気付きもせず顔前を横切る、
眼窩に膜のみを張った目のない深海魚。
波打つ長髪の如き海草に足を引かれて、
海
絶望したウミの魔性に触れて、
膿
人は『邪悪なドラウグ』を幻視する*]
……退屈、か。
生憎と私は飽いてはいないので、
終焉をもたらされるは大いに迷惑だ。
[気狂いと処刑人と交わす言葉を見比べて、
視線は一度虚空を見遣る、
死に至ったがゆえの穏やかなる眼差し]
君のようにはならんよ。
まだ満たしたことのない欲も、あるのでね。
[意外な終わりに出るのは笑い]
ははは、罪深きかな、罪深きかな。
魂を運ぶ鳥を喰った咎が私を沈ませる。
魂は天に還れない、肉は大地に還れない。
[笑いの中に吐かれた言霊]
悪霊に捕まった私は輪廻の輪に還れない。
還れない
還れない
還れない
[ケラケラと笑う]
……悪霊、
[聞こえる笑い声は、その言葉は、
生者のものか死者のものか、境界線は曖昧だ]
[血塗れた僧と此方へ歩み寄る処刑人と、
そしてその背後で深海から釣り上げられた魚のように、圧に押し潰されていく若者の体]
は、っ 、……確かに悪霊か。
何故殺す、やはり殺すは愉悦かね?
処刑人。
[重石にかけた手。常は引き摺るだけの金属の柄に、巻きつく鎖がじゃらり解かれる。びっしりと甲殻類の張りついたハンマー。ふるりと震える指先の、昂揚]
餓えから鳥達を殺し喰った咎が死は受け入れられる
が……
悪霊による第三者の介入だとしたら
気 に 入 ら な い
死を司るは、私の信仰の――
/*
僕の出したお題2は、
ハーコンかなあ、対象が人に掛かってくるかなあと思ってたので、死という現象を通しての間接的なそれでくるのは、おお、って思った。
僕のお題3は……エリッキすまん。
お題1があたった人は、もっとごめん!無茶振りにもほどがある。冬へ向かい行く、で入手するのは難しいだろ 真冬だとおもってましたと白状する
ほうほうほう!
[見えるのは、若者の身体から曲芸のように吹き出る海水。その後、ありきたりではない死が彼に訪れた。]
人に人でない死。
これこそ、世界の確変ですな。
[そして、飛び上がり、一回転したのち、また地面に沈むと、残り彼らを見上げる体制。]
貴方の仮説をうかがいたくもあるな、
学者殿…
裏おもては ないほうだ。
[悪霊と呼ばれることに拒否感は示さない。
解き露わにされる重石の全貌に目を細めると
余計な世話を申し出なくてよかったと呟いた]
面白味のないことで、すまんね。
…
迷惑だ、で斟酌もなかろうが…
[ふと額締めに片手かけ、胸元まで引き下ろす。
目開きの覆面姿も束の間に帽子を戻すと
男は細い茶褐色の 薬瓶 を咥えていた。
軽業見せる仮面男と学者を双方見遣り、
海霧巻く勢いで鋭く斧の天地を入替える。]
ひとり、儘に連れゆくことは
できると言っておこうか?
[小瓶を手の中へ落としながら、
軽くなった帽子の房を揺らし*疾駆した*]
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