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…ほしい「益」では無いなら、
「何故」問うた…?
[ひたりと 首元に触れる冷たいものは
雪でも手でも無い事は、知れる。
こくり 喉仏が一度動き 赤い血がぷつりと 浮いた]
…――死ぬ気、は。
…―お前が死んだ後なら、やぶさかでも、無い…
[そもそも 彼女が伏し眼がちな事も知らない。
彼女の見開いた瞳の色も、知らない。
それは幸か不幸かも、判る事は、無い。
知らぬ男は、彼女の手首を掴む手に力を入れ、
杖を持った手を前へと伸ばす――]
…欲しい物がもらえると思ったから。
綺麗ごとはまっぴら。失望も沢山。
守る、守らないではなくて。
どうして自分が生きたいからだと言わないの。
お飾りの言葉だけなら死んだ者が哀れだわ。
では貴方の命は私が予約。
[鉈を首から放すと、それを持ったままひそりと冷えた指をその喉元に滑らせて。指を染める赤を、びちゃりと音を立てて舐めとる]
…不味いわね。美味しくない。
[ますます力の入る腕に眉間を潜ませ。
その杖の行く末は瞳が追う]
…――…お飾り、きれいごと。
そう思うなら、…思うといい…
[僅かに言葉に含む色は、濃く低いもの。
ふ、とため息のようなものを、白く吐き]
…自分が生きたいからでないのに
自分が生きたいからだと言わなければ、
いけないのか…――?
…――嘘をつかねば哀れまれる、
死者もまた、哀しいものだな…?
[真っ直ぐに前へと差し出した杖。
飾り気の無い トナカイの蹄に覆われた先は
硬く 硬く 尖って居るのが見えるだろう。
そしてその手元もまた、同じように。
ぴちゃりと、舐める音に眉を顰めたまま、男はイェンニの手首を離さない]
…予約の前に、条件を言ったろう…
[杖の手元を、音から彼女の顔の位置を察知した上で
肩口へとあたりをつけて 振り降ろした]
そう思うからこそ私はこうなのよ。
その答え、虫唾が走る。
貴方、今日供犠の台に上られたら如何?
生きたがらぬ者が生きるとはね。
それこそ死者が哀れだわ。
生きたがらぬ者に殺されるものこそ、悲しすぎるわ。
[開いた扉から聞こえた咆哮は、同じひとの耳持つ
レイヨに聞こえたか否か。感慨を浮かべて外を一度
見遣ったが――告げられる詫びへと緩く振り返る。]
詫びも聞きたくはないが、
耳に入ってしまったものは仕方がないな?
[彼の小屋へ招かれたときのように、
戸口の覆いを捲り上げて、レイヨの車椅子を通す。]
うむ、あたしに奪わせたくないなら――
【 ――がつん―― 】
時間を差し出せ、歩まぬレイヨ。
[蛇遣いの脚が、車椅子の背後から…
ティッピングレバーを思い切り蹴り下ろした。]
[跳ね上がった車体が戻る衝撃は、青年を
戸口の雪上へ投げ出すに充分な衝撃だろう。
レイヨが起き上がろうとするのを、力でなく
動作のみで制するように。彼の薄い胸板を踏む]
歩めるのだとしても――やめておけ。
そして、今宵は永らえろ。
[見下ろす瞳は、虎の如きいろをしている。]
これで… 安心だろう。
───っ!!
[肩に走るしびれるような熱に、
悲鳴は喉元で止まり溢れない]
あたしは、
殺されると約束した人が、いるのよ。
あんた なんか、に……
………そうですか。
[耳に入ったものを想い小さく呟いて、いつかと同じように礼を籠めた眼差しを向け扉を潜る。がつん―――蹴り下ろされるティッピングレバーに跳ね上がり、半ば反射的にしがみ付くと、勢い余り回る車輪にカウコへ受け渡した血を流す傷口の残る指を取られた]
………っ
[ぱたた―――傷口が開き、溶けぬ雪の上に赤黒い血が落ち、振り落とされ雪に塗れ転がる。カラカラカラ…―――車輪を回す車椅子へ手を伸ばし、這いずりそれを起こした]
…時間は差し上げました。
足りぬのなら…
それもまた違うけど似ているのかも知れません。
…――可笑しい、な…
――俺には、お前の言葉こそが、
きれいごとに、聞こえる…
[どうやら振りおろした杖の手元は
うまく――そう、うまく彼女に当てられたらしい。
手首を強く握った侭、ぐいと引き寄せれば
彼女の持つ鉈は 果たしてどこにあるのだろうか]
…約束したひと、か。
――それは、すまないな…――
…………
[寄り着て己を踏む足を容れず厭わず、雪の上に再び付してトゥーリッキを見上げる。獰猛な獣のごときいろの眼差しを受け、滲む視界―――飛ばされた折に眼鏡は落ちたらしい―――を細めた]
………そうですね…
[押し殺す声は寒さにも別のものにも震えず、吐き出す息と共に刹那だけ冷たい大気を白く染める。視線で追わず傷口の開いた手だけで地面を探り、眼鏡を見つければかけ直す―――寝転ぶ正面には紅いオーロラ]
…ありがとうございます。
──離して!
[ガン、と痛みの衝撃が脳裏を掠めるから。
ゆがんだ視界で捕らえる彼に、振り下ろした鉈は空を切るかせめて髪でも奪えぬか]
私が綺麗言?そんなの、知らないわ。
私はしたいからするだけ。
貴方も同じではないの
「姉様」
[口元が痛みに声を伴わずそう動く。
こんな男に殺されたくなんてない。
約束は守って。姉様、と
今、頭がかろうじて回るとしたら
肩から流れ落ちる赤くて暖かい液体のせい
あぁ、勿体無い。雪に飲ませてやるなんて]
[男のべたついた髪が ひとふさ落ちる。
男が彼女の手首を離すのは、鉈が男の身体に埋められた時なのだろう、硬く硬く 握りしめて]
…―――おなじ、か、同じかもしれん…
――言葉を重ねて、誤魔化そうとしているのは
[引き寄せれば、彼女の首元の位置も判ろうか。
男は、杖を女の背で落としその首に 手をかけた
…俺、か…――?
[彼女の口唇が動くのを
男は、気づく事が出来ない。
掴んだ手首を引っ張り上げ その内側を一度 ちろ と 舐めた]
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