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to ボス
色々考えたんですがぁ。
ただ一言「逆スパイを始末しろ」と。
その指令さえ頂ければ、僕はいつでも動きますよ。
[廃ビルの屋上で、優雅に風にふかれつつ通信を送る。{6}]
…ふふふ。
[手に持ち直したのは、ラウリから奪った銃。故障がないことを確認すると袖口に仕舞いなおし、緩く目を細めた**]
[NYに向かう機上にいた。「サル・カイーダ」の専用機だった。某国の政府専用機をそのまま使っているので、管制官にはテロ組織の関与している飛行機だとは認識できないはず。それだけ、「サル・カイーダ」の支援をしている国があるという現実であった]
あと、どれくらいでNYかしら?
李『2、3時間じゃないか。JFKではなく、ラ ガーディアにつける。あっちでは、軍の関係者が待機してくれてるから安心だ』
まあ、手配の行き届いたことで…。
李『全ては、世界を牛耳る一握りの国々に制裁を下すためだ。だから、軍内部の人間でさえ、こちらに味方する』
そう…。あなたも、そのプロパガンダに賛同して…ってことなの?
李『いや、俺は、自分の能力を買ってくれる奴につくだけだ。JNRは、いや、そのボスである大統領は、俺の能力を過小評価していたから…だから寝返った。ただ、それだけだ』
…。
[この時点でも、まだ0099には迷いがあった。もちろん、「サル・カイーダ」のプロパガンダに賛同したわけでもない、自分の能力を買ってほしいわけでもない。たった一つの理由で003に手をかけてしまった。それだけで、今ではもう戻れなくなっただけなのだから…]
李『NYに着いたら、あんたの兄さんに会ってもらうぜ』
え?どうして?
李『いろいろな。俺も話があるし』
…。
ちょっと、失礼…。
[0099は、そう言って、小型機の最後部にあるトイレに入った。トイレに入ると、髪に仕込んであった、ピン型の爆破物を取り出した。20名乗り程度の小型機であれば、十分墜落させられる…そう思っていた。但し、多分、自分も助からない…。
この小型機には、ミセス・グリーン、幹部Bの他、数名の「サル・カイーダ」の要人が乗っている。
「JNR」にとっては、千載一遇のチャンスである。
しかし、自分はすでに「JNR」を裏切った、反逆者である。
今更功績をあげてなんになる…?
思いが巡って、巡っていく…。
李『0099どうした?長いな?』
李(幹部B)が声をかけてきた。
そして、0099は、起爆ボタンに手をかけた…{5}
1.李に邪魔されて起爆できなかった
2.起爆、小型機は破損、しかし、不時着で済み、全員無事
3.起爆、小型機は破損、不時着で済んだ。0099、幹部Bが重傷。
4.起爆、小型機は破損、不時着で済んだ。0099、幹部B、ミセス・グリーンが重傷
5.起爆、小型機は大破、不時着で済んだ。0099は行方不明。幹部B、ミセス・グリーンが死亡。
6.起爆、小型機は大破。飛行機は海に墜落。0099は行方不明。他全員死亡]
[ボスからの指令を受けた後、取り出したのは私用の通信端末]
to 0011
やあ、生きてる?
最終指令がくだった筈だけど、その感想はいかがかな。
ボスは「今日で決着」と言っておきながら、「逆スパイは放っておく」という。JNRに潜入するほどの人間を野放しにしておけば、碌な結果にならないことは目に見えているのにね。
あの人、きっと何か隠してるよ。それも多分、僕たちにとって喜ばしくない何か。
僕は組織への愛着心なんて更々無いし、ここでJNRを切り捨てるのも一つの選択肢かなと思うけど。
どうかな、カウコ。
僕と一緒に逃げ出さない?
……なーんて、冗談だよ。
カウコが0011のナンバーを捨てることが出来るなんて、最初から思ってないしね?
それに、サル・カイーダには此方の面も割れてるだろうし。壊滅させない限り、安らげないという事実は変わらない。
僕は僕の敵を倒すだけだ。それが誰であっても。
Bye.
追伸
裏切り者はおそらく生存中。その正体は、00[以下、解読不能]
[私用の通信回線。暗号化してあるとはいえ、その内容の<86>%はボスへと伝わってしまうだろう。それで構わなかった。もはや不審感を隠すことすらしない。
そのまま地を蹴って、向かうはNYの軍施設**]
[指令がわかりにくくて普通の学校の校長室へ行ってしまっていた。
ボスから『最後の指令』がくだった意味を考る。]
逆スパイの事は考えれへん。
理由はひとつや。ボスが考えたない相手が逆スパイって事や。
ボスは、0044か0099が怪しい言うた。
[そこへエートゥからの通信が来た。自分の考えに確信を持った。]
返事は全部終わってお互い生きてたら直接言うわ。
[敵として目の前に現れたらお互いに容赦は無いのはわかっている。]
T0エートゥ
いつも言うてたけど。
俺が死んだら俺の事は忘れてや。
二人きりでおる時は、お前の事だけ考えとった。
耳たぷだけやなく、ぜえんぶ好みやと思てたよ。
[わざとエートゥと書いたメールを送った。
さよならは言わない。会える時には、いつでも最期のつもりで接していたから。]
軍施設へ。でも、それで終わりやあらへん。
[気を引き締めて軍施設へ*]
――通信を終了し、私は念入りな準備を進めた。
逆スパイ処理に人員を割かないということは、ターゲット捕獲に逆スパイの妨害があるということだ。
先に始末したいが……この人員で互いを監視していては任務の達成が難しい。
先手を打つか裏をかくか……あるいは違うターゲットを狙うか……私は最後の一本を灰皿にねじ込むと立ち上がった。
愛用のソフトキャップとトレンチコートを着込み、私は目的地へと向かった。**
-NY近郊のどこか-
(生きている…)
[起爆と同時に、機外に飛び出された後、あらかじめ用意してあった、パラシュートで不時着したのだ。ご都合主義との批判はうけない]
う…。
[しかし、体中に激痛が走る。多少の負傷はしているらしい]
まずは、連絡しなければ…。
[携帯電話を取り出す]
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