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― 3F ―
[出会うべくして出会ったというべきなのか、1stとマシロ、フユキ]
そりゃ、4thは未だに傷の1つも負っていねえけれどもよ…
[――ちらりと見たフユキの文庫本。
刻まれる文字に、目を細め]
――不甲斐ないな。
[1stの行動がみられたなら。
今の銃撃も覚悟できていたかもしれない。
ないものねだりに、ない内臓が痛む。幻の痛み]
[ゲームを終わらせる為――生き残る為の戦い。
それも、見守るしかできない]
[諦めるな、などというのは本心だが。
その結果が、この苦しみのたうちまわるフユキの姿とすると、一体神は何を望んでいるというのだ。
そんな厭世的な気分になる。
しかし嗾けた本人としては、見守るのが義務と。
見守ることしかできない]
何のつもりだ?
[姿を見せた4th。その銃口が向く先に――
驚愕を隠しえなかった。
それは、彼の立場からしたら。
神がごとき立場で「選べる」数を、2つ。
減らす行為だから]
[それからしばらく視線は時計と“下”の様子との間を交互に]
5、4、3、2、1、……。
[かちり。
ぬかりなく5分を測り終えるとお茶の葉を取り除き、
ポットは中のお茶が冷めないように空間の裂け目の中へ]
…それではもうひと仕事、しに行きますか。
[そしてまた、いつものように梯子を用いて移動するのは、
参加者達が当面の目的地――お茶菓子を買った階にはいなかったから。
美味しいものは再度手に入れるのに、
手間は惜しまないに限る**]
[デンゴへのヨシアキの言葉に、
男はあえて、何も返信せず……。
そう、ヨシアキの言っていることも、
またひとつの真実である。
決めるのは、デンゴ自身、デンゴの世界自身。]
[その視線の動きから。
客観視点で、何をなそうとしているのかは明白で]
――神のように、選んでる側だと思ってたけれどもな。
[4thの視線が、――日記でも知っている。かの武器へと延びていることを。
――それを防ぐ為に1Fへ行こうとしたのだが、その試みは無駄となった(余談)]
後ろから刺されるとか、考えもしないのか…?
[呆れたように零す。
何がここまで4thを動かすのか。
10thとの協定内容など預かり知らぬ――否、人と人との縁と勝負は全く別と切り離す出身国故の――疑問]
― 3F ―
ふうむ。
貴方の世界では、悪い狼は村人に背中を見せたら、
すぐに死んでしまうの?
[12thの背に、場違いなほど緊迫していない声をかける。
銃声を聞いてここに辿り着いた彼女の片手には、
クッキーの缶が入った紙袋が提げられている]
こんにちは――いや、
もうこんばんはかな?
永久に生き返らない気分はどう? 12th。
― 3F ―
[のんきに声をかけられて、振り返る]
そういうわけでもねえけれどもよ。
何せ殺すのには手続きが必要だから。
[振り返れば、場違いなクッキー缶を持っている小間使いがいた]
[文句はいえない――
だいたい墓下で自分がやっていた事がそれなのだ]
いやあ、最悪だよ
ふつふつとやり場のない怒りが湧いて、それが終われば悲しみがやってきて、最後にむなしさばかりが募る。
こんな感じなんだな。
[だがそれだと疲れる。だからこそ、意識を他人に移すのだ]
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