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[コハルちゃんの話に自分の名前が二つ。
少し不思議な気分になりながら、私は、コハルちゃんの世界の私を思ってみる。
でも、私の外見を思い浮かべただけで、それはどうしても私になる。]
嫌い?なら、コハルちゃんは、自分の世界がなくなってもいいと、思ってる?
[嫌い、というそれは、世界を守る為の戦いの中で、やけに浮いて見えた。]
咎められても……やらないよりマシだ、って、私は思う。
でも、……コハルちゃんは、優しいんだろうなぁ。
[気持ちを思えるのは、きっと優しい証拠。
ソラさんの名前を聞いて、私は泣く代わりに、ちょっとだけ笑った。]
でも、コハルちゃんの世界を壊す、ってことは、もしかしたら、まだ生きてるかも知れない「クルミ」を、コハルちゃんが殺しちゃうのと、同じことだよ?
[はっきりと返る言葉に、強い意志は読み取れる。
それで良いのかどうかなんて、私には判断出来ないから、私はただ、浮かぶ問いを口にするだけ。]
……人殺し?
[ここに来て、コハルちゃんが誰かを殺した、なんて文章は見ていない。
だから私は、首を傾げる。]
[私は、コハルちゃんの話にじっと耳を傾ける。
少しでも多く、背負う為に。
―― 本当に守る為には手が少ない、って言った、ゼンジさんの言葉が頭を過ぎる。
そう、手が少ない。だから、……全てを、守れない。]
……お父さんを?どうして?
[親を殺す、なんて、私の世界では滅多に起こらない。
目を見開いたのが、自分でもよく分かった。]
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そういえばクルミちゃんの両親はどうしてるのかなぁ、と思って聞いてみたら、父親は競技選手で世界と戦っていて、母親は機械開発に携わっているそうで。
二人とも忙しくてあんまり家にいないから、おばあちゃんっこになったそうな。
死んでないよ!
/*
クルミちゃんの世界は、科学が発達し過ぎて、戦争をしたら人類が滅びそうになったから世界終戦を行って、その代わりに五輪的なイベントが年に1回開催されたり、他にもちょこちょこと決めごとの度にスポーツが指定されて、それで国同士のあれこれを決めるようになった、っていう、とても平和な世界です。
基本的に世界中でスポーツマンシップをまずは教え込まれるので、みんな割と修造的な感じ。
世界的な戦争の禁止に伴って暴力や犯罪も戦争を促すものとして国際法で取り締まられているレベルなので、多分年間2桁レベルの犯罪数の少なさだと思われる。
[コハルちゃんの話す父親は、私が知っている父親とは大きく違う。
私の両親は、あまり家にはいないけど、優しくて、温かい。
友達の家も、みんなそう。
私の世界は平和なんだな、って、改めて思う。
私からは、目を逸らさない。]
んー…………そっか。
うん、やっぱりコハルちゃんは、優しいよ。
[何がどう、とは上手く言えないけど。
呟いてから私は、ちょっと考え込むように首を捻る。
口を開くまでには、少し時間がかかった。]
……あのね、コハルちゃんがここにいてはいけない、ってことは、ないと思う。
あの声も言ってたじゃん?呼ばれた人には、資格がある、って。
だから、ここに呼ばれたってことは、それだけでいて良いんだと思う。
それで、自分のしたいことの為に、戦っていいんだと、思う。
[世界の為に、とは言わない。
それは多分、コハルちゃんの望むことじゃないと思ったから。]
多分、ソラさんもそう言うよ。
「自分のしたいことやりゃいいんだよ!」って感じ、かなぁ。
[ちょっとお粗末な、ソラさんの真似をして、私は笑う。
今はまだ、もう少しだけ、穏やかに*話していたい。*]
/*
とりあえずは、死なない方向。
で、何としてもカノウくんは死なせない方向。
カノウくん死にそうなら、庇ってでも死なせない方向。
よし。
私は、生きる!!
[>>212 デンゴくんからの問いかけに、私は暫く端末に視線を落としたまま、考える。]
んー……私の世界では、仲間とか、チームは信じるものだって、教わったから。
っていうのが、多分きっかけだったけど、今はそれだけじゃなくて……。
[説明する為の言葉が上手く見つからなくて、私は首を捻る。端末をポケットに仕舞ってから、私はようやくデンゴくんに視線を向ける。
笑みを浮かべるデンゴくんに比べて、私は考えながらだから、真面目な顔のまま。]
上手く説明できない、けど……
多分、ソラさんとカノウくんが、私を信頼してくれたからだと思う。
信頼して、大事にしてくれたから、私も同じだけ大事にして、信頼出来るんだと思う。
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