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ハイハイ、行き当たりばったりで何とかここまで来れました(
蒼絆村で行き当たりばったり設定は向いてないぜ!…とか反省してたのどこの誰だっけか?ん?(◜▿~ ≡~▿◝)
長ったらしい回想ソロール失礼しました…!
―― 回想 / 冬の村 ――
[若衆の寄り合いでは、あまり発言をしない。
1年の半分しか村に滞在しない男は皆の近況へ
耳を傾けることに意識をおおむね費やして居る。]
『あのロシアやろうどもは、
いつまでよそもののつもりでいやがるんだ?』
『さあなあ 寄り合いには顔出しやがらねえ』
『マティアスは酒くらってばかりいるな』
『気風はいい奴だし、冬の気が滅入る時季に
酒場で陽気にカンテレの弾き語りでもすりゃ
みんな喜ぶしそこそこ稼げんじゃねえのか』
『…見世物みたいなことは、
させたかねえなあ…………』
『蝶狂いのやろう、あいさつひとつも
刺々しくてむかつくぜ』
[酒盛りがてらの寄り合いは、口汚くもあるが]
[長閑な声がそういうと、]
―――― 『違いねえ!!』
[胸の裡を明かしあわない若衆たちが、
酒盃を掲げて一斉にげらげらと笑う。
話題の学者が知ったら、うわべだけの
付き合いだと一笑にふすかもしれないが*]
[溺れる私情をも、美しく『愛』と
そう言い換えるようになったのは
いったいいつ頃からだったろう。
若い頃に好きだった本を読まなくなったのは、
そんな風潮を感じた辺りだった覚えがある。]
[偏屈な男は、弟妹でなく子らでなく、
価値観の繋がらない世代と距離を置く。
よくも悪くも、「個」である彼ら。
眩しさであり、諦念であり、
ただ自己憐憫めいた感傷。
彼らへ消極的な許容を呈するのは、
彼らの未来を緩やかに見殺すことだと
知っていてさえ――男は導きをしない。
自らの筋のみを通した、無為なる死の裡に。]
―クレストの部屋へ向かう道行き―
[他人の不幸は蜜の味。
上手く言えたものだ、とニルスは緩やかな足取りで階段を上る。
昨夜死んだ、飢えた蜂のように。
心の死んだ蝶は花蜜を求め、ひらりひらりと不規則に舞う。
こつ、こつ、こつ。
全部の部屋の前を周り、僅かに聴こえた二つの男女の声をもとに歩けば、かつて司書として存在していた男の部屋に辿り着く。
昔覗き見てしまった両親の寝室のドアの向こう。
その時と同じように、ドアは誘うように僅かな隙間があって。
ゆったりとした動作でノブを握って開けば、きぃ、とドアの軋む音がする。
そしてその向こうにはまるで寄り添い合うようにその身体を抱きしめるユノラフと、黒い鱗に覆われたイェンニと思しき
――――――――化け物が居た]
―クレストの部屋―
Hyvää päivää.
[ドアが開けば唄うように紡がれたこの国の言葉。貴族が使うような気品溢れる丁寧な挨拶も、今の二人には狂気に思えるか。
黒い鱗に覆われた女を冷めた目で一瞥し、ユノラフに問う]
こんな化け物でも、まだ庇うのか?
[呆れたように聞けば、彼からは予想通りの返答がくるだろうか。ジャケットの胸ポケットから少し覗いていた、折り畳み式の細身のナイフを取り出せばパチンと開いてみせる。銀色の刃が稲光と共に光った]
…その化け物を、殺す。
[痛いほどの鋭い視線は黒い鱗を持つ者に。女が声をあげたとしても、ユノラフが止めにかかったとしても。ニルスの殺意は変わらない。
―――こつり、こつり。
硬い靴音が二人に近付く]
[汗が噴き出す。
こちらは丸腰で、向こうの手にはナイフ。
それでも――やるしか]
イェンニ、目を閉じてろ。
[一言。そう告げて。
タオルケットを剥がし、殺意を隠そうともしないニルスに投げる。
雨水を吸ったタオルケットが、ニルスの頭上に広がった]
[果たして、ニルスはどう反応したか。
はね退けるにしろ、被るにしろ、足元に生まれた隙を見逃さず、男はニルスの足に飛びつく。
もつれ合うようにして2人は床を転がる。やがて、体格で勝る男がニルスに馬乗りになり、顔を一発、殴りつけた]
イェンニ、逃げろ!
[部屋の隅で震えているだろう彼女に向けて声をあげる。
――その一瞬、ニルスの手の中で光るナイフから、意識が逸れた]
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