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[黒、緑、桃……さまざまな色で名が書かれた死亡届を一つずつ紙飛行機の形に折っては、海に放り投げる]
何故自分は生きているのだろうと考るたびに、誰かに生かされているような気がしてしまう。
願おうが足掻こうが、もう自分の没日は決まっているのではないかと。
[手元に残った4つの藁人形を、どうしたものかと見下ろす]
ナツ……娘が成人するまでは死ねないと思っていたりもしたんだが、最近はそれも薄れてきた。
イマリ君は、『鈴木』が漢字で書けないのか……。
[複雑な表情。
四つの藁人形は袋に戻して、口を縛った]
かえろう。
[袋ごと火に投げ入れた。
月は見ぬように俯いたまま]
[やがて教師の手が止まると、一歩、火に近づいた。
ポケットに入れたままの封筒を取り出す。
かつてそれを渡した男に封筒を返した。]
[手の届くことのない向こう側の世界で、赤々と燃える炎を見つめている]
綺麗だね。ね?マシロさん。
お祭りの火には、とても敵わないけど。
あ。イマリちゃん。人形が燃されちゃったよ。
……煙になって、のぼってく。
[狼煙の消えゆく先へと、目をこらした]
[飛んでいく紙飛行機を見て]
うまいですねえ。
そうだ、先生。これも返しますよ。
[そう言っていつぞやもらった鼻眼鏡を出す]
もう、笑かす相手もいねえみてえだし。
[残った二人もとてもそんな冗談をやれるような
雰囲気ではなかったしな、と思いながら]
娘さん笑わせてやんなさいよ。
[グンジの傍で、燃やされる藁人形を眺めている]
藁人形。
人の形の藁人形。
魂の器やったんか、それとも燃やす事で魂を天に昇らすんか、
うちにもようわからんけど。
/*
確認してきた。
スズキは表発言だ。
それにしても、LWなのに「ふははは、俺がLWなんだぜヤーハー」みたいに盛り上げられなくてすみません。
けどな、せんせー。
うちは漢字が書けんわけやなくて。
ちいそうて書きづらかったから、カタカナで書いたんや!
うち、そんなお馬鹿さんやないわー!
六十円くらい、ケチったりしません。
[相手の言葉に、むっとした顔でそっぽをむく。
白い袋が火に溶けて、藁人形が燃えるのが見えた。]
なんで、私になんですか?
先生が、自分で出せば良いじゃないですか。
あ、うん。
[エビコに手をひかれて外へ。
もうもうと上がる煙を黙って見上げていた]
これで、船が来るのかしら。
[その船はどこへ向かう船なのだろうと
おぼろげに思いながら]
ぶっ。
…まあ、すずきったって、りぃんりぃんなる鈴の木とは
限りませんでしょうしねえ。
[エビコからも何か渡される様子を見ると]
なんだ、先生、貸し作りすぎですよ。
[傍らのプレーチェに笑顔を向けた]
うん。煙になって昇っていく…
うちらの魂も、一緒に天に昇って、お月様んとこ、いくんやろな。
[再び前を向いて、ゆらゆらと立ち上る煙を眺めていた]
ライドウさんがかけてくれるなら、笑いますよ?
[まだ少し怒った顔のまま、鼻眼鏡を横目に見た。
言ったあと、あ、と口を押さえる。]
ライデンさん……。
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