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神となった上で世界を統合する、
という話しでしたら不可能ではないでしょう。
ただバラバラにある世界を統合するのは、
どれくらいの力を使うものか、
世界同士がうまく繋がるものなのか…
[多数の世界の大きさのままにひとつになった場合
維持する為の力が減るのかどうか。
それもまた、試したことが無い為に判らない]
また、適当だと言われたとしても。
…次の世代に引き継ぐ者として。
絶対に大丈夫です、と、言い切れぬ事は
許して下さい、選ばれし子よ。
[それから。
クルミとヨシアキのやりとりを見る紅の眸は
温かく だが鋭い色も含めていた。
2人が手を取り合うならそれで良い。
きっと、悪いものではないと思う。]
…俺は、頭が悪いからなァ。
お前らがここですげー長い時間を過ごすのが
本当にお前らの幸せかどうかとかはわかんねーけど。
まぁ今幸せそうに見えていいか。
位は、思うかな。
[刹那を生きる世界の者には、
想像もつかない事が多すぎた]
ゼンジさん。
…俺が色々なものを守りたかったのは本当で、
繰り返せばきっと、俺はやっぱり色々なものに手を伸ばす。
────伸ばしたい。
これほどに望みを抱いたのは、初めてのことだ。
だから。大切にしたいと…今も思っている。全て。
[完全な管理下での人の望みは小さなものだ。
殆ど見えないほどだと言ってもいい。
従順にあれば大過なく、されど求める先の見えない世界。
緩やかに滅びへと向かう世界。
けれどもし、人が望む力を取り戻すなら世界は変わる。
きっと変わっていくのだろうと思う。]
けれど守り続けたいと思えるものは、また別だろう。
俺は彼女を守り続け…、いや。彼女の未来に添い続けたい。
[クルミの手を、意思を伝えるよう握って、]
だから、この先に本当に守りたいもの。
そういった意味では、問いの答えはイエスだ。
[視線はゼンジに置いたまま、口にする。]
…世界の統合?
世界を重ね合わせる…、…?
どう、なんだろう。
俺には少し想像が難しい。
違うものは別々にあるからこそとも思える。
けれどまた、ひとつに重ねる良さも理解しないわけではない。
が…、……。
[実際、争いのない自分の世界は、
他世界と共存し得ないわけではないだろう。
けれどやはり、難しく思えて暫し考え込む。]
…それだけ世界が変われば、人も随分変わるんだろうな。
[どう思うとばかり、辺りの柱を見渡した。*]
変わらずともよいなら、
なぜ見せたのか。
そう、思っただけです。
ほかの世界に焦がれるような想いをさせた理由。
今までなし得なかったことであるなら、
最初から無理なのかもしれません。
無理であるから、
今消えた世界もある。
ただ、打ったことがない手がどう生きるのか
それとも全く無駄だったのか。
[世界を、一つに統合する。
そのゼンジさんの提案に、私は首を捻る。
もし実現するなら、悪いことではないと、思う。
でも、軸になるということは、ゼンジさんは、どうなるのだろう。
私はちらりと、8番さんを見た。]
……世界が一つになったら、……おばあちゃんに、カノウくんを紹介出来るかも、ね。
[口にしたのは、ちょっとの名残を混ぜた冗談。
神になった後、地上へ降りられるのかどうかは、分からないけれど。
神様の力を得ているのは、生き残った全員が、同じ。
実行するのであれば、私にも誰にも、止める権利はきっと無い。
だから、私は何も言わない。一つになった世界であれ、今のままの世界であれ、神になるのであれば、見守ることに変わりはないから。]
[そして思うは、消してしまった世界のこと。
責任をとるとかそういうことではない。
ただ、
どうしてだったのかと、
また思考の淵に沈む。
いや、至極簡単な理由だったことは気づいている。
まるで子どもだ。]
世界の形がどうなるかは、まだ分からないけれど…、
…やがて全てを安定させられたら。
俺は、こいつらとこいつらの世界の魂を戻す。
…ソラ、フユキ。
アン、コハル、ザクロ、ネギヤ。
世界ごと黙って消滅などさせない。
新しい世界で新しい未来を───…描いて欲しい。
その世界は、俺たちがきちんと守るから。
お前たちはお前たちの未来を行け。
[空白の座、ソラもそこに居るのだろう。
二人手を繋いだまま、目を細めてかすかに笑う。]
[一人で生きていた。
いや一人ぼっちなわけではない。
でも、気づけば、一人高いところから世界を見下ろしていた。
それは、人間でありながら、
人間でない感覚。
気づかなければよかったと思えるくらい、
静かな静かな孤独。]
難しくても…、やるさ。
クルミと二人で。
[困難な道だとは既に神に言われた。
けれど一人ではなく二人でならば。
そんな希望を語って、傍らを、そして空白の座を見渡した。]
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