122 ▼したへまいります▼
文芸部 マシロ は 陶芸部 ナオ を選択しました。
科学部 ワカバ は 陶芸部 ナオ を選択しました。
華道部 サヨ は 陶芸部 ナオ を選択しました。
陶芸部 ナオ は 華道部 サヨ を選択しました。
陶芸部 ナオ は［アイ］を持って走り出しました。
｢あみん｣のパンプキンパイがいいな。
わら半紙（村建て人）
ナオのはじめの一歩は、軽く蹴躓く。
――ころりと転がるのはサヨの生首。
ひとりしか通るいとまなく、
エレベーターの扉はすぐに閉まる。
動き出す。
地学部 チカノ
[蹴躓いたナオは、走り去っていった。
"それ"を、走ると表現して良いものならば。
そしてサヨの"それ"は…筆舌にし難かった。ブザーが鳴る。]
えいっ…とうっ
[とす…と手刀ひとつ。マシロのおでこに打つ。
まるで何かを追い出したいかのように、続けて幾発も。]
マシロ。私は判る。そう言ったはずだ。
[見つけたの。でもその霊感。本物なの？私は小首を傾げる。]
【墓】 華道部 サヨ
［考えは、アンが首だけの
姿になる前と変わっていなかった。
何が起こっているのかわけがわからない。
でも、理屈は抜きでみんな降りるべきだ。
誰もエレベーター内に居るべきじゃない。］
【墓】 華道部 サヨ
［１フロアひとりしか降りられない現状、
皆が我先に扉へ殺到しないのはさいわい。
そこはやはり、此処が
エレベーターガール養成校だからか――
少なくとも、自分が震えるほどこわくとも
皆を押しのけて逃げ出そうとしないのは、
先に逃したい友人がいるからに他ならず。］
【墓】 華道部 サヨ
［インスタントヒーローめいた感傷だが］
( それでも。
――…"追い出される"ほうが、
さいわいなのではないかしら。）
【墓】 華道部 サヨ
［そう考えていたから、
エレベーターを降りるらしいナオへ頷いた。
行って、と。掴み合いや罵り合いにならず
降りられるうちに、降りたほうがいい と］
【墓】 華道部 サヨ
［そうして、前に立つチカノの背中越しに
降りゆくナオの後ろ姿を見ていたはずが。
照明がちらついた次の瞬間、］
… Σ いたっ？！
［やたら低い位置にある額が、
ナオのつまさきに蹴飛ばされていた*］
科学部 ワカバ
["追い出す"ことは、言葉ほど簡単ではない。
躊躇いとか、偽善とか、そういった言葉がついてくる。
サヨの手をにぎったまま、マシロとナオを見つめていると、ナオが上の階に放り出したあの錘をとるためにか、本当に降りてしまった。]
あ……、待っ
[いざ行かれると怖いなんて――ひどく身勝手で滑稽だ。]
科学部 ワカバ
[けれどナオに気をとられた一瞬――ほんの一瞬に。]
……サヨ、ちゃん………？
[手にしていた体温は少しの余韻を残して薄くなる。
みえたのは、まだ余韻消えきらぬそのひとの――くび。
隣をみることができない。
けれど手探りに、彼女の手を探すかのように手はふわふわとサヨがいたはずの場所を泳ぐ。]
科学部 ワカバ
[そんな中、何かを祓うようにマシロをはたくチカノ。
うつろな目を這わせて言葉の意味を舐める。]
チカノちゃん………？
[判る、と。
霊感だと言った彼女がマシロを"そう"と判別したらしい。
けれど――]
もし、誰かが犯人、なら。
どのみち私には……。
[暫しチカノを見つめた後、マシロの言葉を待つように視線を動かした*]
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