人狼物語 執事国


134 白鳥の歌 2nd

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塗装工 ゾウサク

屋上

[微笑む来訪者の言葉に一瞬、瞳を瞬かせた。

しかしなるほど、確かにここは気持ち良い。
少なくとも、陰鬱とした空気を感じる院内よりは。]

 んだな、海からの風がやさしくて…、

[と、わらって彼女を眺めていた男は
"嬢ちゃん"が煙草を吸い始めたことに再び驚いた。
それも、女性には余りにきつすぎる銘柄だ。

天へと思いを馳せるかの如く白煙を燻らせる姿を
暫し、じっと見つめて]

 そうか。嬢ちゃんは煙草がすきかァ…
 煙草も酒も、ないと生きていけんよなァ…

(6) 2013/12/19(木) 15:42:39[屋上]

塗装工 ゾウサク

[自分に言い聞かせるような呟き。
酒に溺れては家族に手を挙げ
やがては彼等を失ってしまった。

自覚しているのに、止めることは出来ぬまま。

酒と、そして煙草を吸っている間だけは、不思議と
胸の痞えが取れるような
そんな錯覚の中で手放せぬ嗜好品と化していた。

娘のような、孫のような妙齢の女性と
一緒に吸う煙草はさぞかし旨いだろうと感じつつ
ごそり、ズボンのポケットに手をやり
くしゃくしゃになったパックの中身、本数を数える。
残りは5本。次は何時買えるかわからない。

旨そうに吸うお嬢さんを眺めるだけにしておいた**]

(7) 2013/12/19(木) 15:43:10[屋上]

塗装工 ゾウサク、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2013/12/19(木) 15:50:08

塗装工 ゾウサクが接続メモを更新しました。(12/20 00:22)

塗装工 ゾウサク

[澄んだ声のお嬢さんの頬から
表情は余り読み取れないけれど。
慣れた所作で不似合いな強い煙草を吸う姿は
なにかの儀式のようにも思えていた。

だから、お嬢さんの唇から
「かみさま」の単語が紡がれても
違和感を覚えることはなかった。]

 そうか、そうかァ…
 かみさまは、お嬢ちゃんがそうして
 思い出しながら吸ってくれるのを
 喜んでるだろうなァ…

(38) 2013/12/20(金) 00:26:46[屋上]

塗装工 ゾウサク

[「かみさま」がお嬢さんにとって
どういう存在なのかは解らないけれど
この世に居ない人物なのだろう事は悟る。

父親だろうか。

そうだったら良いのに、と思ってしまうのは
自分もそうして誰かに思い出して欲しいからだろう。

は、と白い息を吐き、自嘲の笑みをひとつ。
階下から聞こえる声音に反応するお嬢さんへ
「危ないよ」と声を掛け]

 お嬢ちゃんの彼氏かァ、そりゃあいい
 早く退院して、仲良くやんなァ

[事情も知らぬ癖にがはは、と笑ってそう告げた。
屋上から去り行くお嬢さんへ手を振って

華奢な背中を見送ろう]

(39) 2013/12/20(金) 00:27:13[屋上]

塗装工 ゾウサク

[不思議な雰囲気を纏うお嬢さんの
唯一の否定の言葉に面食らったのは一瞬のこと。
"色々と複雑な年頃なんだろうなァ"と
ぼんやりと馳せた。

若いお嬢さんが居なくなった後の屋上は
なんだか少し、寂しさが増したような気がした。

お嬢さんがそうしていたように、
少しばかり顎先を持ち上げ、白い空を見上げる。


良い頃だって、あったのだ。]

(59) 2013/12/20(金) 01:06:32[屋上]

塗装工 ゾウサク

[末娘が小学校に上がる頃、仕事が軌道に乗り
若い衆を5人ほど雇って切り盛りしていた。
女房も夜の仕事を辞めさせ、共に仕事を分担し。
娘達には可愛い服を買い与え、
好きな習い事をさせていた。

夏休みには海辺の宿へ旅に出る。
出来たばかりの鼠ランド、美術館へ絵画を観に訪れ
冬には、露天風呂が自慢の温泉宿へ
家族全員を連れて出掛けた。

誕生日には、外食を。
笑顔の絶えぬ家の中で、
娘たちのラフスケッチが溢れていく。]

(60) 2013/12/20(金) 01:11:26[屋上]

塗装工 ゾウサク

 『お父さん、みて、100点とったんだよ!』

 『お父さん、またゆうえんちいきたいな』

 『お父さん、せぇらーむーん描いて』


 『お父さん』

 『お父さん』

(61) 2013/12/20(金) 01:12:34[屋上]

塗装工 ゾウサク

[けれど、景気の良い時代はそう長くは続かずに。
仕事は次第に安く叩かれる下請けのみになり、
知人の伝で辛うじて塗り替えの仕事が出来る程度に。

何時しか、朝とも夜ともつかず
酒に溺れるようになっていた。

博打に手を染め、勝てば豪勢な飯にありつき
負ければ家族に手を上げ、娘のバイト代まで奪い
翌日の博打代にして、時を過ごした。]

(62) 2013/12/20(金) 01:17:31[屋上]

塗装工 ゾウサク

 ああ… 寒ぃな…

[愚かな過去の自分を思い出し、
それを払拭するよう首を振った。
空腹と寒気は人を気弱にしていくのだ。

綺麗な、無垢なお嬢さんの姿を
娘達の姿と重ねながら

屋上へ背を向け、院内へと戻っていった*]

(63) 2013/12/20(金) 01:17:59[屋上]

塗装工 ゾウサク

[相変わらず職は、ない。
知人に頼み込んで日雇いで塗装工をしているが
ここ最近は呼んで貰えない日々が続いていた。

帰って酒でも飲もうと、廊下を歩む道すがら
白衣の青年の姿が見えた。医師だろう。]

 医者、っつーのはよう…

(65) 2013/12/20(金) 01:36:39[廊下]

塗装工 ゾウサク

[そこに佇んでいるだけで、
妙な威厳があるから不思議だ。
どんなに若かろうが
白衣を着て院内を歩んでいるだけで
「先生様」と拝みたくなってしまう。

母が末期だから、余計にそう感じるのかもしれない。

遠巻きにユウキ医師を眺め、手を合わせた]

 母ちゃんを、頼みます先生…

[声音は届かずとも、妙な動作は
医師の目に入ってしまうか。

せめて、苦しまぬように、と。

解らずも、男はそのまま正面玄関から*去っていった*]

(66) 2013/12/20(金) 01:38:10[廊下]

塗装工 ゾウサクが接続メモを更新しました。(12/20 01:38)

塗装工 ゾウサク、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2013/12/20(金) 01:40:36

【独】 塗装工 ゾウサク

[手を合わせ、思わず慣れ親しんだ経を唱えてしまった。

はっと我に返り、そそくさと廊下を後にする。]


/*
ありがとよ、先生。
気づいてくれて、ありがとうよ…

(-12) 2013/12/20(金) 01:51:15

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