人狼物語 執事国


134 白鳥の歌 2nd

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926号室の住人 ロッカ

屋上

[屋上のとびらは、ちいさな音を立てて開きました
ひんやりした風がながれてきて、なんて気持ちが良いのでしょう

そのむこうがわには、どこまでもあおい空と、ひとりの人がいました]

(2) 2013/12/19(木) 08:45:03[926号室→屋上へ移動中]

926号室の住人 ロッカ


「嬢ちゃん、入院患者かい?
ここは寒いぞー」

[その人のことばに、わたしは首をかしげます
ほかに人がいないから、きっとわたしのことなのでしょう
嬢ちゃんなんて年じゃあないのに。
わたしはちゃんと、お酒の味もたばこの味も知っています

でも、そう呼ばれるのは嫌じゃあありません
かみさまのおともだちが、そう呼んでくれていたから

だから、わたしはにっこり笑うのです]

(3) 2013/12/19(木) 08:48:09[屋上]

926号室の住人 ロッカ

風が、気持ちいいんです

[ときどき、風のなかに、かみさまを感じることができるから。

わたしはポケットからハイライトブルーの煙草の箱と、かみさまが使っていたぎんいろのジッポをとりだしました
ひろくんには似合わないと言われたけれど、わたしはこれがすきなのです]

(4) 2013/12/19(木) 08:52:41[屋上]

926号室の住人 ロッカ

[取り出した一本を口にくわえて、火をつけました

この煙草はずっしりと重たくて、わたしはさいしょすきではありませんでした
かみさまもわかっていたのでしょう、真似っこをするわたしをみて、驚きはんぶん、呆れはんぶんでした

けれど、今はわたしはこの煙草がだいすきです
舌にちょっぴり痛みをかんじながら、煙草を口からはなして、ふぅと息を吐きました
真っ白な煙がふわふわと立ち上るのを見て、わたしもこんなふうに上へ、もっと上へといけたらいいのにと思います

かみさまのところに行きたい。**]

(5) 2013/12/19(木) 08:54:19[屋上]

926号室の住人 ロッカが接続メモを更新しました。(12/19 08:58)

926号室の住人 ロッカ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2013/12/19(木) 09:01:08

【独】 926号室の住人 ロッカ

[>>3]

私にお酒を教えてくれたのは、かみさまでした。
煙草も、かみさまに教えてくれました。
私の知っている事のほとんどは、かみさまが教えてくれたのです。

でも、それがぽろぽろと零れ落ちるように消えていくのです。
私はそれが、たまらなく怖いのです。
全部、ぜんぶ消えてしまうのが。


私を「嬢ちゃん」と呼んだ人は、サングラスをかけていました。
初めて見たとき、ちょっとだけ怖いと思った事を覚えています。

でも今は、悪い人じゃあない事もちゃんと知っています。
だって、悪い人が、かみさまの為に泣いたりするはずがありません。

(-0) 2013/12/19(木) 16:54:00

【独】 926号室の住人 ロッカ

[>>4]

かみさまは、いなくなってからも、いろんなところにいるような気がしました。
まるで木の葉が風に舞い散るみたいに。真っ黒なコーヒーに落とされたお砂糖が、溶けていくように。
いろんなところに、飛散していったのだろうと思います。

ポケットの中に、おまもりみたいに忍ばせた石が、ちょっぴり重たくなった気がしました。


銀色のジッポは、かみさまの髪の毛の色でした。
私はその色が大好きでした。
優しいその色が大好きでした。

だから私は、このジッポを使うのです。
少しでも、かみさまに近づきたいから。

(-1) 2013/12/19(木) 16:54:08

【独】 926号室の住人 ロッカ

[>>5]

初めてこの煙草を吸った時、私はむせこみました。
ちょっぴり涙も出ました。
かみさまは驚いて、それから呆れたように、でも笑いました。
笑っていたのです。
だから、私もつられて笑いました。

私は、煙草を吸っているかみさまが大好きでした。

(-2) 2013/12/19(木) 16:54:15

926号室の住人 ロッカ

「そうか。嬢ちゃんは煙草がすきかァ…
煙草も酒も、ないと生きていけんよなァ…」

[たばこに口をつけて吸いこめば、ずっしりとした煙がわたしの胸の中を埋めてくれるようでした
すこしずつ消えていくわたしを、これがつなぎとめてくれているような気さえしました

だから、生きるために必要といえば必要なのでしょう
なのでわたしはおじさまのことばに頷きます]

好きだったんです。
かみさまが、この煙草。

[ふわりと風が吹いて、わたしの長いみどりの黒髪を撫でていきました
かみさまが褒めてくれた、自慢の髪。]

(8) 2013/12/19(木) 17:07:46[屋上]

【独】 926号室の住人 ロッカ

[>>8]

みどりの黒髪。
「發」と書かれた小さな牌を持って、かみさまは呟きました。
お前の髪がそうなんだろうな、と。
そう言って、かみさまは私の髪を一房救い上げました。
緑なのに黒髪なのはどういう事だろうと思いましたが、かみさまの手が気持ちよくて、私はそんな疑問がどうでもよくなって目を閉じます。
みずみずしくつやのある、美しい黒髪の事をそう言うのだと、ひろくんが教えてくれました。

すると、傷のにいさまが言うのです。
六花が發なら、アンタは白だな。
三元牌のうち、真っ白なそれ。私はそのなめらかなものが好きでした。
かみさまみたいに綺麗だったから。

(-3) 2013/12/19(木) 17:15:52

【独】 926号室の住人 ロッカ

そうしたら、ひろくんが言ったのです。
じゃあ、■■さんは中ですね。三人合わせて大三元だ。
傷のにいさまの髪の毛の色は茶色でしたが、ひろくんよりは赤に近いものでした。
なるほどたしかに、と私は頷きました。

それを聞いたかみさまは、くつくつとおかしそうに笑いました。
じゃあひろは黒いから風牌だな。
私も笑いながら言います。
四人そろって、字一色ですね。
違いあるめぇ、かみさまはそう言って笑います。
そして、私の頭を優しくなでてくれました。

(-4) 2013/12/19(木) 17:16:16

926号室の住人 ロッカ

[すっかり灰になったたばこを、私は携帯灰皿にねじ込みました
この灰皿は、かみさまの吸ったたばこもしまわれてきたものでした

わたしは柵の方まで歩いていって、それから、下を覗きこみました
豆つぶみたいにちいさなひとたちが歩いているのが見えます]

[ここから落ちたら、かみさまの所へいけるでしょうか
かみさまはたかい所にいるのに、落ちてたかい所へのぼれるのでしょうか

いずれにせよ、ここから落ちたら痛そうです
わたしは、いたい事は好きじゃありません
かみさまがそうだったように。

ふわりふわりと、風に髪の毛がなびきました]

(25) 2013/12/19(木) 23:20:46[屋上]

926号室の住人 ロッカ

[豆みたいなひとたちが、せかせかと動いています
きゅうくつそうなスーツをかっちりと着込んで、息苦しくないのでしょうか]

……あ、

[そんな豆つぶたちの中に、見覚えのある影がありました
ひろくんです
それから、一緒にいるあのお寺さん、名前はなんて言ったかしら

きっとわたしに会いに来てくれたのでしょう
部屋にもどらなくっちゃ、わたしはぱたぱたと屋上のでいりぐちへ向かいました]

(28) 2013/12/19(木) 23:29:52[屋上]

926号室の住人 ロッカ

屋上にて

「そうか、そうかァ…
かみさまは、お嬢ちゃんがそうして
思い出しながら吸ってくれるのを
喜んでるだろうなァ…」

[おじさまのことばに、わたしは笑ってうなずきました]

そうだったら、嬉しいです

[かみさま、かみさま
わたしは、あなたのことをわすれたくありません
あなたの好きなもの、好きだったもの、いまはまだぜんぶ全部言えるけれど、覚えているけれど
いつそれがわからなくなるか、わからないのです
わたしはそれが、いちばん怖いのです]

(44) 2013/12/20(金) 00:43:37[屋上]

【独】 926号室の住人 ロッカ

[>>44]

ですから、どうか

あなたとおなじせんたくをしても

おこらないでくださいね
きらわないでくださいね

わたしは、あなたのことがだいすきなのですから

(-8) 2013/12/20(金) 00:44:14

926号室の住人 ロッカ

「危ないよ」

[おじさまの声に、わたしは振り返ります
あぶないでしょうか、そうでしょうか
それは、死ぬことを怖がる人だけの話です
わたしは、そんなものはこわくありません

だって、かみさまはあんなに綺麗にしんでいったのですから
だから、わたしだって怖くないのです
本当はちょっぴり怖いけれど、わすれてしまう事の方が怖いから、やっぱり怖くないのです]

(45) 2013/12/20(金) 00:44:44[屋上]

926号室の住人 ロッカ

「お嬢ちゃんの彼氏かァ、そりゃあいい
早く退院して、仲良くやんなァ」

[屋上のとびらに向かうとちゅう、背中ごしに聞こえた声に、わたしはまた振り返りました

そうして首をかしげます]

(46) 2013/12/20(金) 00:45:02[屋上]

926号室の住人 ロッカ

ひろくんは、わたしの彼氏じゃあ、ありません

[わたしにとって、ひろくんはひろくんです
いわゆるコイビトではありませんでした
たぶん、ですが]

[それから、手を振ってくれたおじさまに、にっこり笑って手を振りかえして、わたしはそのまま部屋に戻ったのです*]

(47) 2013/12/20(金) 00:45:12[屋上]

【独】 926号室の住人 ロッカ

私にとって、かみさまは父親のようであり、兄のようであり、恋人のようでした。

私の世界を彩ってくれた人でした。
私の全ては、かみさまによって作られたのです。

生きる術を教わりました。
読み書きそろばんを教わりました。
他にもたくさん、たくさん、教えてくれたのです。

私は、そんなかみさまが好きで好きで、どうしようもなく好きでたまらなかったのです。

ああ、かみさま、かみさま。
どうして、私も連れていってくれなかったの。

(-9) 2013/12/20(金) 00:49:45

926号室の住人 ロッカ

926号室

[部屋にもどると、ひろくんがいました
それからお寺さん、この人の事を、わたしはみつおじさまと呼んでいました

ひろくんは、お土産だと言っておいしそうなケーキを持ってきてくれました
ひとくち食べると、優しい甘さが舌のうえに広がって、とってもしあわせな気分になれます]

(52) 2013/12/20(金) 01:00:27[屋上]

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