人狼物語 執事国


134 白鳥の歌 2nd

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896号室 クルミは警備員 ノギに投票を委任しています。

896号室 クルミ

 新しい朝 

[白い便箋に書かれた手紙を読む。
 昨日の午後、看護師が届けてくれた手紙。
 もう何度も読んだから
 貰った文章は全部覚えてしまった。

 青空の色は、たくさん知っている。

 夏の深い紺碧や、春の淡い天色。
 雨上がりは勿忘草色。冬の秘色色。
 南国の空は瑠璃色だった。 

 窓の外へ視線を向ける。
 天満さんに教える、私の想う空色は、
 海と雪と空が混じり合う位置の色が良い。

 この部屋から、その色は見えない。

 見に行かなくちゃ。伝えるために。**]

(5) 2013/12/21(土) 07:31:11[896号室]

896号室 クルミは、ダイイングメッセージを記入しました。
『夢が、夢のまま終わりませんように。』

896号室 クルミ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2013/12/21(土) 11:16:26

896号室 クルミ

[あれは真夏の土曜日だった。
 陽射しの強い午後、兄と一緒に、
 乗用車で海水浴場を目指した。]

 二年前・夏の午後 

[兄が運転する車の後部座席に沈み、窓に作った隙間から吹き込む風に煽られた髪を押さえる。兄は助手席に座った恋人と談笑していて、私の方を見る事は無い。風に掻き消えて何を話しているのかは知れないが、二人が笑っているから幸せな話なのだろう。

海に着いたら、私も大学の友達と合流する予定になっている。学生最後の夏休み。子供で居られるモラトリアムを惜しんで、就職活動の隙間を縫って、忙しく遊びまわっていた。]

(10) 2013/12/21(土) 11:52:14[896号室]

896号室 クルミ

[すぐ後ろに、大きなトラックが着いてきていた。長距離運転の疲労からか、たまにふらりと車体が揺らぐのがバックミラーに映っていて、不安は感じていた。けれど、兄は恋人との会話に夢中で。]

 お兄ちゃん…ちょっと休んでいこうよ。
 喉、乾いたし。ねえ。

[サービスエリアの看板が見えたから、声をかけてはみたが。風が邪魔をして聞こえなかったようで。看板を過ぎ、後方のトラックとの位置関係もそのままに、私たちを乗せた車は真っ直ぐに進んだ。]

(11) 2013/12/21(土) 11:53:10[896号室]

896号室 クルミ

[そのすぐ後だった。
いよいよ運転手の意識から解放されたトラックが、車間距離を詰めて私たちに躙り寄ったのは。酷く乱暴な音を聞いて、後ろを振り返る間さえなく、私は、未来を失った…――*]


 二年前・秋の夜 

[身体に、正常なところはひとつも無かった。潰れかけた内臓も、破れた皮膚も、千切れた神経も、なんとか縫繋げて修復されたものの。痛みと熱に苛まれる悪夢のような日々。

 傷は至る所に残ったし、複雑に砕けた骨が刻んだ神経の復活は望めない両足が冷たく思い。

 誰にも会いたくなくて、私はすべての見舞いを断っていた。こんな姿、死んでも見られたくない。友達にも、家族にも、誰にも。私自身の目でだって見たくない。元より両親との折り合いは悪かったし、兄は罪悪感からか私を直視はしなかったから、断る機会もそう多くは無かった。]

(12) 2013/12/21(土) 11:53:29[896号室]

896号室 クルミ

 一年前・春の朝 

[気付くと、ひとりになっていた。
 顔や腕の目立つ箇所の傷は綺麗に塞がり、
 見るに堪えない姿では無くなった。

 でも、その頃には、
 会いたいと思う人は居なくなっていて。
 友達は皆、大学を卒業して社会人になった。
 家族はそれぞれに忙しくしている。

 私はこの白い病室を与えられて。
 あるはずだった未来に縋り、
 死にきれなかった事を悔いて生きる
 今に続く日々がはじまった。*]

(13) 2013/12/21(土) 11:54:18[896号室]

【独】 896号室 クルミ

/*
遺跡も世界遺産も
神社仏閣も、大好きです。

(-2) 2013/12/21(土) 14:35:12

896号室 クルミは、警備員 ノギ を投票先に選びました。

896号室 クルミ

 896号室から、屋上へ 

[屋上へ出るには部屋着じゃ寒すぎるから
 コートを羽織ってマフラーを巻いた。
 
 海と空が混じる所まで
 ちゃんと見渡せると良いのだけど。
 どうかしら?と
 窓硝子の私と首を傾げて顔を見合わせて。

 私は静かに部屋を出た。


 エレベーターを使って登った屋上では、
 控えめな量の洗濯物たちが風に揺れていて。
 冷たい風が、海の匂いを運んできた。

 海の歌も少し明瞭に聴こえる。**]

(22) 2013/12/21(土) 15:57:54[896号室]

896号室 クルミ

[浅縹色と白藍のグラデーションに、
 白線が引かれた便箋はあるだろうか。
 封筒は海の青藍にしよう。

 今日の空色を贈ろうと、
 小さく胸を弾ませた。

 >>24
 ふ…と、煙草の匂いが漂う事に気付いて。
 遠くの海へ向けていた視線を流すと、
 屋上の隅で煙草を喫む女性を見つけた。]

…風に、拐われるよ。

[口元まで覆っていたマフラーを少し下げ、
 彼女に声を投げかける。]

(27) 2013/12/21(土) 20:24:07[屋上]

896号室 クルミが接続メモを更新しました。(12/21 20:24)

896号室 クルミ

[私と同じくらいの年頃に見える女性は、
 風に遊ぶ煙草の煙の中に居て。
 笑う顔が少し現実離れして見えた。

 からりと車輪を回し車椅子を進めて、
 彼女の方へと距離を詰める。]

…こんにちは。
 その煙は、美味しいもの?

[喫煙の経験は無いけれど、
 彼女が持っていると煙草の煙は
 甘いものかのように見えたから。
 訊ねてみる。]

(29) 2013/12/21(土) 20:36:33[屋上]

896号室 クルミ

…かみさま。神様?
 …神様は、あなたを救ってくれる?

[私を救う神様は居なかった。

 信仰は太陽にしか
 向けたことは無いのだけれど。
 煙草の煙を追って空へと向けた目を細め、
 再び見つめるのは彼女の顔。]

(31) 2013/12/21(土) 20:52:58[屋上]

896号室 クルミ

…素敵だね。
 私の前にも現れれば良いのに。
 神様とか、天使とか。

[非現実的な存在感の彼女が言う神様が
 何者なのかを私が知る由もなく。
 ただ、何かを信じる心は羨ましい。

 少しだけ微笑んで、
 マフラーに顎先まで埋めてしまう。]

(33) 2013/12/21(土) 21:14:25[屋上]

896号室 クルミ

…いつもキミの中に居るから
 神様と呼ぶのではないの?
 離れていても傍に居るというやつ。

 でも、寂しいね。
 置いて行かれるのは。

[煙草の煙は何を満たすのだろう。
 喫煙は緩やかな自殺だと誰の言葉だっけ。
 彼女は何を見上げているのだろう。

 儚げな彼女の傍へ。
 もう少しだけ近付いて。

 私は、巻いていたマフラーを外して、
 煙草の火を避けて
 彼女に巻きつけようとする。
 少し、屈んでくれないかな?]

…あげる。

(35) 2013/12/21(土) 21:28:58[屋上]

896号室 クルミ

[珊瑚朱色のマフラーは、
 彼女によく似合っていると思う。]

…私は神様にはなれないけど、
 寒そうな首筋にマフラーは巻けるの。
 どう、すごいでしょう。

[手紙だって書けるし、
 お手玉だって上手に投げられるの。

 少し前向きな気持ちになれたから、
 首を傾ぐ彼女の顔を見上げて。
 もう一度、微笑んで。

 車椅子を動かして、屋内に引き返そうと。]

…手紙を書くの。宿題も待たなくちゃ。
 だから、行くね。
 また会おうね。キミ。

(38) 2013/12/21(土) 21:49:20[屋上]

896号室 クルミは、ダイイングメッセージを記入しました。
『美しい青空を。キミたちの頭上に。』

896号室 クルミ

…ロッカ。
 私、アネモネが好きよ。
 キミの中の6つの花に、
 アネモネはあるかな。

 私はクルミ。

[名前を交換して、私は屋内へ。

 寒さは気にならない。
 海を見られたし、ロッカにも会えた。
 楽しく温かい気持ちになれた。

 病室へ戻ろうとエレベーターを待つ。
 なかなか来ないエレベーターを。]

(40) 2013/12/21(土) 22:07:58[屋上]

896号室 クルミ

[階段を駆け下りられたら良いのに。
 車椅子の車輪を撫でて、吐息を零す。

 エレベーターはまだ来ない。

 持て余した暇にまかせて、
 階段に少し、近付いてみる。

 からから。乾いた音で車輪が回る。
 よく磨かれた踊り場を進む。

 エレベーターはまだ来ない。

 少し、振り向いて表示パネルを確かめた。
 車輪が何かを踏んだ。
 それは、誰かが落としたハンカチだった。]

(42) 2013/12/21(土) 22:14:13[屋上]

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