人狼物語 執事国


134 白鳥の歌 2nd

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外科医 ユウキ

[背景クルミ様…―――
いや、それは違うだろう。

親愛なる?
それも違う気がする。

結局、形式にこだわっても意味がないと思い。
数枚のメモの廃棄の後、簡素なメモを残した。]

 宿題を持ってきたけれど
 いないようなので改めるよ
 もしメモを見たら、呼んでくれると嬉しい

                  ユウキ

[うん、これだけで十分意図は伝わる。
きっと、たぶん、大丈夫。
自分でいくつか頷いて、メモを残して病室を出た。]

(26) 2013/12/21(土) 19:51:58[行こうか、行くまいか]

外科医 ユウキ

[どこかで、大きな音がした気がした。
病院内で珍しい、そう思った気がする。

若者はロビーを覗いた後、自分の机の前に戻ろうと歩いている最中だった。
突然慌ただしくなるのは、いつもの事で。
急患かな、程度に思っていた。

ナースが早足でやってきて、若者に声をかけた。
曰く、患者が階段から落ちたのだと言う。]

 患者はどこです?

[早足、半分走りながら状況を聞く。
車椅子の患者が、踊り場から落下。
出血、意識無し。]

(48) 2013/12/21(土) 23:36:29[行こうか、行くまいか]

外科医 ユウキ


 輸血と、オペの準備はできてますね

[大丈夫、ここは病院だ。
処置さえ早ければ、大抵の事では大丈夫。
出血死なんてさせない。
打ちどころさえ悪くなければ。
車椅子で、大事な部分が巻き込まれていなければ。]

 ご家族に連絡も

[切ったり縫ったりは、専門家だ。
それが仕事なのだから。
そう言い聞かせながら、血だまりの側に立つ。
そこに転がっていたのが、探し人の姿であった時。
少しだけ、動転したけれど。]

(49) 2013/12/21(土) 23:40:43[行こうか、行くまいか]

外科医 ユウキ


 え…―――

[一瞬だけ、固まった。
頭の中で、いろんな単語が回る。
誰が、何故、何が、どうして、いつ、どうすれば。

いろんな言葉が巡った後、たどり着くのは結局。
助けなければ、と言う言葉であったけれど。]

 止血、急いで
 移動させますよ

(50) 2013/12/21(土) 23:49:59[行こうか、行くまいか]

外科医 ユウキ

[いつもと変わらないつもりでも。
少し声に怒気が混じるのは、焦りからか。
それとも、サンドイッチなんて食べずに部屋を訪ねていればなんていう、的外れな罪悪感からなのか。]

 クルミさん、クルミさん、目をあけて
 なんでもいい、意識を

[それとも、やはり。
患者に少し、情が移ってしまったからなのか。
冷静とは言い難い事は、自分でも理解できた。]

(51) 2013/12/21(土) 23:50:10[行こうか、行くまいか]

外科医 ユウキ

[彼女の表情に、反応が見られた。
大丈夫、まだ大丈夫。
唇が、微かに動いている。
何かを言っているのかもしれないけれど、聞こえない。
だが、まだ生きている。]

 クルミさん
 聞いているかい

 君を喜ばせる事、探してきた
 喜んでくれるかは、わからないけれど
 外の写真、持ってきた

[彼女の意識を、保たなければならない。
意識を失うと、体温が下がる。]

(57) 2013/12/22(日) 00:46:39[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ


 外の写真って言ってもさ
 ただの、風景写真なんだ
 桜並木、夏の砂浜、秋の紅葉、冬の雪景色

 私が君を治すから
 そしたら、その目で見に行こう
 君の先も、君の足も、ちゃんと治す
 だから頑張れ、階段程度に負けちゃいけない

[足は、正直絶望的だけれど。
それでも、口から出たのはそんなでまかせ。
できない事を、できないと言うだけなら。
きっと、誰にでもできるから。]

 君にはちゃんと、未来が待っている
 それが今は見えなくても、明日はやってくる
 証明してみせるから、気を強くもって

(58) 2013/12/22(日) 00:49:19[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ

[体温が下がっていく。
止血しても追いつかない出血。
このままだと、ショック症状が起こる。
短時間の出血、大動脈からの出血だろう。
圧迫止血では間に合わないけれど。
凍結止血するにも、電気凝固させるにも、まだ手術室は遠い。]

 どこへだって、連れて行くよ

 平家蛍を見た事はある?
 夏の低くて大きな空と
 地上に舞う蛍の光が合わさって
 まるで、天の川が二つあるようなんだ

 一面の花畑、なんて見たことあるかい?
 カラフルな絨毯のようで、綺麗なものだよ
 春になったら、見に行こう

(65) 2013/12/22(日) 01:08:14[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ


 秋は、川が綺麗でね
 魚釣りをして、その場で調理して食べる
 中秋の名月なんて、しっかり見た事あるかい?
 お月見も、いいものだよ

 冬はやっぱり、雪原だね
 体を切るほど冷たいはずなのに
 光を弾いて、真っ白に輝く朝
 世界が最も輝く朝さ

 君にはまだ、見てない世界が沢山ある

[ありがとう、彼女がか細く。
そう口にしたのが聞こえて。
動かないであろう手を取り、脈をはかると同時に語りかけ続ける。]

 まだ、お礼を言うには早い
 君を救って、それからお礼を言ってもらう

(70) 2013/12/22(日) 01:13:05[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ

[だから、しっかり。
かけた言葉は、彼女に届いたのか。

測っている脈が、途絶えた。
力の抜けた四肢。
手術室は、もう少しだというのに。
頭の中では、もう答えは出ている。

動脈性出血による乏血性ショック。]

 クルミさん?
 クルミさん?

 しっかりしてください

[医師としては、失格なのかもしれない。
死を前にした冷静さというものは、患者と親しくなれば吹き飛んでしまうもののようで。]

 緊急補液
 移動しながらでもやるんだ

(76) 2013/12/22(日) 01:32:53[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ

[頭の中では、無駄だとわかっていても。
そうせずにはいられないというのは。
はたして、幸せな事なのか、不幸な事なのか。]

 心停止、心臓マッサージ

[手術室にたどり着き、心電図につながった時には、数値として。
患者の死亡を伝えていた。

試みるだけは、全て試みて。
自分にできる事は、全てやっても。
救えぬ命が、大量にある。
他人でも、知人でも。
大人でも子供でも、平等に。
救えぬ命は、救えない。

蘇生措置を試みるも、上手くはいかず。
結局は、また取りこぼす。
どれだけ救いたい命であっても。]

(79) 2013/12/22(日) 01:45:27[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ


 医者が神を信じたがらない理由はこれだな
 人事を尽くしても、何もできやしない

[小さく呟いた言葉。
それは心の中だったか、口から出たのだったか。

ご遺族への連絡等は済ませてあるようだ。
もうすぐ、やってくるのだろうか。
なんと説明しようか。
助けられなくてすみませんと、謝るのだろうか。

若者は、少し休むと言い残して屋上へ出た。
周りの人影は気にせずに、隅の方に座り。
タバコを咥えて、火をつけた。]

(82) 2013/12/22(日) 01:51:46[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ

[あと何度、命を取りこぼしていくのだろう。
そう考える事自体が、医師として若いと言うことなのだろうか。
割り切れていたつもりであったのに。
この手で救えぬとなると、やはり苦しい。
頭が痛かったけれど、それを気にする余裕はなかった。]

 神よ、貴方は人を愛するが故に
 こんなにも早く、お呼びになるのですか
 では何故に、人を地上に離されるのか

[吐いた言葉と、吐いた煙が。
空高く、登っていく。
ゆらり、ゆらりと登っていく。
風がそれを溶かして、天までは届かなくても。
毒づく権利くらい、あるのではなかろうか。]

(83) 2013/12/22(日) 01:59:10[手術室に向かって移動中]

外科医 ユウキ

[医師であっても人間。
ただの人には、抗う事のできぬ範疇がある。

タバコの煙が、雲には届かぬように。
この声が、海までは響かぬように。

少し落ち着いた若者は、先ほど息を引き取った女性の最後の顔を思い浮かべた。
彼女は、幸せだったろうか。
いいや、幸せな人生であったかなどは考えていない。
息を引き取る間際、彼女は。

この世界を、愛して逝けただろうか。

若者の目には、彼女が笑って逝ったように見えた。
本当にそうなら、自分が彼女に出会った意味はあったのだろうか。
医師として、力になれずとも。
人として、力になれたろうか。]

 医師として、力になりたかったけれど

(87) 2013/12/22(日) 02:30:28[屋上]

外科医 ユウキ、塗装工 ゾウサクのアドバイスは効いたな、と小さく笑う [飴]

2013/12/22(日) 02:31:02

外科医 ユウキ

[一瞬だけ、優しい風が頬を撫でて。
身を切る冷たい風に混ざったそれを、若者はとても不思議に思った。

見る目が変われば、世界は色を変える。
彼女の世界も、最後に少しでも変わっていればいい。
そんなことを思うのは、陶酔や逃げの類?]

 ま、いいさ

[逃げだろうと、陶酔だろうと。
携帯灰皿で消したタバコを、片付ける。]

(89) 2013/12/22(日) 02:37:40[屋上]

外科医 ユウキ

[そうしていると、男性の声が聞こえて。
振り向いた先には、昨日の男性がいた。
肩に伸びた手は、拒むこともなく。]

 ええ、少し現実逃避に

[そう言って、笑ってみせた。]

(90) 2013/12/22(日) 02:39:31[屋上]

外科医 ユウキ


 まぁ、私も人間ですからね
 人は死んだら、ですか?

[それはもちろん、骨になるさ。
そんな事は、わかっている。
でも、男性が言っているのはそういう事ではなくて。
科学に基づかない、信仰や思想のようなもの。
若者は、それを否定するつもりはない。]

 そうですね
 人の縁とは、不可思議なものです

(94) 2013/12/22(日) 03:00:28[屋上]

外科医 ユウキ


 生まれ変わる事が、たとえばできたとして
 もし、その相手ともう一度出会えたとして
 今度は、まともな関係が築けると良いですが

 …―――

 私は、生まれ変わってもこんなのでしょうし
 気の利いたセリフ一つ、出てくる気がしませんよ

[命日に華を備えれて、冥福を祈るのは。
それは、来世での再会を祈る事なのか。
面白い事を言う人だと、思って。]

 ふふ、お坊さんか何かですか?

[そう言って、首をかしげてみた。]

(95) 2013/12/22(日) 03:03:18[屋上]

外科医 ユウキ


 それは、過大な評価な気がしますけど
 でも、ありがとうございます

[褒めてもらっているのだと理解している。
だから、若者は頷いて。
男性の仕事の話には、相槌を打つに止めた。]

 はい、ありがとう御座います
 お世話になりっぱなしで申し訳ない

[お先にと出て行く男性を、見送り。
若者は、今度何かお礼をしなければと思った。
相談に乗ってもらい、今日は励ましてもらった。
その行為にではなく、その心には。
心を返さねばならぬと思うからだ。]

 次に会ったら、煙草でも奢ろう

[といって、できる事はこの程度であるけれど。]

(97) 2013/12/22(日) 03:18:51[屋上]

外科医 ユウキが接続メモを更新しました。(12/22 03:20)

外科医 ユウキ、男性より少しあとに、屋上を*出た*

2013/12/22(日) 03:21:10

外科医 ユウキ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2013/12/22(日) 03:22:01

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