人狼物語 執事国


182 放課後の図書室

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学生 クルミ

[十本の足指では踏ん張りが足りなかったみたい。
十一本あったら、もしかして、止まれたかも――
なんて考えてみたって、
わたしの足の指が急に増えることはない。


そのまま、どん。
さほど肉付きの良くない胸の部分にも衝撃。
殺せなかった勢いの分だけ、急にかけたブレーキの分だけ、
少しよろめいた。
けど踏ん張った。
ここで尻もちついたらピッチャーの沽券に関わる。]

(2) 2015/06/07(日) 00:01:02

学生 クルミ


[おっと、と踏ん張ってる間に掛けられていた声。
十秒くらい……いやいやそんなにじゃない、
二秒くらい遅れて返答する。]

あたしは大丈夫、だけど
ごめん、ぶつかっちゃって


[幸いにもぶつかった先の女の子に怪我はないみたい。
怪我はない、ではなく、倒れもしなかった。
体幹しっかりしてるな。運動部かな。
そんなことを思って顔を上げて――あれ目が合わないな。
視線を辿ってみれば
踏みとどまった拍子に指の合わせがずれたせいか、少し皺の入った封筒。
夕焼け浴びてもまだまだ白い、わたしの、封筒。]

(3) 2015/06/07(日) 00:01:45

学生 クルミ

[思わず手紙を握り込んだ。
ぐしゃと悲鳴を上げて皺がいくつも増えて、
封筒が小さくなる。
掌から隠しきれない白色が零れたけど
わたしはそれを見なかった。見れなかった。
隠すように後ろ手にしてみたけど、
逆、効果、なのかな。神様どうなんですか。]


……その、……ごめんね
怪我、ないよね


[誤魔化す言葉を探しても見つからなくて
でも女の子の考え込む様子を邪魔したくて、
なんとか絞り出したのはこれだけ。
わたしきっと、十三階段の
前にいるみたいな顔してるんだ、絶対そうだ。]

(4) 2015/06/07(日) 00:03:09

【独】 学生 クルミ

/*
さすがに 十の位は厳しい

(-0) 2015/06/07(日) 00:03:34

学生 クルミ

[わたしはいつの間にか十四段目の階段にでも
足をかけていたんだろうか。
だって助かったはずなのに。

握った掌のなかで
慣れた皮革の柔らかい感触とも違う、
紙の尖った部分が堅い皮膚を刺した。
ちくりとした。

ちくりとしてた。

壁や本棚が遮った夕焼け色がなんでか
封筒の中から滲み出てきてるみたいに、
掌の中でじくりとしてた。]

(11) 2015/06/07(日) 21:11:12

学生 クルミ

[「あたしは大丈夫」
さっき答えた言葉をもう一度言うのは簡単だ。
だってあたしは本当に大丈夫だから。
ソフトボール部で、ピッチャーで、
もしかしたら次期主将かもしれなくて、
名前の割に男らしいあたしは大丈夫だ。
だって手紙は読まれる前に取り返した。
クラスでちょっとくらい、
性格悪いって言われるかもしれないけど、
そんなのやっぱり些細だ。


でも、じゃあ、なんで
正十五角形のような、丸のようでまるでない、
すこし歪な気持ちにわたしがなってるのか、、
なんでぎゅっと眉が寄ってるのかは、わからないもんなのだ。]

(12) 2015/06/07(日) 21:11:58

学生 クルミ

――……、うん


[十六夜の月は遅いって言うけど、
わたしの返事も似たようなものかもしれない。

ぶつかってしまった子は、
そんなトロイ返事を
待ってくれるのかもわからないけど。

後ろに回した手を前に持ってきた。
指の隙間から見えるのは、やっぱり……というか
当然なんだけど、真っ白のままで、
でも、それでもちくちくしてるのは変わりなかった。
そういう意味では夕焼けだった。]


手紙、書いたんだけど
……駄目にしちゃって

(13) 2015/06/07(日) 21:12:33

学生 クルミ

ううん、ぶつかる前から
多分だめ、だったんだけど
それで、ちょっと、……前、見てらんなくて


[これじゃあ、あたしもダメなのかも。
だってソフトボール部のあたしは、
こんなトロい話し方しないし、
こんな、初めての人が困る様なことも話さないし
眉を寄せたら顰め面になるはずなのに、]

でももう渡さないから、別にいいんだ

[たぶんきっと今の表情は
微妙に微妙な困り顔の笑い顔。

自分でも馬鹿みたいって思ってる。
十七ってもっと大人なんじゃない?]

(14) 2015/06/07(日) 21:12:54

学生 クルミ

[十八になったら、もうちょっと大人になれるかな。
なけなしの大人っぽさをかき集めて、
わたしは如何にも苦笑って感じに口端を上げた。
大人のよくやる、子供への呆れってものを滲ませて]


だから、ごめんね

[ぶつかっちゃったのも、
こんな話を聞かせちゃったのも、ごめんね。

歪な気持ちごと潰すように
もう一度掌の手紙を握りこんだ**]

(15) 2015/06/07(日) 21:17:22

学生 クルミ

書きなお、さないかな


[白い封筒の中身、
掌圧の重苦に耐え切れず潰れちゃったわたしの文字は
それでも少しだけの澄まし顔をしてるんだろうけど、
わたしはそれをもう一度書ける気はしなかった。

だけど、でも、
語尾が言い切る形にならなかったのは
まさにわたしらしさの表れだ。

同じ白色を握っているのに、日中や朝の、
ボールで風を切るあたしらしさなんて欠片もない。]

(20) 2015/06/07(日) 23:22:57

学生 クルミ

[二十重にもタコを作ってきた手から
握りつぶした手紙から、
視線を外し顔を上げたら

そこには堂々たるへの字が浮かんでいた。
見上げる場所さえ違っていたなら、
それはまるでお月様かと一瞬思うくらい、
しゅっと、迷いなく、女の子の顔に浮かんでいた。


自分の気持ちを欠片も疑わないような顔で
感情に正直な幼児めいた雰囲気があるのに
細い眉の下の眼差しが、きゅっと強くて、
その強さに飲み込まれて、

わたしはぽかんと口を開けた。]

(21) 2015/06/07(日) 23:23:15

学生 クルミ

[あれ、あれ、あれ。
わたしなにか怒らせるようなこと、してた?

一度離れた視線がもう一度ぶつかった。

いや、怒らせるようなこと、したけど。
ぶつかったけど。
あれでも、ぶつかったときは、
怒ってなかった、怒って、たのかな。


0.21秒の衝撃。
視線が戻った時、がつんとはたかれたような
そんな感触がしてぱちくり瞬いた。
星が散った。気がする。]

(26) 2015/06/08(月) 22:55:43

学生 クルミ

えっ


[捨てたら?

こともなげに言われた言葉。
わたしはもう一つ瞬きした。おまけにもう一つ。
でも、言葉の意味は理解できるのに
なんでそんなこと言われるのか、判らなかった。
22世紀の未来人と遭遇した気持ち。


知らず知らずに握る拳が強くなる。
もう封筒は悲鳴を上げない。上げないんだけど。
こんなぐちゃぐちゃになって
そりゃ、読めるだろうけど
渡しようもないものになった手紙は泣いたり、しないんだけど。]

(27) 2015/06/08(月) 22:59:51

【独】 学生 クルミ

/*
あれっ 更新しない

(-5) 2015/06/08(月) 23:00:42

【独】 学生 クルミ

/*

あれ……?
1日目で更新時間予約しても、以降の更新時間が48hで調節されることは  ない  の  かな?

(-6) 2015/06/08(月) 23:01:42

学生 クルミ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2015/06/08(月) 23:02:40

更新時刻が06/08 23:30に設定されました。

【独】 学生 クルミ

/*
どうにか 手紙を投げつけて
図書室飛び出したいと思ってるんだけど
あああ  うかばない!

(-7) 2015/06/08(月) 23:17:56

学生 クルミ

……そんなの、

あんたに関係ないじゃん

[でもなんでか、「捨てたら?」なんて、
いかにも簡単な調子で、
つまらそうに言われた言葉に
はいそうしますって返事できなかった。
かわりに。
話して2,3ふんも経ってない人に向けるには
フテキセツにわたしは険を混ぜた言葉を返した。

そりゃ、ごみみたいなもんだけど。
ごみみたいに、しちゃったけど。


掌のなかでくしゃっとなった白い紙が、
ボールみたいにまるまって、きゅっとなった。
わたしの眉毛もきゅっと寄ったんだと思う。]

(28) 2015/06/08(月) 23:25:20

学生 クルミ

[だってこれ、わたしのもんだもん。]

あたしがどうしたって、
あんたに関係ないじゃん っ


[図書館では、うるさくしちゃ駄目とか
他の人の迷惑になるとか、
そういうことが全然考えられなかったわたしは
なんでか知らないけど、
自分がなにをしているのかも考えられてなかったみたいで

本棚の隙間や女の子の向こうかわに見えた、
夕日なのかな、それともライト? にしび?
それが目を刺すように眩しくてツンとして

気付いてみたら
ピッチャー振りかぶって、投げた。]

(29) 2015/06/08(月) 23:26:32

学生 クルミ、大声じゃなかったのは自制心のたまものだと思う。投げたけど。

2015/06/08(月) 23:27:26

【独】 学生 クルミ

/*
すごく迷走してるのが丸わかりなのと
さすがに20のくらいは厳しかった


にしび  24 ていうのはずるかった
2,3分も大分ずるかった

(-8) 2015/06/08(月) 23:28:27

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