人狼物語 執事国


182 放課後の図書室

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学生 クルミ

[わたしはいつの間にか十四段目の階段にでも
足をかけていたんだろうか。
だって助かったはずなのに。

握った掌のなかで
慣れた皮革の柔らかい感触とも違う、
紙の尖った部分が堅い皮膚を刺した。
ちくりとした。

ちくりとしてた。

壁や本棚が遮った夕焼け色がなんでか
封筒の中から滲み出てきてるみたいに、
掌の中でじくりとしてた。]

(11) 2015/06/07(日) 21:11:12

学生 クルミ

[「あたしは大丈夫」
さっき答えた言葉をもう一度言うのは簡単だ。
だってあたしは本当に大丈夫だから。
ソフトボール部で、ピッチャーで、
もしかしたら次期主将かもしれなくて、
名前の割に男らしいあたしは大丈夫だ。
だって手紙は読まれる前に取り返した。
クラスでちょっとくらい、
性格悪いって言われるかもしれないけど、
そんなのやっぱり些細だ。


でも、じゃあ、なんで
正十五角形のような、丸のようでまるでない、
すこし歪な気持ちにわたしがなってるのか、、
なんでぎゅっと眉が寄ってるのかは、わからないもんなのだ。]

(12) 2015/06/07(日) 21:11:58

学生 クルミ

――……、うん


[十六夜の月は遅いって言うけど、
わたしの返事も似たようなものかもしれない。

ぶつかってしまった子は、
そんなトロイ返事を
待ってくれるのかもわからないけど。

後ろに回した手を前に持ってきた。
指の隙間から見えるのは、やっぱり……というか
当然なんだけど、真っ白のままで、
でも、それでもちくちくしてるのは変わりなかった。
そういう意味では夕焼けだった。]


手紙、書いたんだけど
……駄目にしちゃって

(13) 2015/06/07(日) 21:12:33

学生 クルミ

ううん、ぶつかる前から
多分だめ、だったんだけど
それで、ちょっと、……前、見てらんなくて


[これじゃあ、あたしもダメなのかも。
だってソフトボール部のあたしは、
こんなトロい話し方しないし、
こんな、初めての人が困る様なことも話さないし
眉を寄せたら顰め面になるはずなのに、]

でももう渡さないから、別にいいんだ

[たぶんきっと今の表情は
微妙に微妙な困り顔の笑い顔。

自分でも馬鹿みたいって思ってる。
十七ってもっと大人なんじゃない?]

(14) 2015/06/07(日) 21:12:54

学生 クルミ

[十八になったら、もうちょっと大人になれるかな。
なけなしの大人っぽさをかき集めて、
わたしは如何にも苦笑って感じに口端を上げた。
大人のよくやる、子供への呆れってものを滲ませて]


だから、ごめんね

[ぶつかっちゃったのも、
こんな話を聞かせちゃったのも、ごめんね。

歪な気持ちごと潰すように
もう一度掌の手紙を握りこんだ**]

(15) 2015/06/07(日) 21:17:22

学生 マシロ

[思っていたよりも返ってきた答えは意気地がなくて、何なのあんたと友達相手になら言ってしまったかも。でも、私とこの子は友達なんかじゃない。名前さえもおぼつかない。だから黙っていた。別に答える必要も、待つ必要もないのだけど。

でも、その意気地のなさはある種の魅力のようにも、私の目には見えた。

迷っている人の不安さというか、きらめきのようなものが見えたんだと思う。
迷う前から何も考えない私にはないものが、あったんだと思う。]

(16) 2015/06/07(日) 22:31:32

学生 マシロ

[駄目にしてしまった手紙は、宛先こそ分からないけれど。本当はとても大事だったんだろうなあと惜しくて、でも私に何か言う権利なんかない。というか、内容も相手も知らない。

悲しかったんだろうとか、白い封筒じゃなくてもっとおしゃれなのにすればいいのにとか、いろいろ考えた。でも、おしゃれを思うほどの余裕がこの子にはなかったんだろう。そんな顔に見えた。]

(17) 2015/06/07(日) 22:34:04

学生 マシロ

[だから、]



 …………書き直さないの?


[逆に、無責任なことを言ってみた。]

(18) 2015/06/07(日) 22:35:27

学生 マシロ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2015/06/07(日) 22:35:50

学生 マシロ

[夕焼けの中に赤みがかった髪の毛は綺麗に光って見えたのに、何だか今のこの子はとてもくすんでいる。髪の話じゃなくて、顔色の話。もちろん運動で少しは日焼けしてるだろう顔の肌色も、唇も、私と同じように二十歳にもならない健康的な色をしてる。

彼女の口元に浮かんだ笑みが気にくわなくて、私は思いっきり口をへの字に曲げた。

珍しいかもしれない、子供っぽいだろう顔。
でも、構うもんか。
彼女とは何の関係もないんだ。
どう思われたっていい。


何だかすごく、この子のしてることが馬鹿みたいだった。]

(19) 2015/06/07(日) 22:50:25

学生 ムカイ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2015/06/07(日) 22:53:35

学生 クルミ

書きなお、さないかな


[白い封筒の中身、
掌圧の重苦に耐え切れず潰れちゃったわたしの文字は
それでも少しだけの澄まし顔をしてるんだろうけど、
わたしはそれをもう一度書ける気はしなかった。

だけど、でも、
語尾が言い切る形にならなかったのは
まさにわたしらしさの表れだ。

同じ白色を握っているのに、日中や朝の、
ボールで風を切るあたしらしさなんて欠片もない。]

(20) 2015/06/07(日) 23:22:57

学生 クルミ

[二十重にもタコを作ってきた手から
握りつぶした手紙から、
視線を外し顔を上げたら

そこには堂々たるへの字が浮かんでいた。
見上げる場所さえ違っていたなら、
それはまるでお月様かと一瞬思うくらい、
しゅっと、迷いなく、女の子の顔に浮かんでいた。


自分の気持ちを欠片も疑わないような顔で
感情に正直な幼児めいた雰囲気があるのに
細い眉の下の眼差しが、きゅっと強くて、
その強さに飲み込まれて、

わたしはぽかんと口を開けた。]

(21) 2015/06/07(日) 23:23:15

学生 マシロ

ふーん。

[別に、私には関係ないし。この子がどんな手紙を書いていようと、出そうと出すまいと。つまらなくて、誰か他にいないかなと視線を本棚の間から図書室の中へ。誰かの姿が、視界に飛び込んできたかも。

再び視線をあの子に戻す。への字をしたまま。
何だか間の抜けた顔してる、友達だったら可愛いなって思ったかもしれない。でもこの子は友達じゃないから、可愛いな、よりも何よ、の気持ちの方が上で。]

(22) 2015/06/08(月) 17:23:09

学生 マシロ

書き直さないんだったら、捨てたら?

[もういらないでしょ。
だったらもういいじゃん。

捨てちゃうんだったら奪い取って見ちゃおうかな。そんな気持ちさえよぎった。私はそんな、無神経なことをできる立場にいる。

この子のことを知らないからこそ、そんなひどいことを考えられる立場にいるんだ。手紙を受け取るべき人がどう思うかだって知ったこっちゃない。そういうのは当事者が考えることで、私には関係ない。

捨てないって言うなら、この子はどうする気なんだろう。*]

(23) 2015/06/08(月) 17:24:10

学生 チカノ

[『人気書籍コーナー』と貼り出された一角。
ベストセラーや話題の本が並べられている。
この棚は他よりも低く、車椅子に座ったままでも手が届く。
そのためしょっちゅう利用しているのだが、今置いてある本はもうほとんど読んでしまったものだった。]

はあ…

[今日何度目かわからないため息をまたひとつ。
迷った挙句に図書室に戻ってきたものの、本を読む気にはなれない。]

(24) 2015/06/08(月) 20:41:16

学生 チカノ

(あの2人はいつまでやってるんだろう。)

[顔を上げて、何やら言い合っている2人の女子生徒をちらりと見る。
図書室に入ってきたときにはすでにそんな様子だったので詳しい事情は分からない。

特に興味もない。

ただ「よそでやればいいのに」と自分もさっき男子生徒とやりあったことを棚に上げて思うのだった。]

(25) 2015/06/08(月) 20:42:44

学生 クルミ

[あれ、あれ、あれ。
わたしなにか怒らせるようなこと、してた?

一度離れた視線がもう一度ぶつかった。

いや、怒らせるようなこと、したけど。
ぶつかったけど。
あれでも、ぶつかったときは、
怒ってなかった、怒って、たのかな。


0.21秒の衝撃。
視線が戻った時、がつんとはたかれたような
そんな感触がしてぱちくり瞬いた。
星が散った。気がする。]

(26) 2015/06/08(月) 22:55:43

学生 クルミ

えっ


[捨てたら?

こともなげに言われた言葉。
わたしはもう一つ瞬きした。おまけにもう一つ。
でも、言葉の意味は理解できるのに
なんでそんなこと言われるのか、判らなかった。
22世紀の未来人と遭遇した気持ち。


知らず知らずに握る拳が強くなる。
もう封筒は悲鳴を上げない。上げないんだけど。
こんなぐちゃぐちゃになって
そりゃ、読めるだろうけど
渡しようもないものになった手紙は泣いたり、しないんだけど。]

(27) 2015/06/08(月) 22:59:51

学生 クルミ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2015/06/08(月) 23:02:40

学生 マシロ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2015/06/08(月) 23:04:11

更新時刻が06/08 23:30に設定されました。

学生 マシロ、学生 クルミをじっと見つめた。

2015/06/08(月) 23:16:42

学生 クルミ

……そんなの、

あんたに関係ないじゃん

[でもなんでか、「捨てたら?」なんて、
いかにも簡単な調子で、
つまらそうに言われた言葉に
はいそうしますって返事できなかった。
かわりに。
話して2,3ふんも経ってない人に向けるには
フテキセツにわたしは険を混ぜた言葉を返した。

そりゃ、ごみみたいなもんだけど。
ごみみたいに、しちゃったけど。


掌のなかでくしゃっとなった白い紙が、
ボールみたいにまるまって、きゅっとなった。
わたしの眉毛もきゅっと寄ったんだと思う。]

(28) 2015/06/08(月) 23:25:20

学生 クルミ

[だってこれ、わたしのもんだもん。]

あたしがどうしたって、
あんたに関係ないじゃん っ


[図書館では、うるさくしちゃ駄目とか
他の人の迷惑になるとか、
そういうことが全然考えられなかったわたしは
なんでか知らないけど、
自分がなにをしているのかも考えられてなかったみたいで

本棚の隙間や女の子の向こうかわに見えた、
夕日なのかな、それともライト? にしび?
それが目を刺すように眩しくてツンとして

気付いてみたら
ピッチャー振りかぶって、投げた。]

(29) 2015/06/08(月) 23:26:32

学生 クルミ、大声じゃなかったのは自制心のたまものだと思う。投げたけど。

2015/06/08(月) 23:27:26

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生存者 (4)

学生 クルミ
24回 残11162pt
学生 マシロ
27回 残11180pt
学生 ムカイ
5回 残11820pt
学生 チカノ
12回 残11679pt

犠牲者 (1)

告げ人 アン(2d)
0回 残12000pt

処刑者 (1)

学生 シンヤ(3d)
8回 残11727pt

突然死者 (0)

参観者 (0)

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