187 雪色街のたからさがし
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フリーター バク
─ 何処かの駅前 ─
[今にも降り出しそうな空の下。
駅前から続くショッピングモールからは、賑やかなシーズンソングが流れてくる。
その音に負けじ……というには、ちょっと控えめにギターをかき鳴らした。
足を止めてくれる人も皆無じゃないが、開いて置いたギターケースの中に投げ込まれる『お気持ち』は微々たるもの。
今はギターソロだけで歌がないから、余計に少ないのかも、なんて。
そんな風に自分を慰めているのはちょっとどうかと思わなくはないけど]
フリーター バク
……つか、さむ。
[一曲弾き終え、ぱらぱら拍手もらって。
にへら、と笑って、買ってきといた缶コーヒーを手に取った]
降って来たら、撤収だよなあ……。
[ちら、と見上げた空は、まだ、ないてない。**]
フリーター バク
[空になった缶は、袋に入れておく。
最後にまとめて捨てる方が、効率いいから]
……さて、そんじゃ……。
[次は何を弾こうかな、と。
思いながら相棒を抱え直した時、すぐ横で白いものが揺れた]
フリーター バク
へ？
[振り返った先に見えたのは、白くて長い耳]
……うさぎ？
[が、立って歩いてるとか、そんな事あるのかよ、と。
心の中で突っ込んだら、そいつはにやっと笑ったみたいだった]
…………。
[あ、なんかむかつく。
そう思って伸ばした手は、空を切った]
……へ？
[あれ？ と思うけれど、そこにはなんにもいやしない。*]
フリーター バク
[白いあれはなんだったんだ。
ていうか、幻覚とか見ちゃったのか。
そんな事を悩んだのは短い時間。
気を取り直して相棒を構え、爪弾くのは雪イメージの曲]
……これも、歌詞書かねえとなー。
[サビの部分が上手く行かなくて未だに歌無しの曲はそれでも自分的にはお気に入り]
フリーター バク
[何曲目かを弾き終えて。
今度は少し、『お気持ち』もあったけど、そろそろいろんな意味で限界が近い]
……いっぺん撤収して、メシ喰いに行くか。
バイト間に会わなくなるとやべーし。
[呟いて立ち上がり、立ち止まってくれた人たちにご挨拶。
お気持ちは、唐草模様の巾着に入れて、相棒をケースへ仕舞いこんだりなんだり、場の御片付け]
フリーター バク
さーてと。
なーに、食べるかなぁ。
[相棒担いで立ち上がりながら呟く。
と言っても、懐具合的には限られる、限られまくる。
コンビニでカップラーメンかなあ、なんて考えて。
いつもの事とはいえ、びみょーな寂しさには、とため息が出た]
【独】 フリーター バク
/*
結構村多い中、最低人数集まっていただけて、感謝！
ゆるっとのんびりできるといいなあ、と思いつつ、さて、役職はどうなるやら……。
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