人狼物語 執事国


189 あおいろ幻歌

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合唱部員 イマリ

[逸る心そのままに、波音に向かって駆けていく。
その先が正しいという確証は無かったけれど、でも]



── 呼んでる。


[こっち。こっちだよ。
幼いコエが、誘導するように聞こえてくる。

あの子のコエ。
大好きだった、大好きな、大好きなのに記憶に封じ込めていた、あの子のコエが]

(73) 2016/07/23(土) 18:56:30[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ

[あの子と二人、あのおじいさんとおばあさんの前で歌を作ったのは小学校に上がる前の夏。
補助輪の取れたばかりの自転車で頑張って遊びに来た海で、一番最初にできた友達で、初恋の男の子で]


『イマリちゃん、お歌じょうずだね』

『ボクね、イマリちゃんの声、だいすきなんだ』

『おっきくなったら、ボクのおよめさんになって、ボクのピアノで歌ってくれる?』


  うん、いいよ。

   イマリ、歌うのも、 ──くんのピアノもだいすきだもん。

  だからね、イマリ、──くんのおよめさんになるよ。


[そんな、先の未来を話して、笑いあって。
これからずっとこんな風に、一緒に居るんだって思っていた]

(74) 2016/07/23(土) 18:57:09[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ

[でも、夏も終わるある日、あの子は約束の時間を過ぎてもなかなか、来なくて。
そろそろ家に帰らなきゃいけない時間になって、ようやく来てくれたその口から告げられたのは、思いもよらないことだった]


『ごめん。イマリちゃん』

『ボク、イマリちゃんをおよめさんに、できなくなったんだ』


    『ごめん。  …ごめんね』


[そういって悲痛に沈む表情を俯かせるあの子は、どんな気持ちでいたのだろう。
幼いアタシは、あの子がどうしてこんな事を言い出したか、その理由を思い遣ることすら出来なかった。
ただ、約束を反故にされる悲しみと、憤りと、困惑が頭の中をいっぱいにして。

ひどい、どうして、うそつき。そんな言葉ばかりを投げつけたあと]

(75) 2016/07/23(土) 18:58:05[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ


   もう良い!


     ──くんなんか、だいっきらい!


[心にも無かった、けれど決定的な亀裂を刻み付ける言葉を吐いて、あの子の前から逃げ出した。
家に帰って、自分の言葉に後悔して。
次に会う時にはちゃんと謝ろう、嫌いなんて嘘だって伝えよう。

そう考えていたけれど。
あの子から、二度と連絡が来ることは無く。

次にあの子と会えた時には、声を交わすことは出来なくなっていた]

(76) 2016/07/23(土) 18:58:36[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ

[あの時のことを思い返して、一番に浮かぶのは。
黒い服を着た人達がたくさん居て、その中心に眠るあの子の顔。

一緒に歌を歌って、ピアノを弾いて。
楽しいねって笑い合った時と同じ、優しい顔のまま、冷たい木の箱の中にいる、あの子の顔。


アタシは周りの人達と同じ黒い服で、両親に手を引かれて。
あの子のお母さんに呼ばれて、元々先天性の病気だったこと、療養の為にこの街に来ていたってこと。
表向きは元気だったからあの子には大したこと無いと言っていて、けれど誘発された合併症のせいで誤魔化しきれなくなって。
こうなったからには頑張って病気と戦おう、そう決めた矢先だったと聞かされた。

それから、息子と仲良くしてくれてありがとう、と泣いてる顔で微笑まれて。
それまで呆然としていたアタシの感情は、決壊した]

(77) 2016/07/23(土) 18:59:14[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ



 ちがう、ちがう、ちがう!
   アタシ、ありがとうなんて、言われたらダメなの!


  だってアタシ、ひどいこといった!
   きらいだって、うそつきって、いっぱい言って、

   なのに、ごめんねって、言ってない

      ──くんに、かなしい思い、させたままで

 
   もう、会えない、なんて

               おもって、なかった

 

(78) 2016/07/23(土) 19:00:25[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ

[嗚咽混じりに叫んだ言葉を、あの子のお母さんは、どう思ったんだろう。
優しく頭を撫でるその手に隠れて、表情は見えなくて。

両親がアタシの代わりに謝罪してくれた後、そのままアタシは家に帰って。


記憶を封じ込めてしまったのは君と過ごしたすべてが苦しさに変わってしまったから]

(79) 2016/07/23(土) 19:01:20[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ

[大好きなキミを、傷つけてしまったこと。
大好きなのに、キミの気持ちを考えることすらできなかったこと。

悲しいだけじゃない、罪悪感という名の自分の身勝手さも嫌だった。

そうして、アタシはずっと、君を閉じ込めたまま逃げてきた。

でも、本当は解ってたんだ。それじゃダメだってこと]


   会いに、いくんだ。

    遅くなってごめんって、傷つけてごめんって。

(80) 2016/07/23(土) 19:02:05[夢中で駆けている途中]

合唱部員 イマリ



  ほんとは今も、大好きなんだって、ちゃんと、言うんだ。


[ただの自己満足でしかなくても、キミにちゃんと向き合わなきゃ、先に進めない。
生きている自分が、前に進んでいく為に。
この世界から、戻らなきゃいけないんだ。

駆けながら握りしめる手の中には、何時しか小さな何かが形作っていた。
それは海の藍に染まったような、薄い、小さな鍵。
もう一つ同じものを重ねたら丁度良さそうな、それを見た刹那、>>*2コエが響いた]

(81) 2016/07/23(土) 19:03:04[夢中で駆けている途中]

【赤】 合唱部員 イマリ


ゼンジさん!?

何があった─…や、説明はいいです、
  今アタシ、そっち向かってますから!


[方向はそのままに、走る速さを上げる。
急な負担に息苦しく、コエを届けるのも容易ではないけれど]

(*3) 2016/07/23(土) 19:08:02

【赤】 合唱部員 イマリ



ゼンジさん、

  アタシ、鍵、持ってた!


[このコエと、こちらの姿。

ゼンジに確認されるのはどちらが先だったか**]

(*4) 2016/07/23(土) 19:11:18

【独】 合唱部員 イマリ

/*
連投申し訳ない。

これで合流までいけた、で良い、かな?
ウサギさんが>>#2>>#3>>#4で事態収拾は済ませてくれてるから、みなさん元の世界に戻るに支障はないはず、だけど、も。
後足りないところがあったら時間が許す限りで落としていきたい所存。

あ、ちなみに鍵はゼンジさんのと重ねて完成ってことに勝手にさせてもらったよ!
といったところで一旦離席。
またきまっする!**

(-126) 2016/07/23(土) 19:20:40

合唱部員 イマリが接続メモを更新しました。(07/23 22:37)

【独】 合唱部員 イマリ

/*
ただいまただいまこんばんは。

ウミおじーちゃん夏風邪ぶり返して…!
あんまし無理しないで、大事してね(´・ω・`)
ンガムラさんもお疲れさまだよ、ココロ折れるよね…(ぽふぽふ

(-133) 2016/07/23(土) 22:38:42

【赤】 合唱部員 イマリ

元々、そっちに向かってる、
      とちゅー、だったから!

  多分、もう、すぐに、行ける、はず!

[走りながら、少しでもゼンジが安心出来るかと状況を説明する。
鍵を持っていたことも伝えたら、彼も鍵を持っているという答えが返った。
やっぱりアタシ達二人が原因だったのかな、そんなことを考えた所で螺子も出てきたらしいと知れて]


じゃあ、後は、アタシが、そっちに行けば、

  全部、そろい、ますね!

(*6) 2016/07/24(日) 00:24:23

合唱部員 イマリ

[もう少し、もう少し。
聞こえる波の音と伝わるコエに向かい、強く足を踏み切って砂浜に飛び込んで。
そこに見えたのは、朝顔揺らぐ海の中から射す金色の光。
>>82その近くに立つ男性の顔に見覚えはなく、けれどすぐに誰かは解った]


ゼンジ、さん!


[全力で駆けてきたから、無理させて悪い、という声に返事する余裕は無く、代わりに顔を横に振り。
伸ばされた手、海の藍に染まった小さな鍵を乗せようとした所でふわり、空へと舞い上がっていった。
>>#1聞こえたコエは、やっぱり変わらない調子の、信用できない軽い口調、だったけど]

(96) 2016/07/24(日) 00:24:43[海]

合唱部員 イマリ



   う、ん。

         ──もう、逃げない。

    向き合って、前に進むんだ。

   
[>>85海から上がってきたその人の問に返したのは、肯定の頷き。
ずっと、自分一人が悲しくて、申し訳なくて、目を背けてきたことから、もう逃げない。
だって、アタシが前に進まなきゃ、あの子もずっと、傷ついたあの子のままだから。

鍵と螺子が揃ったその場には、他にも人は集まっていただろうか。
>>85気が向いたら、と告げる男性や>>88検索してみてというゼンジの挙げた名称を記憶に刻んだ後、帰らないとな、という声を聞いて]

(97) 2016/07/24(日) 00:24:57[海]

合唱部員 イマリ

アタシも、帰らなきゃ。

合唱コンクール、ソロパート貰えるかもしれないし。
頑張って練習して、胸張って歌えるようにならないと。


[思えば、ずっと歌は好きで、頑張ってきた。
それはきっと、あの子が好きだってずっと言ってくれていたから。
記憶を封じ込めても、それだけはきっと、忘れることがなかったんだ。

そう思った矢先、聞き覚えのある鐘の音が鳴り響いて。
あ、帰るんだ、と過った脳裏、聞こえた声は間違いなく]

『イマリちゃん』
 

(98) 2016/07/24(日) 00:25:16[海]

合唱部員 イマリ

[驚きに目を瞠る。
姿は見えない、ずっと見えないけれど、ずっと聴こえていた歌声の]


『ボクね、
     イマリちゃんが、だいすきだよ』


     ───、う、ん


[涙が零れる、止められなくて何筋も伝う、そのままに頷き、そして]


────アタシも、好きだよ。


  ずっと、すきだよ。

(99) 2016/07/24(日) 00:25:34[海]

合唱部員 イマリ


 いつか、ほかに好きな人ができても、一番最初にすきになったのは、キミだから。

キミに恥じない、負けないアタシになれるように、ずっと、がんばっていくから。

ひどいこといって、傷つけてごめん。


         またいつか、会えるときまで。 
           ──ばいばい、海くん。


[そう言って、微笑んだ先。あの、優しい笑顔が見えた気がして、手を伸ばす。

その指先に触れる直前、世界はかしゃん、音を立てて壁が崩れ。
目の前に広がる藍は、川の苔生す匂いを伴うそれに戻っていた**]

(100) 2016/07/24(日) 00:28:55[海]

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生存者 (5)

若旦那 ゼンジ
80回 残6361pt
合唱部員 イマリ
39回 残7385pt
化粧師 ンガムラ
60回 残7114pt
留学生 パオリン
3回 残8917pt
学生 ハツネ
43回 残7589pt

犠牲者 (2)

告げ人 アン(2d)
0回 残9000pt
翻訳家 モミジ(3d)
1回 残8980pt

処刑者 (1)

灯台守 ウミ(3d)
32回 残8047pt

突然死者 (0)

参観者 (0)

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