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…おや。
[ふと、塔に干渉する力を感じて左耳のピアスの紫水晶に手を触れる。
どの宝石よりも紫の魔女と一番相性の良い紫水晶が淡く輝くと、塔の中の知りたい事をその脳裏に鮮明に伝えてくれる。]
…ふむ。内側からは普通には開かなくなってるようだね。ご丁寧に窓まで。流石に部屋の行き来はできるが…意識してやったものか無意識下で働いた力かは知らんが。
…まぁ、こういうのも含めて「見守る」ってことさね。若いの達に任せてみようか。
[テーブルの千里眼の水晶に意識を向け、大根飯を一口。]
しかしアン…言ったこっちゃないよ。
黒のが何を考えたかは知らんが、やはりあれは脅かしすぎさね。
…ガモンさんや。塔にもキッチンはあるはずさね。
あとでルリちゃんに食後のおやつを作っておくれ。あと、アンの分の食事も。こっちに来てるようだからね。
[見物を決め込むと、千里眼の水晶を眺める。
眺めながらも再びピアスの紫水晶に触れると、塔のどこぞの階で慌てふためく弟子の様子を感じ取り、小さく溜息をついた。]
若いの達はますます慌てるだろうかねぇ…ふむ。悪循環にならなきゃいいんだが。
[言いながらも見物を決め込む姿勢は崩そうとしない。]
[二人の前に料理をひろげると]
お譲ちゃん、
よけりゃあ召し上がってくんさいね。
外、暗くぅ寒くなってきたわ。
たしかにこんな時ぁ、温けえ飲み物がいちばんさね。
あ、はぁ、やや、俺ぁ修行中の身すし、
まだまだ未熟で…ははは…身に余るお言葉す…
[ヘイケの褒め言葉が
照れ臭くて頭をかき、ふとルリへ視線を流し]
この子は貴女の娘さん
…ってぇんじゃ、なかったんすね。
迷い子かぁ。
こんな日に…。や、たしかに月ぁ赤かったすね。
[困惑過り、魔女の表情をちらと窺う]
ふむ、ルリちゃん?
今日はこちらに泊まって行くといいすよ。
主のアンさんもきっと歓迎してくれるす。
[先ほど鏡から告げられた子供の訪れと、この少女を結びつけてはいた。
二人の横で話を聞きつつ、にこにこと]
分化会の生中継つうわけすか。オツなもんで。
[目尻に皺を寄せ、
少しばかり人が悪い顔つき、水晶を一瞥した。
分化会に興味は持っているらしい。]
や、やや、それは、
いや烏龍茶だけで十分っす、いただきやす!
[食事を勧められれば、
ややうろたえた態で着席し、
美味い、一言を聞くや、満面の笑みが浮かぶ]
あはは、そりゃぁ、
嬉しいす、いっちゃん嬉しい言葉すね…
何っすと?開かなくなってる?
[ヘイケの断言。
紫の魔女の大きな魔力には到底及ばず、異変の詳細までは感じ取れない。
窓へ寄って押し引きを行うも、びくともしない]
やー、まじっすね…。こりゃあ。
若いの…あん子らに任せる、すか…。
まだまだ俺ぁ、ケツ青いんかのぅ、
…頼りになるんかいな、思ってしまいまさ。
率直に言や、不安ですわ。
[歩み、神妙な顔して水晶を覗きこむ。]
――アンさん?
[馴染みの気配がふいに近づいたように感じ、
ヘイケの言>>+1を加味して確信を持った。]
なんてこったい。
ほんじゃぁ頼みの綱は、ニワトリの前の子らのみか。
……わかりやした。
キッチンも食べ物の貯えもありやすし、飢え死の心配は当分せずに済むっすが…
[赤い月の夜だろうと、
どこか悠然と映る魔女に少々見惚れたが、
料理を口へ運ぶルリが視界に入り、気持ちを切り替えた。]
なんだか大変そう。
[ぽつり]
あ、うんとね。うんとね。お寿司、食べたいかなあ。なんだかおじちゃん、お寿司の人っぽい。
[えへへ、と*笑った*]
ガモンさんもアンの気配を感じたかい。
…すまないね。頼んだよ。
そう長くは続かないだろう。まあ、いざとなりゃあ
[心配させまいと思わず言いかけたが、やはりその先の言葉は今は口に出さない。
水晶の中に映る、塔と魔女と童話を結びつける若い子達の様子を見て]
今は魔女と塔で連想するものがラプンツェル、か。
平和な時代になったもんだねぇ……まぁ、私も伝わる話をお師匠様に散々聞かされただけに過ぎないが。土地柄もあるのかね。
ふふ、髪が長く長く伸びたら面白いかい?
ルリちゃんは若いから手入れの心配は無用かね?羨ましいもんだよ。
[無意識に自分の髪に触れるあたり、歳の事は少し気になるようで。]
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