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……持ってるよ、冥銭。
でもね、……見せたら、あたしが送られそうなの……三途の川のほとりまで。
あたしは……みんなを見送りたいの。
うさぎ大好き ニキは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
髪結い ホズミは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
[ふと立ち止まって、辺りを見回す]
はて?
この川岸も賑やかになってきた気がするぞ、デンゴよ。
[小さな連れに話しかけると、再び歩き始める。やがて、ルリや、他の人々を見つければ声をかけただろう*]
にんげんと、家族・・・。
[白い包帯が解れて、指先を撫でる]
・・・家族だったら、もう食べなくてもいい?
覚えてなくっても。
[すん、と涙混じりの声**]
じーちゃん、膝の具合は大丈夫。
[尋ねた後、賑やかになってきたというウミの言葉と、
誰かが滑った音を、聞きとめた。]
かーちゃん…タカ兄…コハル姉…コハル姉…
[コハルの瞳の色を見つめた。]
コハル姉のこと、知ってるよ。
オヤツのとりあいして負けてばかりだったから、オレ忘れない。
家族だったら食べなくてもいい…?
うーんと…
[少し考え込んでから]
苦しい事は、しないで。
覚えてても、憶えてなくっても、それは同じ。
[背伸びして、ほどけかけた包帯の上へと手を伸ばし、コハルの頭を撫でた。]
ニキ姉、そこに残るの?
おしるこも、ぜんざいも、安部川も、
こさえてくれる人いないのに。
また誰かが来て作ってくれるかもしれないけど、
それはかーちゃんの味ではないんだね…。
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