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北京の「キノコ」…?
あの麻薬も研究の一部だったということかなぁ。
――――…とすると。 っ!
[死角からの敵の銃弾を肩に受けて、思わず顔を顰める。けれどその相手を撃ち倒した直後、にいっと嬉しそうに笑った]
あは。お兄さん、みいつけた!!
[それは、例の赤いマフラーの幹部の男。不意を突くように相手の間合いに飛び込むと、傘の柄から飛び出した鋭い刃でざくりと一突き。これで邪魔者はいなくなった]
だ、脱出…。ええと、この機械を操作すれば良いのかな。
[片腕でぱちぱちとボタンを押していくが、最後の最後で手が止まった。列車の破損に耐え切れなくなった機械がショートして、プログラムが読めない。赤のボタンか、青のボタンか。どちらかを押せば良いはずなんだけど]
[ちらりと列車の先を眺めれば、前方は行き止まりになっている。よく見れば爆薬も仕掛けてあるようだ。もう殆ど時間がない]
うぅん。適当に押しちゃおうかなぁ。あ、でも、今週は運勢悪いんだっけ…?
[浮かべる笑みは、流石に苦笑いに近くなっていた。迷った末に、手に取ったのは私用の携帯電話。カウコに電話をかけてみるが、通じるか否か]
僕もだよ。ふふ。
もう、最後になるかも、しれないから…。
[いつもと変わらぬ調子で、のんびりと話す。レールの擦れる轟音は、多分相手にも聞こえているだろうが]
0011、落ち込んでる声してるね。
何か嫌なことあったんでしょ。あんまり気にしちゃ駄目だよー。君は案外と、繊細なところがあるんだから。
ところでさ。
0011は、赤色と青色、どっちが好き?
そっか。それなら良いんだ。
そう。大丈夫、大丈夫。
[何処かあやす様な口調で、相手の言葉を繰り返し。
好きな色への返事に、ぱちりと瞬いた]
……カウコの好きな色を聞いたのに。
ふふ。でも、青色か。そうだねぇ。
僕も青色かなぁって思ってた。同じだ!なんだか嬉しいな。
[くすくすと、楽しそうな笑い声が響いて。
それから(06)秒後、大きな爆発音。通信は途絶えて、もう何も音を伝えることはない]
[6秒間の空白の間に、送信準備していたメッセージをボスへ送る{1}]
逆スパイ候補者は 0011 0020 0026 0031 0043 0066 0099。
0011は調査済み。白。
占い結果とか気にせず、がしがし吊られていくものだと思ってました…!むしろ諜報員の僕が吊られるのもありありなのかなとか。ボスをどう逆恨みして吊られようかを楽しみに考えていt
ちなみに占い基準は、わかりやすく若いナンバーからです。面倒そうな相手ほど先に潰しておきましょうということです。感情の欠片もないです。
よく考えると、カウコは占うべきではなかったかもなぁ。白を吊り外しするなら、殺しに行けないじゃないか。うーん。
いや、黒が出て嬉々として殺しに行く展開を期待していたとか、そんな、まさか。
ちょっと傾向を掴みたいので、テストー!
[手術室][裏倉庫][幽霊屋敷][スイカの名産地]
[主賓室][庭園][庭園][百合の間]
………うぅ。
[小さく呻きながら薄目を開ける。爆発の直前、なんとか脱出には成功していた。明確な記憶が残っているのは、暴走列車から切り離された最後尾の車両にしがみついた所まで。
どうやって逃げ延びたのか、最後は[校長室]で力尽きて倒れこんでいたらしい]
[其処は廃校舎の校長室だった。埃を被った高価そうなソファから身を起こすと、頬を掻く]
こんな状況で生き残るなんて、悪運だけは残ってたかな?
[古びた窓ガラスにぼんやりと映る自分の姿。それに違和感を感じて首を傾げる。否、違和感は、声を出した次の瞬間から感じてはいたのだけれど]
む?
[ひらひらと両手を上下させてみる。服がぶかぶかだった。珍しく狼狽を露わにしつつ、よくよく眼を凝らして自分の姿を見つめなおせば。
体が縮んでいた。いや、これは、縮んだというより]
どう見ても、……女の子になっていませんか?
[0099の言っていた「催涙弾で性転換」という言葉を思い出す。正直、殆ど冗談半分にしか捉えていなかったが。
列車から持ち出した筈の、敵の研究品が入ったトランクはいつの間にか紛失していた。あれが暴発して、その被害をまともに食らったと考えれば…]
あぁ、どうしよう。 死にたい。
[にこやかに微笑みながら、再びソファへ倒れこむ]
もう、いっそ僕は死んだことにしようかなぁ。
それでバカンスの続きを洒落込めば良いんじゃない?
[現実逃避しつつ、指でのの字を書いたりしていたが]
いやいやいや。でも、こんな恰好でどうするんだ。
どうやったら戻れるの?これ。
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