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[ぼんやりと広場のベンチに腰を下ろしている。
そうしているうちに町外れのほうからドロテアがやってくるのが見え]
あー、ドロテア。
[ひらひらと手を振りながら呼べば、こちらに気づいた少女が不機嫌そうに近づいてきた。]
なにも聞かずに否定したのは謝るからそんなに怒るなよ。
――人狼をみたって、どこでどんな風に?
[ほら、ここに座れ、と隣を叩きながらたずねれば、不機嫌そうな少女はそれでもぽつぽつと話し始める。]
[きちんとした姿を見たわけじゃないこと。
森の奥、木の陰だったけれど、大きな狼が見えたこと。
血の匂いとかがあったわけじゃないけど、アレが人狼だとぴんときたと――]
ふーん……つまり、根拠はないただの勘だってことか……
ドロテアが見た狼が人狼かどうかはともかく、大きな狼が居る、っていうことだよなあ。
[ふーむ、とかんがえるように腕を組む。
人狼かどうかはともかく、という言葉に少女は「やっぱり信じてないじゃない!」と怒ってまた歩き出してしまった。]
あー……またやってしまった……
[怒って立ち去ったドロテアを見送りながら、深い吐息をこぼしてがしがしと髪をかき乱す。]
やっぱり俺にはこういうのはむいてないんだよなぁ……
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無理ナシで、ゆくならむしろ、こっちかな。
食べるより、食べられる方がおいしいでしょ、アタシの場合(どんな理屈ですか。
―― 大木の木陰 ――
怒った少女は広場を離れたその足で大木の元へと向かいました。
そこにいたアイノを見つけてそばにより、今までにあったことをつらつらと、時に怒りながら言葉にします。
「ほんとうに見たのよ。
とっても大きな狼だったのよ。
あんなの普通の狼じゃないわ。
人狼に違いないのに、みんな見間違いだとか勘違いだとか言うのよ」
ひどいでしょう、と憤るドロテアはお菓子を食べながらの相槌であろうと、アイノが頷いて聞いてくれることが嬉しいようでした。
信じてくれるよね、と言わんばかりに同じ年頃のアイノを見つめて、あれこれと話し続けるのでした。
うん。
[何の肯定かは定かにせずに、最後の一枚のビスケットをドロテアの口元へ運ぶ。
咥える仕草に微笑んで、『そうだね』と言った。]
集会場、ドリーも行く?
[指先についた欠片を叩き落として、アイノは道を歩み出す。]
─宿の一階─
[グラスの琥珀色が空になる頃、奥から宿の主人が顔を出す]
ああ、親父さん。
こないだ頼まれた仕事の事なんだけどー。
[ひら、と手を振り、訪れた用件を切り出すが]
……ん、まあ、わかるわよねぇ。
糸が揃わないから、手、つけられそうにないのよ。
道が開いて、糸の都合がついたら、すぐに取り掛かるわ。
[言うより先に、わかっている、と返されて、零れるのは苦笑]
やってらんないわ、ホント。
いい図案ができてた矢先に、コレだもんねぇ……。
[肩を竦める仕種。
それにあわせて耳飾の輪がゆれた]
―― 広場から宿へ ――
[はあ、とため息をひとつついて、ゆっくりと歩き出す。]
まあ、しょうがない、か……
[いつまでもくよくよしてても仕方無いから気にしないようにして。
ゆっくりとした歩みで宿へと戻っていった。]
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