人狼物語 執事国


99 白鳥の歌

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内科医 ユウキ

[軽く頬を叩いた後も、柏木の混乱は見て取れた。
それでも次第に常の彼を取り戻すかの様子に気づくと、脱力したように下方へと零れ落ちて]

 それがあなたの逃げ方、……なんですね。
 ごめんなさい、……勝手にね、……僕と同じなのかなって思い込んでたみたいで。

[きっと、柏木の背負っているものはもっと大きなものなのだろう。或いは『追われていると思い込んでいる』のかもしれないとおぼろげに、勝手に憶測していた。

寝台に這い上がろうとする彼を支え、自分も立ちあがる。
畏怖の気配が何故か少し哀しくて、眉尻を下げた。]

 僕、あなたの絵は良く、解らないですけど……、
 こんな色合い、好きですよ。
 こんな世界に見えていたら良かったのに、……そう思います。

[寝台から距離を取り、微かに微笑んでそう告げる。
引き止められなければそのまま、部屋を出ていこうと]

(18) 2012/12/ 8(土) 05時00分位[531号室]

内科医 ユウキ

[背中越しに聞こえた言葉に意識が縫い止められる。
主語のないその言葉の真意は解らなかったけれど、酷く心に焼きついて。]

 ……空、綺麗な日に、また……、
 散歩に、行きましょう。

[生憎、窓の外は今、雨がしとしとと降っていたけれど。
そして、その日が何時やってくるのか、わからないけれど。
永遠に来ない、なんて事は想像出来ていなかった。

だから、『さよなら』なんて言わずに、静かに扉を開いて*出ていった*]

(20) 2012/12/ 8(土) 05時20分位[531号室]

内科医 ユウキ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2012/12/ 8(土) 05時30分位

内科医 ユウキが接続メモを更新しました。(12/08 05時30分位)

内科医 ユウキ

[夜半から本降りになった雨に濡れる黒い窓をぼんやりと眺めながら、当直室でカフェインを打った。

そして今朝、またひとりの患者が亡くなった。
胸の圧迫感も激しい動悸も動揺も感じる事は無かったけれど、代わりに胸の奥に洞が拡がるような感覚を覚えていた。

  僕の世界に 依然色はなく
  天空には大きな、鮮やかな虹が架かる

  あの人はこの虹を 目にしただろうか

軽く瞼を伏せて、白いキャンバスに描かれる極彩色を、脳裏へと描いていた]

(29) 2012/12/ 8(土) 15時50分位[--]

内科医 ユウキ

午前:廊下

[いつもと変わらずに回診中。出会う人々へ「おはようございます」と笑顔で声を掛けていく。
顔色に変化はないか。
数値に変化はないか。
それらと淡々と書き記し、ふと廊下の窓を見上げる。

虹はもう見えなくなっていたけれど、いい天気だった**]

(30) 2012/12/ 8(土) 16時00分位[廊下の窓辺]

内科医 ユウキ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2012/12/ 8(土) 16時00分位

内科医 ユウキが接続メモを更新しました。(12/09 01時10分位)

内科医 ユウキ

正午:売店

[回診後、幾つかの書類作成を終えて昼食時間を迎えた。
見上げた窓の向こうには、虹上がりの青い空が拡がっている。
まさに「空の綺麗な日」だった。

休憩時間をどうしようか、悩んだ挙句売店へサンドイッチを買いに出る事にした。どうも重いものを胃が、受け付けてくれない状況だった。]

 ―――…、……?

[人影の見当たらぬ辺りから、声が聞こえる。
聞き覚えのあったその声の主は、入院患者のひとりのものだった。]

 田中さん、……何を買うんですか?

[ひょい、と棚の横から顔を覗かせ、彼女の視線に合わせるように腰を落として]

(47) 2012/12/ 9(日) 01時30分位[廊下の窓辺]

内科医 ユウキが接続メモを更新しました。(12/09 01時40分位)

内科医 ユウキ

[長年の苦労を感じる田中の目皺、可愛らしい微笑みだった。思わず此方も目許が緩み]

 チョコレート、ですか。
 随分ハイカラなものがお好きなんですね。

 ……ああ、お孫さんとか?

[ひょい、と目前に持ち上げられた人形を見つめ、ぱちくりと瞳を瞬かせた。まさかこの人形に推された、という……、否、と思案しつつ、問いを受けて我に戻り]

 はい、僕はお昼に――…、……これでも食べようかな、と思いまして。

[立ち上がり、ハムサンドの袋を摘んで見せた]

(57) 2012/12/ 9(日) 02時30分位[売店]

内科医 ユウキ


[祖父母という存在に恵まれたことが無かった所為か、老人をみていると無条件に心がなごむ。けれど『患者』という面から見れば厄介な存在でもある。
免疫力の低い者が多く、風邪ひとつこじらせても命取りになる場合が多い、赤子にも同じだ。

人は歳を取れば取るほどに、庇護欲を駆り立てるかの如く、こんな風に可愛らしくなるのかもしれないとぼんやりと感じた。

その思いは、続く田中の言葉を受けてより、強くなった。]

 こ、この子、が……、

 そうですね、彼女なら、餡子よりはチョコの方が、似合うかも……、

[後者はぼそ、と、笑いを堪えて呟いた。
馬鹿にしたつもりなのではなく、『可愛いおばあちゃんだなあ』という思いからつい笑みが溢れてしまい]

(66) 2012/12/ 9(日) 03時10分位[売店]

内科医 ユウキ

[『不摂生』の響きを聞き取ると、困惑するよう眉根を下げた。無礼にも、少し痴呆が入っているのかとも感じていたけれど、意外としっかりしていると記憶し]

 大丈夫ですよ、こう見えても僕、割と頑丈なんです。

 壊したくても、中々壊れないんです。

[そのままレジへと歩みを進めて、傍らにあった小箱入りのチョコレートを手に取った。以前、口の中でとろけるように美味しいのだと、看護師が話していた小包装の四角いチョコだ。
サンドイッチと一緒に会計し、別に袋に入れて貰い。田中へそっと差し出した]

 これ、美味しいらしいんで……、良かったらそのお嬢さんと、どうぞ。

(67) 2012/12/ 9(日) 03時10分位[売店]

内科医 ユウキ

[存在自体が愛らしい、と言っても過言ではない目前の老婆が、他の患者――主に歳を召した女性に多い――と同じ台詞を口にした。
またか、と感じる程度に耳にする言葉は此方を心から気遣ってのものなのだろうけれど、少しばかり表情を翳らせた。]

 それが出来れば、ね……
 田中さん、僕と結婚してくれます?

[勿論冗談なのだけれど。此処から見合いはどうだのと本気発展する場面が多い為の、回避策であったり。

少し屈んでチョコの入ったビニル袋を差し出すと、想像以上に喜ばれてしまい、恐縮してぽり、と頭を掻いた]

 ……旦那さんには内緒にしておいてくださいね。
 お礼なんていいですよ、……じゃ、僕はこれで。

[『男前』などとおだてられてつい、ふざけた一言を付け加えてしまう。幾つになっても女性は女性なのだなあとぼんやり馳せつつ、田中に手を振って売店を後にした**]

(71) 2012/12/ 9(日) 04時00分位[売店]

【独】 内科医 ユウキ

[なんとなく空が見たくて、途中で珈琲を購入して屋上へ上がる。

少し肌寒さを感じるけれど、雨上がりの清々しい空気が心の洞を埋めてくれるようだった。]

 ふふ、田中さん……、ほんと、いつも可愛いな。

[先程の遣り取りを思い出しつつ、サンドイッチを頬張る。レタスが水分を失って、余り美味しくは感じなかった。

無理やり一枚だけ口腔へ押し込み、残りをゴミ箱へと放る。
温かな珈琲を啜り、空を見上げる。

  『空が綺麗な日だったら……
   今度こそ、大丈夫な気が、するんです。』

昨日の柏木の言葉がループする。
気にはなっていたけれど、昨日の今日で正直、バツが悪い。また、怯えさせてしまうかもしれない。

どうしようか、思案しつつ柵の下――昨日時計を捨てた辺りへ視線を落とす。
壊れた時計はもう、無かった]

(-13) 2012/12/ 9(日) 04時10分位

内科医 ユウキ

[なんとなく空が見たくて、途中で珈琲を購入して屋上へ上がる。

少し肌寒さを感じるけれど、雨上がりの清々しい空気が心の洞を埋めてくれるようだった。]

 ふふ、田中さん……、ほんと、いつも可愛いな。

[先程の遣り取りを思い出しつつ、サンドイッチを頬張る。レタスが水分を失って、余り美味しくは感じなかった。

無理やり一枚だけ口腔へ押し込み、残りをゴミ箱へと放る。
温かな珈琲を啜り、空を見上げた。

  『空が綺麗な日だったら……
   今度こそ、大丈夫な気が、するんです。』

昨日の柏木の言葉がループする。
気にはなっていたけれど、昨日の今日で正直、バツが悪い。また、怯えさせてしまうかもしれない。

どうしようか、思案しつつ柵の下――昨日時計を捨てた辺りへ視線を落とす。
壊れた時計はもう、無かった。
清掃業者が回収したのだろう。そのまま暫し瞑目し**]

(74) 2012/12/ 9(日) 04時20分位[→屋上]

内科医 ユウキが接続メモを更新しました。(12/09 04時20分位)

内科医 ユウキ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2012/12/ 9(日) 04時20分位

【独】 内科医 ユウキ

/*
Q どうして田中さんを口説いたんですか?
A かわいいから。一家に一台欲しいでしょ、田中さん。

Q ダイイングメッセージの内容が厨二のままですが?
A 死ぬ時までそのままにしておきます。
最後になにを願うか、現状ではわからないから。

Q 彼女いないんですか?
A 居たらもう少し、前向きになれると思うんですけど、ねえ…

(-14) 2012/12/ 9(日) 04時30分位

内科医 ユウキ

午後:五階廊下

[ぼんやりとした僅かな時間を屋上で過ごした後、午後は入院患者の治療処置を行った。
前回よりも目に見えて回復している患者もいれば、治療自体が無意味なレベルまで進行している患者も存在する。常であればその結果に一喜一憂し、励ましの言葉を送るところであったけれど。

言葉はただ、機械的に音と成していくだけだった。

その後、5階のナースセンターへ足を運び、看護師へ担当患者の指示を行った。
散々思案した挙句、やはり柏木に声を掛けていこうと、531号室へ向かう途中、窓辺にて彼の姿を捉えた。]


[青と白と橙のグラデーション。柏木の描く絵よりも明度が暗いかもしれないけれど、何処か似ているその風景。その中心に佇む柏木の姿は翳りを帯びて、浮世離れした荘厳さが滲んでいる。

掛ける言葉を見失い、離れた位置から動けなかった**]

(94) 2012/12/ 9(日) 15時30分位[→廊下]

内科医 ユウキ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2012/12/ 9(日) 15時30分位

内科医 ユウキが接続メモを更新しました。(12/10 00時20分位)

内科医 ユウキ

[暫く動かぬままに、柏木の姿を見つめていた。
様子を窺っていた訳でもなく、風景に溶け込んだ柏木の姿が現実なのか夢なのか、その判断さえも出来ぬほどに見惚れていた、のかもしれない。]

 ――柏木さん……!

[自分の上げた声に驚いて目を瞠る。色の洪水に柏木が吸い込まれてしまうような錯覚を覚えた所為だった。
あの色の洪水こそが、『柏木を追うもの』なのでは、などと妄想が、過ぎった瞬間だった。
彼が気づいてくれたなら、「何でもないです」と片手を左右へ振りながら数歩、彼へと近づき]

 明日も、いい天気になると思いますよ。
 明日、散歩に行きませんか?

(111) 2012/12/10(月) 00時30分位[→廊下]

内科医 ユウキ、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]

2012/12/10(月) 00時40分位

内科医 ユウキ

[叫ぶように呼んでしまった所為か、柏木は驚いて振り返ったように、見えた。

己は、笑っていた。
勿論、嘲笑の類ではない。
微笑んで、いた。
『何か』に怯える柏木を無意識にも同志のように感じていた。

覇気の感じられぬ柏木の声が鼓膜へ伝う。
まだ、自分が『あいつら』に見えているのかもしれないと、朧げに悟り。

明日、明るい陽光の下、会話をすれば…、彼の心に巣食うもののかたちを教えて貰えるかもしれない、などと思考を巡らせ。]

 じゃあ、また明日。

[一方的に約束を取り付けて手を振り、柏木に背を向け階下へ向かうべくエレベーターへと消える。
それが、最期に見た柏木の姿、だった*]

(118) 2012/12/10(月) 00時50分位[→廊下]

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