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[ピョンとはねた、スイの寝癖をチョイチョイ引っ張ると]
貴方も行くのでしょう?向こう側へ?
いつまでもここには居られないはずなのです。
……私にも、よくはわからないけれど。でも。
ここは長居をするところでは、きっと、無いでしょう。
[ふと、ヌイに視線を送って]
あの人は、あやつが来るまでは、待つと言っているですが。
[心配そうに呟いた]
あやつは、早く会いに来てくれると良いですね。
こんなに待っているのだから。
[『よろしく楽しむですよ!』と言いながらヌイの隣に腰を下ろすと、草団子をポチポチ*つまんでいる*]
さてね。
君に向けていたのか、彼女に向けていたのか。
得られなかったものの、
……代わりを、求めていたのかもしれない。
[額に落ちる前髪を、くしゃりと掻きあげた]
それでも――
たとえ、仮初でも、夢でも、
俺は、嘘とも偽物とも、思わない。
代償にしないで下さい。
[呟いた声は人へ向ける物ではないかのような小ささだった。
握り締めた拳は、小刻みに震えている]
何の、話ですか。
[男達のやり取りを見やる瞳には涙が滲み、視界が少しぼやけていた]
[チカに向き直り、気を取り直し、赤い顔でこほんと咳払い]
本当はね。ここ爺ちゃんの分もチカに預けようと思ってた。
チカがすっきりするまで一緒にいよう。と思ってた。
今も思ってる。チカがその気になったら、声をかけてくれれば良いかな、とか。ここにいるみんなで一緒に、あっちにいるみんなに会いにいくなら少しは怖くなくなるかな、とか。
[なんとなく間が悪い感じで恥ずかしそうに呟き]
[つまり、言いたいのは――とあたふたつける]
焦らなくて良い。って爺ちゃんは思うってこと。
爺ちゃんとかしかいないから、不満かもだけど、
チカはすぐにどうこうしなくても良いってこと。
以上、爺ちゃんからチカにはそんだけです。
――ゆっくり歩こう。
[チカからは何かある?と、まだ赤い顔で問う]
[ちかは、じっ・・・とベックの目を見てしばし考え込んで]
あのね、お願いがあるの。
こんばん、じいじといっしょに寝てもいいかな?
わたし、一人で寝るのが、ちょっとこわい・・・。
[何かの予感に震えて、ベックに懇願をする]
[震えるチカの手をとって、目を見つめ返しながら首肯する]
良いよ。一緒に寝よう。
今晩だけじゃなくても、不安なら不安じゃなくなるまで。
大丈夫だから、のんびりいこう。
[どうしたのさ。と心配そうに]
[ほっとした顔で]
ありがとう、じいじ。
[それ以上は何も言わずに、取られた手をしっかりと握り返す。
やがて小さくあくびをすると、眠たげな目をこしこしと*こすった*]
うん。眠いなら、もう今日は寝ようか。
[筋力を二倍にする奇跡の新薬『MYO-029』を飲み、
パーフェクトベックになって、眠そうなチカを抱きあげる]
……。
[ユウキとツキハナのやりとりを見て、ちょっと思案]
まあ。
[視線を彷徨わせた挙句、ツキハナを見る]
たとえ、夢幻に過ぎないのだとしても、
スイの言っていたように、
俺にとっても、皆は“家族”なんだろう、な。
[温もりすら、偽りかもしれない。
けれど、その手に、触れた]
[二人を見ながらちょっぴり心配してる様子]
……じゃあ、じーちゃんは寝る。
[任せて良いよね? と目でユウキに問う。
それから、ゆっくり茶の間を出て行った。*]
それなら、お帰りなさいと言わせて下さい。
明日も、明後日も、ずっと……あなたに。
[叶わぬ願いと知りながら、ユウキの瞳を覗き込んで言う。
涙を隠そうと、静かに*抱きついた*]
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