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違う、そうじゃない。
[首を左右に振って声を絞り出す]
かえるの。
その為の鍵がどこかにあるはずなの。
あるはずなのにわからないの。それが何なのか。それがどこへの道しるべなのかも。
>>+40
そーだね、死んでるだけに探しても足がつかない……じゃなくてさ。
お互い、相手がこうなってるって、すぐにはわかんなかったもんね。
ん?
あ、ごめーん。
「信じてるわ!」って言うべきだった?
[ひひ、と笑って]
うん、知ってた。ほら、ロッカちゃんがさ、アンちゃんが吊り橋の下で――って言ったとき。
一緒に窓硝子を見てみたら、あんたの顔が映ってたんだけどさ。
雨の中、うろうろとアンちゃんを捜してる姿だったよ。あんた、その時まだお店にいたのにね。
窓硝子に映ってた、あれは……アンちゃんがどうなったか、知ってるようにも、関与してるようにも見えなかった。
違う、そうじゃない。
[首か左右に振られる]
かえるの。
その為の鍵がどこかにあるはずなの。
あるはずなのにわからないの。それが何なのか。それがどこへの道しるべなのかも。
[搾り出したような声で]
[ウミの額はどこか温かい気がして、あはは、と笑い声がこぼれた]
ねえねえ、ウミにゃー。
ここに来ても寒いの。どうしてなのかな?
こっちに来たらいいのよ、みんな。
あの人?
――お前、誰だ?
[あの人は誰かとホズミが問う。目をすがめた]
かえる? 鍵……道しるべ?
[ふと思い出すのは、蔵にあった古びた箱]
こうなったら片っ端から探してみるか?
わかんないの。
わかったと思ったのに、何もわかんないの。
みんなみんな泡になっちゃえばいいのに。
みんな消えてしまえばいいのに。
[人々の疑問に何一つ答えることなく、ウミに触れていた手を引っ込めた]
帰る、ってどこへ?
……そんな分からないことだらけなのに
どうして帰らないといけないの?
それは――本当に、必要な事?
[余りにも曖昧な話に、自然と問う言葉は多くなる]
突っ走る、…そうね。
流されるのとどう違うのか、わからないけれど。
[ぽむりされるといたまれなくもなるが、
フユキのその手を軽く摩ってうなずいた]
…
私にも、わかることはあるのよ。
「何のせい」かは言えなくとも、
「誰のせい」か、くらいだったら。
[首を振ると声は元に戻り]
……ロッカさんロッカさん。
ウミがそちらに行ったら、皆さんがそちらに行ったら、ウミも皆さんもきっと冷たくなると思いますよ。
ロッカさんは寒いのですかにゃ。
ずーっとお一人で苦しんでおりましたのかにゃあ?
そういえば、どなたかがどこかと頭の中に聞こえたような気がしたのですが、
もしかして お一人ではない のでしょうかにゃあ?
帰りたいのですか?
フユキさんが片っ端から探してみるかとおっしゃってくださっておりますよ。
探しに行きませんかにゃ?
[かえることが必要なのか、そう問うホズミと]
……?
[ヘイケの肩に置いたままの手、撫でられて。頷くのが見えれば、同じように頷き返して]
……え?
[唐突に、ころりと。何かが転がり出てきたように。瞬きして、ヘイケの顔を見直す]
ロッカさん、皆さんを元に戻す方法、何かご存知でありませんかにゃあ?
……お答えはいただけませんにゃあ……。
ロッカさんの帰り道もわかるといいのですが―――――
わかるって、なんで……
[今まで黙っていたのか、とも。
なんでわかるのか、とも。
けれど猫がこうして喋っている現実があって、今更問うのも、意味がない気がした]
――ウミ。
その、「何かを探している人」に、見つかるまでつきあうって、伝えてくれるか。
[誰だかも知らない、誰かに向かって。先ず、言って]
…かえってしまうと 寂しい
そう言ってくれるコは、
ロッカの周りにいないのかしら?
[そう言って ウミへ手を伸ばす。
ねこの顎下を人差し指でいつものように擽る]
そうだね
探しに行ってみよう …鍵
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