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う、あ、あ…
[ころした。ころしてしまった。
人をころしてしまった]
[しかし、ショックを受けている暇もなく、耳に入るのは。
スズメバチの群れの、羽音。
そしてカチカチと顎を打ち鳴らす、威嚇の音]
に、げ…
[こくり、と唾を飲み、声を限りに叫ぶ]
マティアス、逃げろ!!
ニルスも、イェンニも、頭を低くして部屋から出るんだ!!
[おそらく情況が分かっていないであろうマティアスの腕を乱暴に取り、大部屋の出口を目指した*]
[>>121ダグが雀蜂の入ったツボを叩き割る。
次の瞬間]
――!!
[目をそむけることすらできなかった。
ずぶりという音がした後、ダグの首から、赤い液体が噴き出していた。]
─その昔─
[ゆらゆら、冷たい湖の中で、…は空を見上げている。
そうしていると、珍しい、真冬の湖に浮かぶ船の上。
家族連れなのだろうか、幼い子供とその親が乗っていて。
子供が湖面にいる魚に手を伸ばすけど、
魚は子供の手をすり抜けてどこかへ行ってしまった。
子供の手も一度は引き抜かれたが、また水中へ。
今度は、湖の中にいる…を誘うように、
ゆらゆらと揺れる。
あそぼう、と誘われてるように見えたから。
…はその手を掴んで、船から引き摺り落とした。]
何をして遊びましょう?
[深い湖の底。
聞いても答えは返ってこない。
それは当たり前の事、相手はただの人間の子供。
苦しそうにもがいた後は、やがて目を閉じて眠ったようで。]
せっかく遊んであげようと思ったのに、
おねむだなんて失礼しちゃうわ。
[…はその小さな体を湖畔に運ぶ。
この子には、まだ永遠の幸せはいらない。
だから、楽園には誘わない。]
また、今度。
[眠る子供に語りかければ、子供が湖に落ちたと
ざわつく村人がやってくる。
やがて村人に見つかり、]
──……わたし、ちょうどそこに居て、あの子、流れてきて、
[…はその時初めてこの村へと溶け込んだ。
だって、子供が引きずり込まれたのが見えたはずなのに。
誰も悪魔が子供を湖に誘い込んだんだって、
言わなかったから。
彼らの記憶の中では、毎日のように24年前に雑貨屋に
生まれた娘と記憶されている筈だ。
──でも。
こんな事になるなら、あの時に逃げていれば良かったんだわ。*]
[銃弾に貫かれた同胞の遺体を。]
[刀で落とされた同胞の頭を。]
[飢えて凍えて、
骨と皮だけになって死んでいた両親の姿を。]
[辛うじて残っていた頭部。]
[ちいさな子供の二つの空洞から
蛆が湧き、溢れる様を。]
[そして、
ガスが溜まって膨れ上がり、
水面に浮いた沢山の水死体を。]
[たくさんの死を見てきた二対のマルベリーは、
この程度のことで動揺などしない。]
[何を思ったのか養蜂家はポーチと頭巾を外して此方へとそれを渡してくる。
ニルスは黙って受け取ったが、疑問が残るばかりで眉を顰めた。
そして次から次へと彼から紡がれる言葉たちは全て理解出来ずに、目の前の光景はあっという間に過ぎていく。
―――気付けば、ユノラフが彼の首を刺し、盲目のマティアスを引き連れ部屋から逃げていた。
部屋に響くは、昔、彼と出会った時に気付けなかった蜂の羽音]
結局、君のことは最期までよく解らなかったよ。…あの時は有り難う、ダグ。
[最後の言葉は聞こえただろうか。
皮肉など混じっていない、純粋な感謝の言葉。
それが彼と出会った時に分け与えられた蜜への礼か、彼の“村”へと近付いたことを許された事へのものかは、ニルスだけが知ることだろう。
慌てる様子もなく、それだけ言ってしまえばニルスも大広間から出て行った]
/*
うわああああああああ
それ恥ずかしいわ!!
いろいろ世話を焼いて可愛がってきた相手に、実は自分の成長を見守られてたとか…
なにこれ萌える!←
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