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ウルス、ラ……こいつが――っ
[ウルスラの声>>3に訴えるように声を上げる。
ラウリが僕は違うと訴えたとしても最初にナイフを持ち出したのはラウリだと主張しながらもみあい。
そして――銀の刃はその持ち主に牙を向いた。]
――っち
[もみ合った拍子に――ナイフは深々とラウリの胸に没んでいた。
その傍らには息を切らしたベルンハード。
そして――夜が明ける。]
[交差する、二人の主張。
押し止めるために手を出そうにも、どちらもとまりそうになく。
……閃いた銀刃が捕えたのは、自らの持ち主]
……何だって、こんな事になっちまうかね、もう……。
[物言わぬ姿となったラウリと、息を切らすベルンハードと。
差し込み始めた朝日の照らす生と死を見比べつつ、女はひとつ、息を吐いた]
生きていたい、からだろ……
[荒い呼吸を整えながらウルスラ>>5に答え。
物音で起きた宿の主人が静かに見てくるのに視線をそらす。
父親がそのまま、外へと出て行く音を聞きながら、僅かに息をついて。]
服、着替えてくる。
――そのうち町の人たちがラウリのこと連れて行くだろうし――
[その間に、とつげて、奥の自室へと戻っていった*]
[返り血を浴びた姿のベルンハードが、
背を向けて自分の部屋へ行こうとしているとき――
ペッカは、傍らの壁に半身を預けた儘の格好で、
まだ目覚めきらぬ頭を押さえて呆然としていた。]
…
[床に転がる死にたての骸は、手品師のラウリ。
――目にはしていても、咄嗟には動けなかった。
二人が争う光景も、ウルスラの上擦った制止の声も
目覚めたばかりのペッカには現実離れしていて。]
何で、俺ァ寝こけてた… っ
[――交代で、休む。
言葉にせずとも、アイノが示唆した>>2:67提案。
視線で促され、ペッカは最初に眠った筈だった。
然し目覚めてみれば、皆が時を同じくして
寝静まった頃を見計らい騒ぎは起こっていたわけで]
…アイノ、お前ェ。
端から起こす気無かったな。
[葡萄酒の瓶を抱え居るアイノへ一瞥をくれて、
低く咎める。ベルンハードの足音が遠ざかると、
ペッカは怒りの遣り場なく拳で木床を殴った。
…己が、ラウリへ先手を打つつもりだった。
言わずとも、
硬い床を殴りつけた音の激しさが物語る*]
[――夜明けと共に、静寂を破る複数の靴音。
ベルンハードの父親――宿の主人が呼んだらしき
村衆が、惨劇からそう長く経たぬ場へと入り来た。]
…ウルスラ姐。これ任せらァ。
[ペッカは、これ、と言いながら村衆への説明を
示す態で口元で軽く手を開閉させて腰を上げ。
やがて運び去られるだろうラウリのなきがらを
その場へと置き去りにして、奥へと足を向けた。]
… コイツだと いいァね。
―― 宿:奥の自室 ――
[深い吐息をこぼしながら血で濡れた服を脱ぎ。
汲み置きの水で血を流して新しい服へと着替える。]
くそう……
[小さな舌打ちをしながらいらいらと頭をかきむしり。
もう一度、吐息をこぼした。
表のほうでざわざわとした人のざわめきが聞こえるから、人がやってきたのだろうと見当をつけて。
また呼ばれる羽目になるかもしれないと、顔を蹙める。]
んあ? ペッカ?
[無遠慮なノックの仕方というかどう聞いても扉をけって居る音にしか聞こえないそれに幼馴染の名を呼ぶ。]
はいってくりゃいいだろ。
[扉を開けにいくことはせずにそう声を掛けて。
水差しに残っている水をコップへと注いだ。]
おうよ。
怪我無かったかお前ェ。
[幼馴染の声が聴こえたなら、中の様子を
覗うことも無く躊躇わずペッカは扉を開ける。
常よりは幾分か重い足取りで、室内へ歩を進め]
…悪ぃナ。
[咄嗟に彼へ加勢が出来なかった
自らの体たらくを、短く詫びた。]
んー、まあ怪我といえるほどでもないけど……
[かすり傷のような切り傷が幾つかあるが、血をぬぐってしまえば目立たない。
詫びをいう幼馴染に驚いたように瞬き。]
ペッカがあやまることじゃないよ。
あれは、どうしようもなかったし――
俺が動けたのも、珍しかったぐらいなんだから。
[だから気にしなくていいと首を振り、コップの水を飲んだ。]
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