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[そこには奇しくも他の死体も置かれていた。
思えば、死体を見るのも
初めてだったかもしれない。
――ここに来てからは]
仲良く並べてあげるから。
[ソラをグリタの隣に置いたのは
自己満足の嫌がらせ。
その目に涙はない。やるべきことがあるから]
ソラさんの仲間だったのか……会いたいな。
[ソラが伝えたいことなんて、日記を見れば分かる。
ただ、無性にクルミに会いたくて*下へと向かう*]
[ちくちくと痛む切り傷に眉を寄せながら、私は果物ナイフと包丁を拾おうとして……止める。
血で汚れたそれは、使い物にならなさそうだったから。
私は、ソラさんと2番の子が戦っていた辺りに、今更のように大量の血の痕を見つけて、足を止める。
日記が手元に無い今、その結末がどうだったのかを知る手段も無くて、血の痕を追うことも出来ない。
恐らくは、日記で知らされているであろう死も知らず、私はただ、血痕の前に立ち尽くす。]
[意を決して差し込んだ鑿は頬を切り、振るわれた錐は左肩を掠める。痛みを感じながら体制をもう一度と立て直し、お互いの力量は互角と感じれば]
しつこいね本当。何で僕なのさ。
僕は君と関わりが無かったからって理由?
それともあの時居た君が手を組んでた奴ら皆が鬼で守りたいから?
[語りながら合間を取り始める]
く……っ、そ、
[足がふらつく。頭がガンガンと痛む。
さっきぶつけたところだろう。
振るわれる鑿を避け、錐を振るう。
決着は、つきそうになかった。]
──…理由、か。
関わりがなかった所為も、あるな。
関わりない奴のほうが、……やりやすいだろ?
[互いに武器を振るいながら会話する。
ちょっと前には、考えられないような風景だった。]
守りたいのは…、そうだな。
守りたい。
その為に、見知らぬ相手を蹴落とそうと思うくらいには。
………ッ!!
[大きく振り被って狙いにいった錐を外され、バランスを崩す。
そのまま、身体を開くようにしてフユキの後方へと飛び下がった。
は。と、息をついて振り返った。距離を取る。]
[6thの剣幕は少しわかる気がした。
世界に価値が無いのだから、戦う理由があるとしたら、ただ守るべき人のためなのだろう。]
……、
[階下へと降りる彼女にはなにか目的があるようだ、自殺していたかもと語った時とはまた少し違って見える。
6thが去った後、屋上に少し残る。
前来た時は直に去ってしまったから、
よく見てはいなかったのだ。夜明け近くの空の色は淡い紫に棚引くような薄い雲。風が髪を攫っていく]
……この世界は、好きだな。
あんたを狙ったのは、俺からは傍観者に見えたからだ。
生きたいだけじゃ、生きるに足りない。
気持ちだけではやっていけない。
生き残るために──…戦えないのなら、それは敗者だ。
俺は生きたい。生きて守りたいものがある。
その為になら…、見知らぬあんたを、殺す。
[錐を構えた。右手首、日記の端末に手を触れる。
時が満ちる。神の日記の力を奮う──はず、だった。]
[けれど]
[語りながら合間を取り始める]
確かに。
関わり無い人の方が得策だ。
[息をきらせながら距離を少しずつとる。
薄暗い為その姿は見えないだろうけど、納得するその姿はいつもの調子で。。
これでも本人にとっては真剣なのだが。]
さっきも言ったけど、僕は生きたい。
押し付けってよくないよ?
防衛するのだって戦いじゃないのかな。
だけどありがとう、今までこんな事した事無かったから。
[お礼は場違いなもので]
────…っ
[力は、奮われない。別の場所で発動したのだ。
薄暗闇の中、顔色が変わった。
く。と、唇をかみ締める。]
これ以上は無理、か。
― 4F ―
[男はいつからそこにいたのか。
それを知る者はいないだろう。
なぜなら、和装を解き、まるで従業員のような顔で、その横を通り過ぎていったのだから。
そして、クルミとネギヤ、
その様子を、まるで見えないかのような顔で、眺めていた。]
ああ、
ネギヤさんは、あざとく、強いですね。
昨日、話した時に思ったとおりです。
[そして、クルミが押さえつけられる。
クルミとの約束。
クルミが誰かを殺すなら、クルミとヨシアキを信頼する。
それもあって、
彼らの戦いを見つからぬように見ていた。]
[戦力外、といいつつも、
きちんとついてきたらしい9thを見やる]
なんだ、11thになついてたのか……?
[思わず零してしまったが、
そういえば先ほど分かれた時、
途中まで追いかけられていたことを思い出して、そのまま黙った]
言われた事や経験を教訓に生かす事にするよ。
────だから今は生きる為に何でもする。
[そう告げると同時に、近場にあったカートを次々に引いては押しつけ
すぐには近寄れない状態にしてその場から更に暗闇にへと姿を消えた。]
[こちらは6thとはあまり話していないから、
彼女の決意は分からない。
ただ、コハルがソラを担ぐその背を見て、
…二人の間に、かわされていた何かの絆が
あったのかなと、そんなことを思うだけ。
1stと3rdと11th。
強固な彼らの絆――11th風に言うならパーティ――とは違う、でも確かな想いの繋がりが]
[だが、傍観しているのがクルミの日記に映っていただろう。
クルミの日記を奪ったネギヤは、エレベーターまでたどり着いてから、きょろきょろとしはじめる。
そして、彼が無人のエレベーターに乗り込み、その扉を締まる時には、神の日記の力で、その中に、彼の前にもういた。]
ネギヤさん…こんにちは。
クルミさんの日記、精度はいいですか?
[浮かべるのは、笑み。
それは、鬼の…彼の世界でいう狼の…。]
貴方の話は、わかりやすかったです。
貴方の世界は、貴方が死んで、
生きる世界だってことも。
[もちろん、それは、違うと言うだろう。
わかっている。]
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