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[メモを拝見]
だ、大吉……?
ようやっと村建て様も帰って来られたところではございますが、私今日はそろそろ失礼を致しますよ。
また明日、お目にかかりましょう。**
相応の報い……って。
おい、何を……
[レンがダンケに告げる言葉に、スプレーを噴射しようとする仕草に、当惑したまま間に割って入ろうとしたが、間に合わず。
咳き込むダンケが話す内容を聞き]
……客? 望み、って。
何だよ、それ。ダンケさんが、殺人犯なのか?
レンが……それに関わってたのか?
なあ、どういう――
[零れる言葉は疑問ばかりで。ダンケが吐き出した黒い煙に、続けかけたそれを呑み込む。目を見開いた濡れた姿は、すぐに煙に包まれて]
……っ、……う……
ダン……
[肺に流れ込む煙に、酷くむせて、犯人なのだろうその名を呼び切る事も叶わなかった。遮られた視界で、おぼつかなく壁に触れる。
その言葉から、様子から、ダンケはもう死ぬ気でいるのだろうと、死んでしまうのだろうと、思われた。
レンは何をしていたか、何かを喋っていたか。どちらにしても、少し考える。レンが場に留まろうとしているのであれば、あるいは煙に迷っているのであれば、その手を引くべきだろうか、と]
……
[僅かな猶予での、やはり僅かな思案。手探りでレンの姿を探すと、その腕を掴み]
……行……っ、……ぞ、……
[咳き込みながら、途切れ途切れに告げ、掴んだ腕を引いて駆け出した。煙から離れようと。途中、幾つか窓を開けながら]
[ダイニングの辺りまで来て、足を止めた。ダンケのいるプレーチェの部屋から遠ざかるにつれ、段々と薄くなってきていた煙は、もう一切がなく、視界も鮮明で]
……ああ、やべえ。
なんか、体……重いん……だけど。
[室内を見渡しては、呟く。だるそうに時折咳き込みつつ。その腕は離さないまま、レンの方を見て]
……どういう、事なのか。
教えて、くれるか?
[見慣れたそれとは違う姿をしたレンに向けるのは、真剣な色を湛えた双眸。些か掠れた声で短く問い掛け、その返事を待った*]
★エピアンケ★(任意)
■1.お題の量はどうでしたか?また、お題について何かありましたら。
■2.最終日に「狼CO禁止」でしがどうでしたか?
■3.その他
けはっ。
やっぱりおとり捜査には、一般人が適任なんだよ。
ははっ、お姉さんに怒られそう。
ゲンちゃん、どこ?ごめん、目が霞んで、見えない……や。
あれ、言ってなかったかな、アンと僕のこと。まあ、いいか。
僕らの両親はとある会社の社長だった。でもある日、突然死んじゃった。
死因は不明。でも、警察は何もしてくれなかった。科捜研だっけ?ドラマとは全然違ったね。
それで、以前世話になった興信所に頼んで、調べたんだ。そしたらね。
パパとママは、副社長に毒殺された……んだって。調査結果にはそう書いてあったよ。
パパたちの仇……副社長を恨んだよ。でもね。実際に手を下したのは彼じゃない。彼に雇われた殺し屋……。人を殺すのを生業に、お金を稼いでのうのうと暮らしてる。そんな奴等がいるから、頼む人が出てくるんだ。
それでね、アンと僕が依頼したんだ。毒殺請負人を雇って、山荘におびき寄せて奴等を捕まえようって。
パパとママが遺してくれたお金……といっても、ほとんどが取られちゃったけど、それを全額つぎ込んだよ。殺して欲しい人がいるからって。
ある程度特定できた請負人の身内に、出した手紙が数十通。情報屋に手を回して、警察の関係者も呼んでさ。
それでね、ゲンちゃんは……あの。うん。
ほとんど無関係なんだけど。言いにくいな。
アンがね。
一目惚れ、なんだって。それで、死ぬ前に一度お話したかったんだって。
怒った?
ああ、もう迎えに来たのかい、アン。
どうしたの?怒ってる?
そっか、内緒にしといて、って約束だった……っッ。ごめん。
うん。また一緒に暮らそうよ。
パパとママと……アンと。
どうしましたー?
[長い長い廊下を歩く途中、足を止めたアンを振り返る]
急ぐと転びますよー……
[ひかれるように走り出したアンの背中に言うが、既に遠い。
壁に手を添え、薄暗い廊下を再び歩き出した。
*当て所も無く*]
[歩む足に、何かがかつんとぶつかる]
んー?
[次から次へと、ざらざらと音がして流れゆく気配。
しゃがみこんで、おもむろに手を伸ばした]
……おじさま。
[針の傷痕残る指先は、黒い狼のカプセルトイを*すくった*]
……俺は此処にいる。
[レンに、その腕をしっかりと掴みながら応えた]
アンさんと……家族だった、のか。
[アンとの関係は、露にされた姿を見た事で予想ができていた。だが、続けて語られる内容は、全て考えもしていなかったもので]
……
[無言のまま、話を聞いていた。
復讐など――頭に過ぎったお決まりの台詞も、口にする事はできなかった。レン達の悲しみが、憎しみが、苦しみが、辛い決意が、わかったから。無実の者も巻き込む、正しいとは言えない行動だろうとは思いながらも、己が似たような境遇に陥ったとして、復讐の念に囚われないという自信はなかったから。
それ故に、肯定も否定も、発する事はなく]
……そうか。
[短く、ただ一言だけ、相槌を打った。
男は眉を僅かに下げて、微かに、しかし確かに悲しげな、やるせなげな表情をしていただろう]
え、……
[思いに暮れる中で少しだけ浮かんだ疑問は、すぐにレンから説明された。ぱちくりと]
一目惚れ、って。マジで?
てっきり間違いかなんかで呼ばれたのかと。
[驚きから、思わずいつものような調子で言い]
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