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上司の誘いに遅刻するなんて、減給よ減給!!
[ぷんすか怒りながら、土管に腰を下ろした。
ペンライトで「はじめての天体観測」という本を照らしてページをめくる]
えーと、南どっち……?
[真上を*見上げた*]
[学生が二人並んで、開始を待ちながら会話している]
この前、鏡みたんだけどよ。
俺の顔って、少し……。
[そこまで言って、何かに怯えたように言葉を切った]
……ちょっと疲れてたのかな?
[公衆電話を見つけるとヒナの番号をそらでダイヤルする。数度のコールで電話は繋がり]
センセイ、最後の上映はじまっちゃいましたよ。
また寝坊ですか?
寒空の下で待ちぼうけする私の身にも…
はい、はい、はい? 鈴木薬局様ですか?
はい、失礼しました。
[番号を間違えたらしい。受話器をそっと元に戻すと俯いてドアを開けて外に出た]
『――てぇぇ』
[聞き覚えのある声に、はっと顔をあげる。見えると数ブロック先の角に消える影を認めて駆け出した。
角に迫る程に先ほどの声が、よりはっきりと声の主をテンマに確信させた]
『いぃしやぁぁきいもっ、やぁきたてぇぇ』
[いつもの癖で二本買うと袋を抱えて事務所へ足を向けた。と、道すがら広場に人だかりを認めてちらりと視線を向ける]
あれぇ、センセイ。
[天を仰ぐ上司の姿がそこにあった。ガードレールをひょいと跨ぐと早歩きで広場へと*向かった*]
[ひっそりと広場に佇んで、集まる人々を目で追っている]
[誰かと待ち合わせている訳ではないのに、何となく誰かを待っていたことに気づいていた]
変じゃな。年かな。な?
[腕の中の連れに*問いかけた*]
はい、ええ、早急に対処します。
[すもももも、と眼前に広がる春の野原とたわわな果実(心象イメージ)。
早口すぎて聞き取れなかったようだ。
差し出された手に]
焼き芋、いま食べますか?
そんな心配そうな顔をしないでください、ちゃんとセンセイの分も買ってありますから。
[一本取ると、新聞紙で包みなおしてヒナに手渡した]
ところでセンセイ、これは何の集会ですか?
[見回すと学生らしき男女が4人に猫を抱えた老人が1人、それにヒナ]
おおよそ同一の括りが思い浮かばないのですが。
[おかしな演説が始まったら逃げ出そうと心に決めると、焼き芋を一口頬張った]
[空を仰ぎ見て、片言の言葉でつぶやく]
星、きれい。
星座の見え方、ちがうけど、星の輝き、一緒。
[周りを見ると、数人の学生と、男女と老人]
みんな、星、見にきた。流星群、楽しみ。
[一人公園の噴水のそばで、*空を見続けていた*]
てっちゃん、あたし、流星群見に行こうって言わなかった?
[はむ、とヤキイモに噛り付く]
うん、甘い。このべたつきが堪らない。
仕事は出来るのに、変なとこ抜けてんのよね。まったく。
[ぶつくさ言いながら頬張っていたが、おもむろに立ち上がると広場の一角に向かった]
[三毛猫に、にゃお、と声をかけたりしつつ、向かった屋台で甘酒を買う]
お返し。
[元の場所に戻ってテンマに一つ渡すと、再び土管に腰を*下ろした*]
[ヒナの流星群、という言葉に]
ええ、探すのに苦労したんですよ。
もう最終の上映終わっちゃいましたけど、まだ今月末まではやって――センセイ?ヒナさーん?
[ぶつぶつ言いながら立ち上がって歩いていくヒナの後姿を見送りながら]
抜けてる? 私が?
[そっと生え際を摩った]
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