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食べるか、食べられるか…?
どちらも、同じ意味じゃないですか。
だって命は巡るのだから。
[小さく呟くと、ホズミの後を追いかけた]
そうだね。この村ではお母さんの方が悪いんだろう。
少なくとも、僕はそう思うよ。
[それは、村に生まれた者としては当然の思考。腹部に微かな痛み。突きつけられた包丁。]
そうだね。僕も同じなんだろう。この村の人間だからね。
[清治に答えつつも、これ以上刃を進ませぬように清治の手を押さえようと]
あれ、若葉さん?
[叫び声を上げ駆けて来る姿に、そちらを振り向き困ったような表情をする]
やだな、これじゃあ……
[切っ先に僅かな手応えを感じながら、思案するように]
[若い男にしては体力が乏しい男も、息を切らしながら走っていたが、何とか足を止める事はなく、其処まで辿り着いた。ワカバの声に立ち止まり]
セイジさん、
[その名を口にして]
……ダンケさん、
[続けて、共にいるその名をも口にした。ほとんど同時にワカバの叫び声が響き渡る。男は咄嗟に駆け出す事もできずに立ち竦み]
はぁ…ッ、ダンちゃんっ…、逃げて!
殺されちゃ… やだ。
[息を上げながら走りにくい畑へと向かい、ダンケの方へ駆けよれば肉切り包丁を持つ清治を睨みあげた。]
清治くん、…
―――― そうやってアンちゃんも殺したの?
だったら、――せめて食べないで欲しかった。
自分が罪になる世界にもう一度産まれるなんて――
[ダンケに向けて絞り出す言葉。
彼女の死の真相が知られていなかった以上、その願いが叶うはずもないのだが]
わかったよ。
――やっぱり、この村の人間、全員殺さなきゃ駄目みたいだ。
この村の掟と生まれ変わりを信じてるなら――こうやって一人二人殺したって、何も変わらないんだから。
幸せだよ、『この村の』人たちは。
食べてあげれば、ちゃんと転生できるんだよ。
清治くんは命の重み…解ってると思ったのに
[白衣のポケットに手を突っ込む。
診療所に戻った時に念の為と思い入れたメスを内側で握る。]
―――― 残念。
[若葉がこちらを睨み付けてくる]
――そうだよ。
[その問いに、肯定を返した]
僕が殺した。
女の人は後回しにしたかったけど、何か勘付いてたみたいだったし。
……仕方なかったんだ。
[悪びれるでもなく、平然とした口調]
[若葉の声に清治が気をとられた瞬間。其のタイミングを逃さずに清治の手から包丁を奪い取ろうとして]
若葉さん!危ないから離れて!
[ワカバの叫び声にびくりと体を震わせ、こぼされた呟きに]
……え、ホズミさ…。
[歩くスピードをあげた彼女に急いでついていくと]
……せーじ、くん?
ダンちゃん…、っは、…私は逃げない。
…、…逃げないよ。
清治くんを…、抑えてて。
―――― 私が …殺してあげる。
[ポケットの中から鋭いメスを握る手。
握り過ぎた手は白と赤い色が目立つ。
暑い中、走ったせいで額には汗が滲む。
その手が狙うのは―――清治の頸動脈。**]
こんな村嫌だって思ってるなら、出て行けばいいじゃない。
[畑のあぜ道を、さして急ぐ風でもなく歩く]
そんなことしても、誰も帰ってこないよ。
[しゃがみこみ、転がる大き目の石を拾ってセイジの方へと投げやった。
周りに人がいることも*構わずに*]
じゃあ、頼むから……僕の事は、食べないでくれるかな?
罪が二度と赦されなくてもいいから。
[若葉を真っ直ぐ見詰めて言った]
――僕も一応、解ってるつもりなんだけどな。
多分、理解の仕方が違うんだろうね。
僕はまだ、母さんの生まれ変わりに出会った事ないし。
――っと
[会話に気を取られている間に、包丁を奪われた]
しまった。さっさと殺っておけば良かった。
居てもいなくてもいいような父親なんだし、ね。
[皆を殺すと言うセイジを、母親を殺されたというその姿を、対峙するダンケやワカバの姿を、見る。近付いていく事も、何をする事もできないまま]
……罪。
罪は死によって赦される。
命は喰らわれ繋がれる。
[語るように、独りごちる]
アンさんは……
やはり、事態を察していたのですね。
だから……
[セイジが語る理由に、俯き]
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