─《B=10》─
……っ。
[膝も泥だらけですりむけて、血が滲み、顔や手のもひっかき傷だらけ。
お団子も崩れたまま、声を殺して泣きながら、一人、月明かりの下を歩いている。
右手には、アンから奪った[手斧]]
やっぱ、イマリひとりじゃ無理だよ。
男の子でも、運動部でもないもん。
[被害者みたいな顔をした加害者は、携帯端末を取りだす]
とは言っても、僕の持っている情報は、スタートしてすぐの道端でジュンタが倒れていたことくらいなんだけどね。
[外国のコメディ映画のように肩をすくめてみせた。
ジュンタに触れたときに汚れた、白い上着をひらつかせて真面目な顔をする]
誰かがやったんだ。
クラスの誰かが、こんなおかしなものが始まってすぐに、クラスメイトを……殺したってことだ。
ムカイ、もし君が正気なら。
この先、誰か危険なやつがいたときは僕にメールで教えてくれないか?
─ベックへのメール─
かいちょー。助けて。
むかい君か、ぷーさんを殺したいの。
イマリひとりだと、勝てない。死にたくないよ。
[そして、自分がいま居る場所と右手の手斧のこと。
アンを殺した事も告げる]
─J02:木造のバス停─
地面に乱れた制服姿のアンが横たわっている。
いまはセーラーのスカーフで隠された首には、絞められた跡がある。
彼女の指先には血がにじんでいた。
ぽつんと空のデイバックが落ちている*
それは頼もしい。期待しているよ。
[>>18 ムカイへと、1枚のCDアルバムがポケットからはみ出るデイバックを掲げて見せる]
僕のこの支給品では、戦うどころか正当防衛すら出来ない…とわかるくらいには正気だ。
お楽しみボックスとやらを狙いにヤマを張ってくる。
[追いかけずに、静かにその場を離れた]
物騒な物を持っているようだが、レディからのお誘いを断るわけにはいかないな。
[次のラウンドで無事だったら参上しよう。
短いメールがイマリ>>19 へと、返された*]