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[耳に残っている鐘の音。
傾ぐ身体を支えようと筐体に伸ばしたはずの手は金属の冷たさではなく、木の温もりを伝えてきた]
あ…
[突いた掌の先に視線を向けて色の続く先を辿っていくと、そこには]
…なんで?
[咲き誇る藤を見上げて呆然とした。
一緒にいた少女はどうなったのか、確認することもすぐには思いつけないくらい。
二足歩行の兎の話は、聞こうとしなくても耳に届いてくるものかもしれないけれど**]
どーして、私が!?
[やっと声が出た時には もう 誰もいない]
...熱射病にやられて、幻覚ていうか...あ、もしかして倒れて、夢見てる、とか。
[夢にしては いろいろおかしい 知ってるけど]
[額の痛みも何処へやら、白い兎の言葉が耳の奥へと滑り込む。]
……。
[此処の話。時計の話。]
……。
[僅かばかり、遠い記憶に色が付いた。それと同時に込み上げる拒絶感は、言葉となって…。]
ともかく、同じ場所に居るなら合流しよう。
何か目印になりそうなものはあるか?
[スマホを介して妹と落ち合う場所を探す。
妹の方に泉のような場所があると言うことで、それを目印にすることにした]
じゃあお前はそこから動くな。
泉を目印に探すからな。
[そう告げて通話を一旦切った。
溜息のような息を吐きながらスマホの画面を見ると、時計がありえない数字を表記していたりとわけの分からないことになっている]
……ホントに何なんだ、ここ。
[色々知ってそうだった兎は既に居らず。
状況を把握するためにも藤林を歩き回りながら泉を探すことにした**]
…………うぐ。
大声は、まずい、かも。
[声を上げた後、また息苦しくなったような気がして息を吐く]
次、発作起きたら、いろいろやっばいもんなぁ……。
[幸いにというか、一人暮らしを始めてからここまでの二年間は、何事もなく過ごせた。
だから後一年も乗り切るんだ、と。
そんな決意は、ほんの一部──倒れては世話になっている養護教諭とかその辺りくらいにしか零した事はないわけだが]
……とにかく、ここにじっとしてても仕方ない、し。
動く、かぁ……。
[そんなぼやきをひとつ、落として。
甘い匂いの中、ゆっくりと歩き出す。**]
足痛いし、やっぱり暑いし、帯苦しいし。
[泣き言 普段なら 言わない]
ほんとに、歩きにくいったら、もう!
[それでも 立ったままじゃ らちがあかないので]
誰か居ないかなあ?
[うろうろ あても無く *歩き出す*]
[泉を探すと言ってもあてはない。
とにかく進める方へと足を向けると、薄紫の中に純白>>28が浮かび上がった]
───へっ?
[どこか幻想的な光景に素っ頓狂な声が出る。
妙な兎を見たりわけの分からない場所に連れて来られたりしているものだから、それすらも幻か何かかと思ったのだが、どうやら純白はこちらへと近づいて来ているようだった]
(うっわ、美人……)
[顔立ちが分かるくらいに近付いた頃、思わず足を止めて相手の姿を見る。
生憎ドラマだとか映画だとかはあまり興味が無かったため、端役とは言えその世界の住人だと言うことには気付かない]
──…あのっ。
すいませんけど、ここどこだか分かります?
それか、泉みたいな場所、知りませんか?
[幻ならば単なる間抜けた独り言になってしまうが、背に腹は代えられないと、意を決して声をかけた**]
そう、時計の鍵と螺子を―――…
[耳の奥。
微かに響く鐘の音を聞きながら。
いつのまに現れたのだろうか。
眼前の兎の言葉に調子を合わせるように頷く。
頷いてはいた、が。]
(柔らかそうな耳…)
[完全に上の空。
一方的ではあるが、その、あっけらかんとした物言いが。
その可愛らしい出で立ちが、戀から深刻さを遠ざけていた。
それだけではないかもしれないが。
夢現。]
[じーっと、時折動くふわふわのそれを見つめて。
触ったら怒るだろうか、などと考えていると、一通り話終えた兎が何やら頼んだよと言う。]
え?
あ、ごめ…、聞いてなかった。
[告げるも、返事はなく。
言うだけ言って、走っていく後姿を見送った。*]
[ゆっくり、ゆっくり、歩いて行く。
周囲を包む色は、懐かしいけれど。
それを見ていて、少し辛い部分もあった]
……なーんか、忘れてるんだよ、なぁ。
[藤色匂う空間で、何かあったようななかったような。
ただ、それが何か、が思い出せなくて。
考えながら、大きく息を吐いた]
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