お茶、飲みたいわね。
[一日ろくに物を口にしていない。
何でもいいから早く、そんなことしか言わない団員にため息をついて見せる。
振り返ると、そこにいたのはバクで]
夜遊びしてると怒られるわよ。
[冗談めかして微笑んだ]
キャラメルなら、あるけど。
[なんでもいいからなどと言う自警団に、なんでもいいから投げつけてやりたいがキャラメルはもったいないので我慢する]
さっきのどういう……
[問い直そうとした言葉は、微笑みに遮られる*]
夜遊びして怒られるような歳じゃないよ。
俺、お茶、いれようか? お茶屋の旦那みたいにはいかないけどさ。
――…。
[震える手で診察鞄を開け、薬品のアンプルと注射器を取り出す]
…せめて、怖い思いをしないで済むように。
自警団の元に向かう人に、これをー―。
[それは、麻酔薬として使われている、モルヒネ。過剰摂取すれば、幻覚を見る――麻薬。
医師はそれを手に、玄関へと向かった**]
[自警団の靴音が、悪魔の訪問に思える。
時間なんて止まればいい。
そう、思いながら姉から少し距離を置いていると聞こえる(>>19)耳を疑う言葉に]
お姉ちゃま! まって! 駄目よそんなことっ!!
[一息先にたどり着いていた少年に微笑む姉に、縋り付いた。]
自警団のお歴々、ですかな。
……しかし、親父からもお袋からも、この村にそんなのがいるとかいう話は聞いた事がなかったんですがねぇ。
──自警団じゃありませんよ。
[ゼンジに促されて、玄関に向かう。]
ええ、お願い。
[バクを台所へと向かわせてから、ツキハナの手を両手で包む]
困ったわねぇ……
でも、このままだときっと、誰かれ構わず連れて行かれるわよ。
お姉ちゃま…
[駆け寄った姉の手は温かく。そして冷たい。
嗚呼、こんなことなら何故真っ先に姉を信じて、無実を証明しなかったのか。
悔やまれる]
誰かが犠牲になるなら…
わたくしが姉の代わりになりますわ。
姉には大切な人がいる。
なら、わたくしなら文句は、ないでしょう?
[自警団に詰め寄るように*]