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その早口をうんと生かせるようにしなくちゃ、ね。
[そう言って取り出すのは修正テープ。
マシロが回っている間に、彼女の台本の端から
端までの全ての句読点を消している。]
……ふう。
[地味だ。]
監督の皆を見る目が一気に厳しくなったね……。
早口言葉が上手いマシロちゃんと、
性別の変化の演技にも対応出来るサヨちゃんって。
確かに、アンちゃんを選んだ理由よりは
私も納得出来る、出来るけれど。
[やはり、認めたくはないらしい。]
うん、気付かれないくらいの数を、そぉっと
入れておくんだって。
[「靴の中に画鋲」は地味に効く。
それを提案するニキちゃん怖い子、とは胸の内。]
……でも、輪ゴムの方が色々とくるよね。
それだけ詰め込んじゃうと。
[片付ける先を考えるのだとか、どうして輪ゴムが
入っていたのかを考えるのだとか。]
[いや2秒ならいけるかもしれない、早着替え。
セイジはパジャマを探し始めた。
その最中小道具入れから[カミソリ]を発見した。
位置的にメリーゴーランドのごとく回っている二人――ゼンジとマシロに巻き込まれずに済むし、
アピールの機会も掴めるかもしれず。一石二鳥だ]
知らずに足つっこんじゃうと、結構むにゅって来ると思うの、むにゅって。
コハルちゃん、さっきマシロちゃんの台本の汚れ取ってあげてたのかな。
気が利くねー。
私もちょっとその辺片付けてこよっと。
[輪ゴムぎっしりの靴を持って歩き出す]
『 元気がでるジュースです。
鼻をつまんで、一気飲みしてね♡
監督より 』
[思いついて、マシロのボトルのそばに手紙を置いた][また同じもの(手紙付き)をロープに絡まっているサヨの近くにも置く]
…これで、よしっと。
あーあー、もう。
みんなでぐるぐる回るから、その辺の[ホレ薬]とか倒れちゃってるじゃん。
ちょっと整理するよー。
[そんなどさくさに紛れて、マシロとサヨの靴を並べ直すふり。
中には――画鋲が無かったので、輪ゴムをぎっしり詰め込んである]
[「ホレ薬」と書かれた瓶が転がっているのを起こす]
あ、あれ、中身が漏れて……
あまい、においが。
[ぼんやりと視線をさまよわせた先に、[いつでも和服 ゼンジ]の姿]
ああ、ゼンジくん……なんて張りのある声、
なんて軽やかな回転!
なんてすてき……!
[目をハートにして和服姿をみつめる。
「ホレ薬」はもちろん芝居の小道具。
中身は水だ、たぶん]
[>>25>>26なんか、うるさいとか聞こえた気がするけど。確かめる暇もなく巻き込んで2人クルクル回る回る。]
ま〜われ〜♪ まーわれ〜メリーゴラン〜♪
うん、凄いボリュームだからびっくりしちゃうかも。
[輪ゴムではちきれんばかりの靴を見つめ、
筆箱の中に修正テープを仕舞い込む。]
あれれ、見られちゃった……?
ちょっと紛らわしい汚れが見えたから、手直しを
してあげなくちゃと思って。
変な所で台詞を詰まらせるようなことになったら、
大変だもの……。
[確かに、あれでは止まる事はない。何処までも。]
こ、これは……!
[セイジは魔が差したような表情で、カミソリから刃を取り外した。
<<08>>秒刃と見つめ合った末、刃を元に戻した。
孤高の笛吹きはそんな陰湿なことをしないのだ。
するならそう、きのこの歌を吹き奏でながら、
蛍光色のきのこの効能(デタラメ)について語るとかその辺である。
デタラメを吹き込むよりアンに話しかける方が、
ハードルが数段高かったのは内緒である]
後はー…サヨちゃんのお稽古のお手伝いもしなくちゃ。
男女の中身が入れ替わるんだもの、きっと慌しく
なると思うの……。
[そう言いながら彼女の台本を何かと摩り替えた。
中身はオネエ言葉の台詞がぎっしりの台本だ。]
ニキちゃん、お片付け手伝うわ。
[その後は、何事も無かったかのように振舞うのだ。]
オネエ言葉の台本なら、わざわざ男女で
入れ替わる必要はないわよね……。
あの台本、見つけるの苦労したの……。
[探せばあるものね、などと小さく笑いながら
ニキの片付けを手伝う。]
[ぐるぐる回っているうちに、転がってる小瓶をうっかり踏んで前のめりに転ぶ。]
ニキ殿〜〜〜!!
そこのけそこのけ
ヒヒンが通るでござるよぉぉぉぉ!!!
[>>37ほんやりこちらを見つめるニキの方へと、倒れ込んだ。]
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