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[ロックを解除して、ボックスを開くと。
短い本文と共に、咲こぼれる藤の写真が表示された。
きれいな紫いろは、今年もたくさんの人を満足させているようで。]
――…そういえば昔…、おともだちだったあの兄妹。
今でも元気、かな…。
[ふと、むかしの頃を思い出す。
親の仕事の関係で、家に出入りしていた、しっかりもののお兄ちゃんと、元気いっぱいの妹。
たしか名前は――…]
ともゆきくんと、あんなちゃん。
[藤園の子が直ぐ近くに居るとは露知らず、友幸は父の指示に従い作業を進めていく。
最初に行うのは外観調査。
遊歩道と樹木の位置確認をし、枝や幹が折れていないかを確認。
それから木槌を使って打診をし、危険度の評価をするわけなのだが]
(………ヤベェ)
[友幸はひっそりと焦っていた。
持って来た荷物の中に木槌が無い]
(荷物は全部入れてきたはず…!
じゃあどこかで落とした!?)
[大騒ぎしないのは、道具を落としたと父に知れたら拳骨どころか雷が落ちると分かっているから。
大事な仕事道具の管理は技術者の基本だ]
(今から探しに行ったら直ぐバレるしな…)
[打診以外の作業をしながらどうするべきか考える。
このままではバレるのも時間の問題だ**]
ぁ…。プライズ、変わってる。
[駅近くのゲームセンター、店頭に置かれたクレーンゲームの中身に目を留めて]
他のも変わってるかも、しれないし…。
[店内の景品も確認するべく、自動ドアをくぐった]
[静けさを取り戻した部屋には、外からの声がよく届く]
野球部は今日も遅ぅまで練習か。
大変やなぁ……
[窓の外を横目で見ながら、机の上の資料を取ろうと手を伸ばし]
ん?
[ふと動きを止める。怪訝そうに眉を顰めた。
グラウンドには球拾いに走る新入生と、発破を掛ける先輩部員、けれども真昼が見つめる対象はそのどちらでも無かった]
……何、今のウサギみたいなん。
[首を捻り。
けれども少し後には溜息を吐いて、眉間に手を遣る。
さっき見えたと思った“ウサギ”は何処にも見当たらない]
……気のせいか。
気づいてなかったけど、疲れ溜まってんやなぁ。今日ははよ寝よ。
きっとボールかなんか……
[言いながら再び目を遣ったグラウンドの上を、白球が転がっていく]
……にしちゃぁでかかった気ぃもするけど。
まぁええか。
[もう一つ息を吐いて、視線を外した**]
[アニメのキャラグッズや、お菓子のプライズを素通りして、奥へと進んでいく。
『初心者さんも取りやすくなってます!』のポップがつけられたクレーンゲームの前で足を止めた。]
……あ。
今日、ついてるかも。
[運動音痴も極めれば、クレーンゲームでさえ、ほとんど取れた試しは無い。初心者用と銘打たれた物で、ごく稀に成功するくらい。
掬子がコインを投入するとすれば、このポップが付いた物に限られるのだが、今日の景品は以前から気になっていた『専用ウサギ』のストラップ]
[取れそうな個体を捜索中、近くのフォトマシーンから機械的な声がして、思わず目をやった]
『それじゃぁ撮るよ?3・2・1・ハイ』
[閉じられたカーテンの中で一瞬、強い発光。
なんとなしに視線を降ろすと奇妙な物が目に留まった。]
……ぬい、ぐるみ?
[仕切り用カーテンの途切れた下の部分から覗いていたのは、裸足。
それも、ふわふわもこもこ。
まるで…専用ウサギの足みたい。そう思い、プライズにチラリと目をやって、視線をもう一度移した時、足の主は消え、カーテンも開かれていた。]
(……よし)
親父、俺あっち側見てくるわ。
[頃合を見計らい、父の傍を離れる算段をつける。
かけた声に承諾が返り、「番号振り忘れるなよ」と注意が飛んできた]
分かってるって。
んじゃ行って来る。
[チェック用紙やら何やら必要な道具を持ち、平然とした様子で父の傍を離れる。
ある程度離れ、死角になる場所へと来ると、植物園の出入口へと急いだ]
― 商店街 ―
「あら、もうこんな時間!
ちょっと配達行ってきて!」
……はいよ。
[出来上がった弁当を(04)個、銀バッグに入れて肩に掛ける。忙しそうな店頭は避け、裏口から外に出た]
[植物園に踏み込むと、は、と一つ、息を吐く。
植物や動物に触れるのは、子供の頃から好きだったから。
そういう意味でも、ここは気に入りの場所だった]
……さってとー、さっきのひとはー。
[預かりもの片手に、呑気な口調で言いながら、ぐるり、周囲を見回す。
実際、向こうの状況とかは知らないから、こちらは呑気そのものだった]
[出入口へと向かえば植物園へと訪れた人達が行き交うのが見えた]
っと、ごめんよ!
[急いでいたものだから辺りを見回す青年>>52とぶつかりかけ、身を翻してその横を通り過ぎようとする]
「今日もありがとねえ、ギンスイちゃん」
ちゃん付けは止めて欲しいんだけど、オソメさん。
[ギンスイと呼ばれるのはいい。むしろ祖母と読みが同じで、女っぽい名前だと感じてしまう本名より自分でも好きだ。が。
24にもなってのちゃん付けは、いただけない]
「明日もよろしくねえ、ギンスイちゃん」
はいはい、また明日。
[とはいえ、こうしたやりとりも毎度のこと。
ニコニコと変わらない祖母の親友に勝てるわけないので、肩を竦めて流して終わる]
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